2015年8月 4日 (火)

カラヤンの1960年代 13

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルによる
オネゲルの交響曲第2番と第3番「典礼風」
そしてストラヴィンスキーの弦楽のための協奏曲
交響曲第2番とストラヴィンスキーの協奏曲は、
1969年8月の夏のサンモリッツにおける録音。
交響曲第3番は、1969年9月にベルリンで収録。
これらの演奏は、以前からダウンロードした音源で、
お気に入りで聞いていたのだが、あまりに素晴らしいので
改めてCDを手に入れた。この時期のカラヤンは充実の極み、
恐るべき集中力と緊張感で圧倒的な説得力による演奏である。
オネゲルの交響曲は素晴らしいな…って思いつつ、他では、
デュトワとヤンソンスぐらいでしか聞いたことがないので、
詳しくはないけれど、カラヤンの音はやはり重厚な気もするが、
それ以上にこの力強さに感動して、色彩も輝きも最高だ!
でも考えてみるとこの交響曲「典礼風」が1946年の作品であり、
第二次世界大戦への鎮魂の想いが込められているのだろうけど、
録音されたのが1969年だから、いま以上に新しい作品という
そうした意識が演奏者にも聞き手にも当時はあったのであろう。
それにカラヤンが取り組んだというところに特別なものを感じる。

DG 447 435-2

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2009年9月27日 (日)

カラヤンの1960年代 12

カラヤン指揮ベルリンフィルによる1960年代の録音で
シベリウスの交響曲第6番と第7番そして交響詩「タピオラ」。
交響曲 第6番(1967年4月18日)
交響曲 第7番(1967年9月20,21日)
交響詩「タピオラ」(1964年10月30日)
シベリウスの交響曲は素晴らしい!大好きだ。
まずは交響曲第6番だが、田園的な光に満ちた作品。
極めて繊細な音色が追求されていて、カラヤンのこだわりである。
美しい仕上がりにうっとりと聞き進んでいくが、
終楽章も後半に行くと一気に盛り上がって、
ここもちょっと北欧的なイメージからは外れるが、
カラヤン独特のシンフォニックな展開は聞きもの。
第7番もいかにも徹底したコントロールが強烈な個性であり、
これは重厚な交響詩の世界な気もするけれど、やはり名演!
カラヤンだと壮大に鳴り響くので…その辺が違う気もするけれど
雄大な広がりを思わせるフィナーレは感動的だ。
「タピオラ」も最高!まさに物語的な起伏に富んで驚異の集中力。

DG 457 748-2

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月26日 (土)

カラヤンの1960年代 11

1960年代のカラヤンとベルリンフィルはDGに
シベリウスの第4番から第7番の4曲の交響曲を録音している。
現在では「トゥオネラの白鳥」と交響詩「タピオラ」を加えて、
2枚組CDとなっているが、今日と明日で聞きたいと思う。
交響曲 第4番(1965年2月26,27日、5月12日)
「トゥオネラの白鳥」(1965年9月18-21日)
交響曲 第5番(1965年2月22-24日)
まずは交響曲第4番だが、シベリウスの交響曲の中でも
難解というか…とにかく姿を捉えにくい作品だと思うのだけど、
それは最初の印象でこれが好きになったらたまらない。
実は私はこの第4番が圧倒的に好きである。
カラヤンの演奏は1976年の再録音(EMI)の方を先に聞いたのだが、
交響曲第4番はカラヤンに向くのか?非常に名演である。
とても北欧的とは思えない重厚な響きを追求して、
しかしその何かとてつもない深刻さや重圧感はすさまじく、
とにかく感動的なのである。カラヤンの厳しい姿勢が作品に合う。
1965年のこの演奏の方が、素直にエネルギーは発散傾向にあるような…
しかしベルリンフィルの緻密な演奏はさすがとしかいいようがなく、
この時点でカラヤンは作品もオーケストラも完璧に掌握できているのだと。
交響曲第5番は明るく牧歌的な作品でここでの演奏も楽しめる。
でもちょっとカラヤンは大袈裟な感じか?もう少し引き締まっている方が…
ベルリンフィルの輝きに満ちたサウンドはすごいのだけど!

DG 457 748-2

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2008年9月13日 (土)

カラヤンの1960年代 10

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」。
先日BShiで放送された1968年1,2月の映像である。
1962年10月のレコード録音は非常に感動的なのだが、
それから数年後に映像収録されたこちらの演奏はというと
やはり映像が中心なのか、音にあまり深みが感じられず、
ある意味、関心が映像に行けばますますそうなるのだけど
表面的に要所のみ決めているような
何となく残念な印象である。
かなり気合の入っている演奏なのになぜだろう…
カラヤンにとってもここでは何といっても映像がすべてであり、
集中力は充実していても音に対する思い入れはあまり感じられない。
録音状態に関してはかなり良好で満足の仕上がりだが、
音楽的な意味での音に関しては、制作者の配慮が足りないような。
それか基本的に私と好みが合わないということだろう。

DVD017

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2008年9月11日 (木)

カラヤンの1960年代 9

カラヤン指揮ベルリンフィルによるシューベルトの交響曲。
交響曲第8番「未完成」(1964年10月27日)
交響曲第9番「グレイト」(1968年9月24,26,30日)
カラヤンは1978年に交響曲全集を完成させているが、
こちらは1960年代の録音であり、
この時期に取り上げたシューベルトの交響曲は
これですべてであろうと思われる。
カラヤンの「未完成」は非常に素晴らしい。
引き締まった響きが格調高く、緊張感ある音楽が美しい。
「グレイト」では、カラヤン・スタイルの流麗な表現が
しだいに姿を現しはじめているが、
まだたっぷりと重厚な音色を聞かせて
その点では少し中途半端に終わっている印象もあるか。
シューベルト独特の旋律を感情込めて歌うわけでもないし、
勢いがあって、駆け足で通り過ぎていくようなところは、
今日の感覚からするとちょっと粗雑で乱暴な気もする。
カラヤンはあまりシューベルトには思い入れないのか?
なんて思ってしまうのだが、活気あふれる発散傾向のシューベルト。
「グレイト」は演奏によっては、とにかく長大になることもあるのだが、
カラヤンは凡庸な仕上がりにならないよう(繰り返しは省略)
ひたすらコンパクトにまとめ上げているので
これも一つの方向性であり、結論は示されているとは思う。
でもベルリンフィルの音色はすごく魅力的でやっぱりいいかも。

DG WEB SHOP CDR497

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2008年7月 7日 (月)

カラヤンの1960年代 8

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
1961年から1962年にかけて録音された
ベートーヴェンの交響曲全集。
一日こもって仕事していたので、
全9曲の交響曲を一気に聞いてしまった。
たまにやるのである。交響曲全集を一日で聞くという。
普通の人には飽きないの?とかいわれそうだが、
ベートーヴェンは大好きなので、元気の源である。
暑苦しい印象もあるけれど、夏こそベートーヴェン!
という考えもある。力が湧いてくるのだ。
もちろん爽やかに北欧の音楽というのも最高。

1960年代のカラヤンは、まだそんなに
カラヤン・スタイルを強く押してくるようなことはなくて、
ここでも明るく、暖かみのある音色でいきいきと躍動し、
ゆったりと大きく鳴り響くところ、朗らかに穏やかに
非常に健康的で澄み切った青空のような演奏だ。
第7、第9は特に名演だと思う。
気合いの入った第9の高揚感は最高の感動。
第7も素晴らしく、でも現在の感覚からすると
スケルツォの楽章をゆったり聞かせるところ、
これはハイドンでもモーツァルトでもカラヤンは共通だが、
それに比べて、終楽章の一気に加速する緊張感、
あまり自然な流れではないように感じられるのだけど、
この辺どうだろうか?こういうところが古い気がして。
でもその終楽章の盛り上がりはすごい。
第5も同様で終楽章は圧倒的である。
あとカラヤンの「田園」も独特の仕上がりは有名だが、
スピード感に関しては、クライバーの演奏が話題になるけれど、
その20年も昔に颯爽と駆け抜ける快適な演奏を成し遂げていたわけで、
当時としてはカラヤンという人は、やはり特別な存在であったと思う。

DG 463 088-2

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2008年6月18日 (水)

カラヤンの1960年代 7

カラヤン指揮ベルリンフィルによる1960年代の演奏から
バルトークの管弦楽のための協奏曲(1965.9.20, 11.9)
ラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲(1964.3.10,11)
そして同じくラヴェルでボレロ(1966.3.14,17,19)
まずバルトークの管弦楽のための協奏曲について
1980年代に入ってからのライブ盤を持っているのだが、
正規録音では1974年のEMI盤を聞いたことがなく、
レコードとしては、この演奏がはじめてとなった。
カラヤンはバルトークの作品をそれほどいろいろには
取り上げていなかったと思うのだが、
1969年の弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽は
私の最高のお気に入りとなっているし、
この1965年の管弦楽のための協奏曲も極めつけの名演である。
カラヤンとベルリンフィルの圧倒的充実を誇っていた1970年代で
1974年の演奏もぜひとも聞いてみたく、いずれ必ず!
そして今回一番面白かったのが「ダフニスとクロエ」第2組曲だ。
カラヤンの音作りが思った以上にきつく、押しが強くて、
この強烈な印象は、ラヴェルの音楽では異色である。
繊細な響きと微妙なニュアンスでは、1985年盤の方が上質。
しかしその存在感でいったら、カラヤンの強い主張に満たされて、
華麗な音響が洪水のようにあふれだし、
同時に鋭く、鮮やかに、明瞭な様式感。
カラヤン・スタイルの完成度では、1960年代の演奏は、
独特の魅力で迫ってくる。このカッコよさには興奮である。

DG WEB SHOP CDR459

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2008年6月17日 (火)

カラヤンの1960年代 6

カラヤン指揮ベルリンフィルによる1960年代の演奏から
ドビュッシーの牧神の午後への前奏曲(1964.3.11)
同じくドビュッシーによる交響詩「海」(1964.3.9,10)
ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」(1963.10.17,19, 1964.2.10)
DG WEB SHOPよりダウンロードして、私なりの選曲にしたのだが、
(こういう組み合わせって、ブーレーズ的である)
この「春の祭典」だけど、トラック設定が細かく分かれており、
DG WEB SHOPでは、通常のオーディオで楽しむには、
iTunesでCD-Rに焼くことを勧めているのだけど、
これがうまくいかない。トラックの変わり目でノイズが入る。
ノイズの原因は、微妙に空白部分が挿入されてしまうのである。
それで仕方なく、今回もmp3ファイルをwav形式に変換して、
一度すべてのトラックを結合し、つなぎ目をきれいに処理しなおして、
それで第1部と第2部に分割して、やっとうまく行った。

ここで圧倒的に素晴らしいのが「海」である。
この演奏は1964年録音の「展覧会の絵」のCDにも収録されているので
その際にも絶賛したと思うのだが、何度聞いても最高である。
牧神の午後への前奏曲と「春の祭典」も同じく名演だ。
カラヤンは「春の祭典」を1975年から1977年にも再録音しており、
精緻な響きに関してはそちらの方がこだわりのような気もするのだけど、
ちょっと改めて聞きなおしてみないとその感想も自信がなく…、
しかしこの1963年の演奏は勢いがあり、迫力の音響がよく鳴りきって、
こちらも私としては、優劣のつけがたいとにかく名演だ。
ここでの録音は1960年代前半のステレオ初期の記録なのだけど、
音がよくって、古さを感じさせない。その点でも驚異の完成度である。

DG WEB SHOP CDR458

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2008年2月 8日 (金)

カラヤンの1960年代 5

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
R.コルサコフの「シェエラザード」(1967年1月26-31日)
チャイコフスキーのイタリア奇想曲(1966年10月13日)
同じく序曲「1812年」(1966年10月13日、12月29日)
「シェエラザード」は意外にもカラヤンの唯一の録音である。
最初聞くととにかく豪快で少々くどい印象も…
しかし物語の部分に入ると一気に引き込まれる。
さすがにカラヤンはムード作りや情景描写に長けている。
とはいえベルリンフィルの極めてシンフォニックな響きであり、
劇音楽のような絵画的な展開ではなく、
繊細な表現から壮大な盛り上がりにまで
目の前に広がる音楽の大きさ、その世界に心打たれるのである。
チャイコフスキーでも思い切った荒々しさが独特の迫力を生み、
同時に流れるような華麗な音楽に感動する。
1960年代のカラヤンであり、若々しくエネルギーがみなぎって、
向かうところ敵なしという、どこまでも突き進む演奏。
「1812年」は合唱入りで、よりいっそうロシア情緒に包まれ、
壮絶な緊張感と相まって、圧倒された。これは名演だと思う。

DG 463 614-2

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2008年1月13日 (日)

カラヤンの1960年代 4

昨日聞いた1969年8月サンモリッツにおける録音に続いて、
今日は1969年9月ベルリンに戻ってのカラヤン。
ベートーヴェンの三重協奏曲(9月15-17日)
オネゲルの交響曲第3番「典礼風」(9月23日)
三重協奏曲は昔から有名な演奏で、
ダヴィド・オイストラフ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、
そしてスヴャトスラフ・リヒテルという旧ソ連が誇る巨人たちが登場。
カラヤン指揮ベルリンフィルと共演というのだから、すごい企画だ。
今回改めてきちんと聞いてみると、リヒテルが
オイストラフとロストロポーヴィチを引き立て、
まさにピアノ・トリオの室内楽的な穏やかさ、親密さが漂って、
巨匠がぶつかりあっている空気など微塵も感じられず、
何とも安らぎの演奏である。その雄大さは格別だが。
この辺を聞いているとやはりリヒテルは室内楽の名人である。
そんなこともあって、カラヤンもまた驚くほどソリストを盛り立て、
カラヤン的世界が控えられているのも極めて珍しいのかも。
個性の衝突がなく、こんなにも柔和な意思統一がなされているのも
本当に意外であり、ある意味奇跡なのではないだろうか。
続くオネゲルの「典礼風」がまた驚異の名演だと思う。
昨日の交響曲第2番といい、カラヤンのオネゲルが
こんなに素晴らしいなんて!知らなかった。
その鮮やかさ、切れ味の鋭さ、クリアな音色、
そしてカラヤンの自信に満ちた説得力あふれる音楽。
感動である。カラヤンの全録音の中でも
このオネゲルは頂点にも選びたい一枚だ。
その後のカラヤンはオネゲルを一切録音していない。
でも一方でここでの演奏は究極の存在でもあると思う。

iTunes CDR363

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