2012年5月24日 (木)

リッカルド・ムーティ 4

ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団による
レスピーギの「ローマの松」「ローマの噴水」「ローマの祭り」
1984年11月10,12日にフィラデルフィアのメモリアルホールで収録。
ローマの三部作の決定盤ともいうべき有名なディスクである。
思い切りのいいムーティならではの大胆なサウンドが冴えわたり、
迫力ある響きへと高揚していく盛り上げの巧さなど格別だし、
いま聞いても圧倒的な存在感は全く色褪せていない。
しかし録音から30年近くの年月が過ぎていると思うと驚きだ。
ローマの三部作はその後もムーティにとって最も重要な作品であり、
度々取り上げてきているので、現在のムーティで録音を残してほしいと
どうしてもそうした思いが出てきてしまうが、こちらも大切にしたい演奏。
それにしてもローマの三部作は、暑い夏に聞くには最高の音楽だ。

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2012年5月23日 (水)

落語につぶやき 157~突き落とし

昨日の柳家小満んの会で聞いてきた「突き落とし」。
私の中で…現在聞けるこの噺は三遊亭の型と古今亭の型とで
少しずつ違っている…という勝手なイメージをもっているのだが
昨日の小満ん師匠の「突き落とし」は三遊亭の方であり、
つまりは六代目圓生の録音で聞ける内容に近いのではないかと。
しかしそれはあくまでも私の中での根拠のない推測にすぎないので
ちょっとここで…落語事典で調べてみることにした。
すると紹介されているのは、三代目三木助の速記によるものであった。
「突き落とし」は桂三木助のネタであったのか。本当に勉強になる。
私は圓生の録音をよく聞いていて、それが基本となっているのだが、
この噺はオチがないことでも有名であり、どうなっているかというと
「品川へ行ってやり損うというお馴染みの突き落としでございます」
というのが圓生のサゲである。何かいかにも続きがありそうな…
でもここまでが(上)でこの後に(下)があるということでもないようだ。
悪事は一度上手くいったけど、二度は成功しないということであろう。

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2012年5月22日 (火)

第110回 柳家小満んの会

今日は夕方から柳家小満んの会である。
早めに出て、用事を済ませてから横浜へ行ったのだが、
順調に運びすぎて、途中に時間調整をしつつ…
17時すぎに…いつもながらの「おはな商店」で
豚骨ラーメンの夕食。おいしかった。この味が好き!
そして関内ホールへ。今日のテーマは…
ズバリ「五月の噺」ということであろう!
「突き落とし」については、わからないが。
「百川」のマクラでも三社祭の話題からで…まさにいま!
旬な噺という印象で…落語の季節感は本当に素晴らしい。

古今亭半輔:牛ほめ
柳家小満ん:五月幟
柳家小満ん:突き落とし
柳家小満ん:百川

三席とも大好きな噺だし、とにかく楽しくて、今日は最高だった。
「五月幟」は以前に「日本の話芸」の圓窓師匠で聞いただけで
落語事典などにはしっかりと載っているけれど、今日では
非常に珍しい噺なのではないかと…でもこの噺はすごく面白い。
子供の初節句で人形を買いに…懐に金を入れて出掛けるのだが、
それが例によってアクシデントに見舞われ…弟分の喧嘩の手打ち!
酒を勧められ、飲んだら気が大きくなって大切な金を恵んでしまう。
相変わらず落語の熊さんというのは、台無しにしてくれるのだが、
でもこの噺、後半に行って、ちょっと気が利いていて、言葉遊び的な
買えなかった人形のしくじりを見事に挽回するのである。
酒の場面は楽しいし、サゲが実に気持ちのいい…スッキリする噺だ!
そして「突き落とし」!これは極悪な噺で…悪戯の過ぎる痛快噺。
でもこれがまた…ワイワイと楽しくて、何ともいいのである。
細かいことをいうと…推測ではあるけれど…今日の小満ん師匠は
圓生型の「突き落とし」であろう。古今亭の型も聞いたことがあるが、
そちらは与太郎なども出てきて、少々滑稽な仕上がり。
バカバカしくまとめるか…極悪な茶番劇に仕立てるか…
どちらにしても「突き落とし」は、やっぱり最高に面白い。
この辺まで来て、ちょっと気づいたのだが、今日のテーマで
「挽回する」という共通性があるのかも。考えすぎ?
「突き落とし」でも金がないのに遊びに行って、筋書き通りに
見事に無銭遊興を成し遂げて…この開き直りはすごいよ!という。
三席目は夏の噺でお馴染みの「百川」である。
去年の小満んの会(日本橋)での録音も聞いているし、
「百川」といえば、知り尽くしているような印象もあるけれど
これがやはり楽しかったのだ。百兵衛さんは最高である。
細かいことでひとつ気付いたことだが、先日の「おもと違い」で
以前は「質に入れる」ことを「ぶち殺す」といったそうだけど…
今日も「四神剣(四神旗)を伊勢屋にぶち殺した」って、
落語の表現は深いな…って、聞けば聞くほど面白い!
たいへん人気のある「百川」だが、やはりこの噺の可笑しさは
百兵衛さんのキャラ作りにあり、大いに笑いを取っているけれど
小満ん師匠の百兵衛さんは、それほど特殊なキャラ性ではなく、
むしろすごく自然体の田舎者で…素朴な印象でもあり、
師匠もいっているが、気の短い江戸っ子ともう一方の田舎者を
やり取りの中でその差というものを際立たせることで
江戸の情景がいきいきと描かれる…そこにこだわりがあるのだ。
何で言葉が通じないのだろう…勘違いしてしまうのだろう…という
出来すぎの面白さだが、これが実話に基づくというのだから…
真実にこそ滑稽があり、そこにはどんな創作も及ばないという究極か!
ということで…次回は7月18日(水)第111回 横浜 柳家小満んの会
演目は「花棒」「お初徳兵衛」「お化け長屋」の三席です。夏です!

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2012年5月21日 (月)

今日の金環日食は

朝から空はすっかり雲に覆われて…
夜のうちにか…明け方か?雨も降ったみたいで
しかし後から振り返って思うことなのだが、
7時頃から8時すぎまでのあの暗さは、
雲のせいではなく、日食によるものだったのだ。
二時間ほどたって、同じ曇り空には変わらないのだけど
しかし空はずっと明るく、その様子で日食を実感。
完全なリングはテレビの中継で鑑賞した。

これも今回の金環日食が終わって気付いたことで
小ゑん師匠がいつもいっている…皆既日食は
金環日食や部分日食とは比べ物にならないほどすごい!
という話、本当にそうだった。見た感じは、金の輪ができる
金環日食はたいへんに美しく、もちろん感動的な体験である。
しかし現象としては、太陽の前を月が通り過ぎたに過ぎない。
皆既日食は太陽と月と地球の奇跡的な位置関係により
太陽と月がぴったり一致するという…なるほど!…といって、
実体験として理解したわけではないのだけれど、
今回の金環日食を経て、はじめて少しだけわかったことだ。

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2012年5月20日 (日)

マリア・ジョアン・ピレシュ 1

ピレシュがアンドレ・プレヴィン指揮ロイヤルフィルと協演した
ショパンのピアノ協奏曲第2番、そして後半は24の前奏曲。
協奏曲が1992年6月、前奏曲集は1992年9月の収録。
ショパンのピアノ協奏曲は、普段あまり聞かないのだが、
この演奏は素晴らしい。たまに魅力を再発見してしまう。
24の前奏曲はあえて激しい起伏を表現しているようで
動と静、強弱…、感情を露わに剥き出しにしたかと思うと
次の静寂では…気持ちを抑え…二面性を鮮やかに際立たせる。
思う以上に骨太な響きを基本として、ショパンの音楽における
力強さを見事に引き出している。アルゲリッチまででないにしても
一種の荒々しさみたいなものが、音楽にエネルギーを生み出し、
この躍動する力はさすがにピレシュであると夢中にさせるものがある。

DG 437 817-2

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2012年5月19日 (土)

横浜の風景から 247

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相鉄いずみ野線のゆめが丘…そして地下鉄の下飯田から
しばらく田舎道を歩いて、泉区和泉町の鍋屋橋まで来た。
北の方角で和泉川の上流を見ている。

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同じく鍋屋橋にて、和泉川の下流方向だが、
このすぐ先で境川と和泉川は合流し、その先は境川となる。

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泉区和泉町の密蔵院弁財天。
きれいな湧き水の神秘的な場所で…昔の人々は
この場所を選んで、弁財天をお祀りしたのだろう。

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しばらく歩き、戸塚区俣野町に入ったが、
交差点に三基の庚申塔が祀られていた。
左の庚申塔は「安永五丙申 十一月吉日」とあり、
1776年の造立である。かなり風化が進んでいる。注意!
中央は新しい庚申塔で「昭和四十三年戊申十月吉日」。
右の庚申塔は「弘化三丙午 十一月吉日」とあり、
1846年の造立である。江戸後期の庚申塔だ。

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さらに少し歩くと…再び庚申塔が二基。
左の新しい庚申塔は、元禄九年のものを作り直したようだ。

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戸塚区俣野町にある相州春日神社。
こんな立派な神社があることは知らなかった。
奈良と同じく鹿がいて、鹿煎餅も売っていた。

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戸塚区俣野町の俣野神社。
春日神社からすぐの場所であるが、
こちらは地域の神社である。

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森に囲まれて、ひっそりとした俣野神社。

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俣野橋で境川を越えると藤沢市である。
境川の上流で北西方向を見ている。
戸塚区俣野町から藤沢市西俣野へ…
藤沢市亀井野の六会の周辺を歩き、湘南台へ。

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藤沢街道の亀井野交差点を曲がり
湘南台1丁目の「西輝家」でラーメン。
スタンダードにしょうゆを選んでみたが、
こちらのお店もクリーミーな味わいで
私的には好みのスープである。
麺と焼豚もおいしかった。

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横浜の風景から 246

20120519a

相鉄いずみ野線のゆめが丘駅。
過去にも同じような写真でお馴染みの風景だが、
あまりに空がきれいだったのと…まわりの草木も
すっかり夏らしい景色になっているので、
季節の変化が伝わるといいのだが。

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ゆめが丘の駅からすぐのところにある左馬神社。
こちらも夏らしい印象で…緑がなんと美しい。

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最初は七サバ参りでここを訪れたのだが、
その後も何度も来ていて、ゆめが丘に来ては立ち寄る。

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左馬神社の社殿の横で境内の奥の方にある庚申塔だが、
「寛延二己巳天 十月吉祥日」とあり、1749年の造立である。
そして横の小さな石塔だが、何の塔なのかは不明だけど
「明和二酉年 十一月吉日」とあり、1765年で干支は「乙酉」。
右側にある「堅牢地神塔」には「万延元年庚申 四月吉日」とあり、
こちらは1860年の造立で…ちなみにこの1860年という年は
3月18日以降は「万延」と年号が改められ、
それ以前は安政七年…四月なので「万延」なのである。

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フィッシャー・ディースカウ死去

ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウが亡くなった。
昨日(5月18日)のこと。86歳だそうである。
DGの記事を読むと87歳の誕生日まで10日だったとある。
十数年前だったか?歌手から引退すると発表があったとき
ひとつの時代の終わりだなと衝撃を受けたものだが、
その後も指揮者として活動して、また朗読で声を聞くこともできたし、
教育者としても教えを受けた歌手は数えきれないのである。
フィッシャー・ディースカウの歌唱はたくさんの若い歌手たちに
受け継がれているが、お亡くなりになったことは悲しいことである。
歌曲の世界で有名だが、オペラでもベームのモーツァルトや
ワーグナー、ヴェルディまでも様々な録音に参加している。
でもやはりなんといってもドイツ・リートであろう。
エッシェンバッハとのシューマン、バレンボイムとのウォルフ、
そしてやはりジェラルド・ムーアとのシューベルトの歌曲である。
あらゆる歌曲作品を歌い尽くすという…誰も真似のできない…
あまりにも偉大な業績を音楽界に残したわけだが、
これからも永遠に忘れることのできないまさに名歌手であった。

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2012年5月18日 (金)

ヴァレリー・アファナシエフ 2

1992年のアファナシエフでシューベルトのピアノ・ソナタD.894「幻想」。
1992年10月22-24日にラ・ショー・ド・フォンのムジカ・テアトルで収録。
まずは遅いテンポであり、アファナシエフ独特の粘りの強い表現。
このゆったりのテンポ設定というのは、リヒテルの例もあるけれど
しかしリヒテルは後半の楽章に進むにつれ、軽やかに加速していくが、
ここでのアファナシエフは、とにかく最初から最後まで遅いのである。
そして低音部や伴奏の音形に深い意味を追及して、音楽が重い。
この辺に関しては、このままの表現で…もっと弱音が音楽を支配して、
ひたすら繊細な表情で聞かせたらどうなるのだろう…なんて
つい考えてしまうけれど、やはりアファナシエフは恐るべき天才である。
音楽の停滞感はさらに増し、自然な流れというものを拒否しているのだ。
そこから生み出される芸術的創造性というのはあまりに大きいのである。

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2012年5月17日 (木)

イーヴォ・ポゴレリチ 3

今日は1982年の若き日のイーヴォ・ポゴレリチで
ラヴェルの夜のガスパールとプロコフィエフのソナタ第6番
1982年10月15-17日にミュンヘン音楽大学で収録。
久しぶりにこのCDを出してみた。音楽の構造をクリアに
ところどころで音符の中に存在する要素を解体・分析するような
ポゴレリチ独特の才能が見事に発揮されているが、
その後のポゴレリチ、そして現在のポゴレリチに比べれば…
極めて普通な仕上がり、自然体で楽しめるのであって、
まあやはり個性的ではあるが、たいへん好ましい演奏である。
そしていま聞いて、何よりも感じられることが、
ポゴレリチの音色の美しさであり、繊細な表現における
表情付けの巧さは圧倒的である。この辺がまさに天才で
奇抜な発想だけではない…完成された解釈に裏付けられている。

DG POCG-1230

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