2022年11月13日 (日)

カラヤンの1980年代 59

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルで
ニュー・イヤー・コンサート1987を聞いている。
ヨハン・シュトラウスII世の喜歌劇「こうもり」序曲、
ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ「天体の音楽」
ヨハン・シュトラウスII世のアンネン・ポルカ
ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ「うわごと」
ヨハン・シュトラウスII世のポルカ「観光列車」
ヨハンII世、ヨーゼフ共作のピツィカート・ポルカ
ヨハン・シュトラウスI世のアンネン・ポルカ
ヨハン・シュトラウスII世のポルカ「雷鳴と電光」
キャスリーン・バトルの独唱でワルツ「春の声」
ヨーゼフ・シュトラウスのポルカ「憂いもなく」
ヨハン・シュトラウスII世の「美しく青きドナウ」
ヨハン・シュトラウスI世のラデツキー行進曲
1987年1月1日にウィーン楽友協会大ホール。
久しぶりに聞いてみているが、音が鳴り出した瞬間、
1987年元日のこたつに入ってテレビで見た風景や
春になって、CDが発売されて、買ってきたことや
様々なことが浮かび上がってきて、音楽は記憶に
直結して、当時のあらゆることを鮮明に蘇らせて、
実に不思議なことである。当時の元日の中継は、
第1部の放送はなく、第2部からであったので、
カラヤンが姿を現し、最初に鳴り出した音楽も
まさにこの喜歌劇「こうもり」序曲であったのだ。
晩年のカラヤンであり、穏やかな音色になって、
ゆったりとした流れで、豊かな描き込みであり、
多少、重くなりがちなところをウィーン・フィルが、
細やかに美しい輝きで表現するのは絶妙だ。
このCDは、曲順を入れ替えて、編集されて、
当時はこうした形に一枚にまとめられるのが、
通例であったのだが、完全盤を出してほしい。
第1部の冒頭の喜歌劇「ジプシー男爵」序曲、
第2部も皇帝円舞曲や常動曲がカットされて、
常動曲の終わりにカラヤンの声も入っていたが、
それは聞きたいではないか。カラヤンの全集に
収録されていたようなのだけど、編集し直して、
ニュー・イヤー 1987の完全復活を切望する。
とにかく素晴らしい録音である。聞き直して、
それを確認したし、いつまでも守っていきたい。

DG F30G29006

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2022年9月 4日 (日)

カラヤンの1980年代 58

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルで
ドヴォルザークの交響曲 第9番 ホ短調 作品95
1985年2月6-9日にウィーン楽友協会大ホール、
スメタナの交響詩「モルダウ」
1985年5月25日にウィーン楽友協会大ホール。
カラヤンのドヴォルザークもすごく久しぶりである。
ごく最初の頃に買ったもので、1980年代のCDで
いまとなっては、音質はよくないのではないかと
35年が経過するが、無事に再生はできている。
ウィーン・フィルの明るく輝きの音色は艶やかで、
まずはその魅力が存分に引き出されているが、
改めてやはり、カラヤンはゆったりとした音楽で
広がりや深みのある表現は晩年のスタイルである。
1970年代の力強く、引き締まった演奏と比べると
こちらはどうしても緩く、穏やかだが、それゆえに
生まれるものもあり、カラヤンの魔法に酔いしれる。

DG F35G20041

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2022年8月10日 (水)

カラヤンの1980年代 57

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルで
ドヴォルザークの交響曲 第8番 ト長調 作品88
1985年1月9-11日にウィーン楽友協会大ホール。
このCDも最初の頃に買ったもので、古いのだが、
カラヤンのドヴォルザークを久しぶりに聞きたい。
明るい音色で艶やかな仕上がりは独特なのだが、
ウィーン・フィルの魅力が最大に引き出されている。
晩年のカラヤンの演奏ではあるが、重さはなくて、
むしろ表現は引き締まり、流麗な表情が特長で
若々しい印象すらある。第3楽章はカラヤン流で
流れるような歌わせ方はかなりユニークである。
カラヤンの美学や音楽表現のすべてが集約され、
この輝きは最高だ。1980年代の代表的な名盤。

DG F35G20114

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2022年3月22日 (火)

カラヤンの1980年代 56

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ハイドンの交響曲 第98番 変ロ長調
交響曲 第99番 変ホ長調
交響曲 第104番 ニ長調「ロンドン」
1982年1月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
カラヤンによるロンドン交響曲を収録順に聞いてきた。
重厚で荘厳な響きの序奏にはじまり、動きを見せても
ゆったりとした音色は独特の研き抜かれた印象で、
そこはいかにもカラヤンの1980年代の空気である。
カラヤン、ベーム、ヨッフムなど、この時代に共通の
方向性というものがあった。それにファンは安心して、
40年が経過した現在、懐かしい感覚になるのである。
その後の時代というのは、ハイドンはハイドンらしく、
モーツァルトはモーツァルトらしく、というのが明確で
この頃は、ハイドンもベートーヴェン的に聞こえて、
古典派というのでひと括りにされているのであって、
さらにいえば、カラヤンはいつもカラヤンであった。
12曲のロンドン交響曲が完結する第104番だが、
最高傑作だとも思っているけれど、実に勢いがあり、
カラヤンの気力も充実して、隙のない名演である。
1980年代に入って、巨匠の時代の最後の輝きだ。

DG 477 8005

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2022年3月14日 (月)

カラヤンの1980年代 55

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ハイドンの交響曲 第95番 ハ短調
交響曲 第96番 ニ長調「奇蹟」
交響曲 第97番 ハ長調
1982年1月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
カラヤンによるロンドン交響曲を収録順に聞いている。
第95番 ハ短調は12曲あるロンドン・セットの中でも
唯一の短調で書かれた交響曲だが、こういう作品では
カラヤンは重みあるテンポでひたすら荘厳に聞かせる。
巨匠的な雄大な世界で、晩年の指揮姿が目に浮かぶ。
1990年以降のカラヤンが亡くなった後の音楽界では、
ピリオド楽器の台頭で奏法も変わり、速度感覚もまた
すっかり変わってしまって、音作りも鋭角になるのだが、
カラヤンの時代には、何とも穏やかで、優雅であった。
そうした中でファンにとっては、カラヤンの独特である、
研き抜かれた美しさというものに感動するのであり、
この晩年のハイドンは、特に傑出しているのである。

DG 477 8005

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2022年3月 7日 (月)

カラヤンの1980年代 54

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ハイドンの交響曲 第94番 ト長調「驚愕」
交響曲 第100番 ト長調「軍隊」
1982年1月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
カラヤンによるロンドン交響曲を収録順に聞いている。
12曲あるロンドン・セットから残りの8曲の交響曲を
カラヤンはこの1982年1月にまとめて録音している。
荘厳な響きから何とも柔らかく軽やかな音色まで、
カラヤンは持っているあらゆる響きを引き出して、
ハイドンの交響曲に盛り込み、これは感動的だ。
晩年のこのロンドン・セットは評価が高いのだが、
表情付けは自在に豊かな色合いでありながら、
音楽はしっかりと引き締まっており、名匠の技で、
まさにカラヤンの逸品である。ハイドンの楽しさと
カラヤンの崇高な芸術が一体となった傑作である。

DG 477 8005

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2022年1月31日 (月)

カラヤンの1980年代 53

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ハイドンの交響曲 第101番 ニ長調「時計」
交響曲 第102番 変ロ長調
1981年9月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
カラヤンによるロンドン交響曲を収録順に聞いている。
隅々にまで、カラヤンの精妙な音作りが行き届いて、
とにかく感動的であり、これは引き込まれてしまう。
雄大な表現では、穏やかながら厳粛に引き締まって、
それが明るく転じると実にいきいきと陽気に語りだし、
カラヤンは自身の美学を貫きながらも想像力豊かに
音楽は強い輝きをもって、艶やかに奏でられている。
晩年のカラヤンによるハイドンのこれらの交響曲は、
昔から高い評価を得てきたが、この充実というのは
カラヤンのあらゆる交響曲でも最高傑作ともいえて、
隙が見当たらないのである。楽しくて仕方がない。

DG 477 8005

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2022年1月12日 (水)

カラヤンの1980年代 52

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ハイドンの交響曲 第93番 ニ長調
交響曲 第103番 変ホ長調「太鼓連打」
1981年9月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
カラヤンによるロンドン交響曲を収録順に聞きたい。
1980年代に入り、カラヤンのそのときの体調もあるのか、
壮大に響かせる傾向が出ている。穏やかにゆったりと
前年のパリ交響曲とは、少し仕上がりも違う気がする。
一方で自分のスタイルに過剰にこだわることはなくなり、
より自然な流れと豊かに鳴り響く音楽を実現している。
明らかにカラヤンの求心力は落ちているのであろうが、
音楽が語りだす晩年のスタイルはこの辺りにはじまる。
作品の充実もあるのかもしれないが、第103番の方が
微妙な表情の変化や色合いが感じられて、さらに深い。

DG 477 8005

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2022年1月 5日 (水)

カラヤンの1980年代 51

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ハイドンの交響曲 第84番 変ホ長調
交響曲 第85番 変ロ長調
交響曲 第86番 ニ長調
1980年6,7月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
カラヤンによるハイドンの「パリ交響曲」を聞いている。
6曲の交響曲を順番に聞いていると印象も変わってきて、
カラヤンの音色もしなやかになって、滑らかに聞こえて、
作品の方向性にもよると思うのだが、ますます感動的。
独特の流麗な音作りは特長だが、この1980年代には、
カラヤンの音楽には余裕も生まれて、その揺らぎや
奥行きが響きに深まりを与えている。晩年の演奏での
香り立つ芳醇な音色は、この時期に熟成をはじめるか。
やはりカラヤンという人は、その存在も音楽においても
不思議なぐらいに大きく、時代を越えて偉大なのである。

DG 477 8005

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2022年1月 4日 (火)

カラヤンの1980年代 50

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ハイドンの交響曲 第82番 ハ長調
交響曲 第83番 ト短調
交響曲 第87番 イ長調
1980年6,7月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
カラヤンによるハイドンの「パリ交響曲」を聞きたい。
1980年の夏に6曲の交響曲がまとめて録音されている。
その後、1981年から1982年の「ロンドン交響曲」に続く。
思った以上にカラヤンの気迫は十分で、気合いが入り、
勢いのある響きに惹きつけられる。力強い音楽である。
晩年のカラヤンだと、滑らかな音色を想像していたが、
この1980年という年は、まだまだカラヤンは豪快さと
雄大な中にも押しの強い圧倒的集中力を備えていた。
ハイドンの交響曲は何とも楽しい。気持ちが晴れ渡る。

DG 477 8005

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