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2005年7月29日 (金)

ザルツブルク音楽祭2003

セミヨン・ビシュコフがウィーンフィルを指揮した演奏会。
この両者の組み合わせはちょっと珍しく、
夏のザルツブルクならではといった興味深いコンサート。
前半にはエフゲーニ・キーシンが、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を弾いて、
本当に素晴らしくて、こんなにも美しく、そして力強く、
そうは聞けない超名演である!
技術面でも、表現の点からも
これほどにバランスのとれた演奏はさすがにキーシンであり、
そして人の心をつかむ力は、圧倒的である。
バックのウィーンフィルも恐ろしく表情豊かであり、
とにかくこんなに感動的な演奏は、貴重な存在。
しかし今日は、キーシンについてではなく、
一方のビシュコフについて話題にしたいのである。

ドイツの放送オーケストラ大好きの私にとっては、
そう、ケルン放送交響楽団の主席指揮者がビシュコフであり、
たいへん注目している存在なのだ

ケルン放送交響楽団とのライブ録音で発売された、
R.シュトラウスの英雄の生涯、メタモルフォーゼン、
マーラーの交響曲第3番、ショスタコーヴィチの第8番
などは、とにかく素晴らしかった。
1980年代半ばか?ビシュコフが西側で活躍するようになって、
聞くようになってから、もうずいぶん長いのだが、
しかし最近の充実ぶりは、ちょっと比べ物にならないほどである。

そのビシュコフがウィーンフィルのコンサートに出演した。
後半はチャイコフスキーの交響曲第5番である。
これがまたすごい名演だ。
正直ここまですごいとは思わなかった!
ウィーンフィルがこんな音を出せるなんて!
というより、ウィーンフィルからこの音を引き出した
ビシュコフがすごい。
現在は、聞いているこちらも、
ゲルギエフの指揮するウィーンフィルのチャイコフスキーに
慣れてしまっているので、その強烈さは他に例がないわけではない。
しかしビシュコフのチャイコフスキーも圧倒的である。
ロシア出身のビシュコフにとっては当たり前なのだろうが、
強烈なロシア節がいきいきと濃厚に歌われ、
不思議なほどによく鳴り、豪快で力強いチャイコフスキー。
しかしウィーンフィルの本来の持ち味、
繊細さや透明感、きめ細かな表情づくりも失われず、
それらが見事にバランスを保ち、
音楽の中にブレンドされている。
そうした点でのオーケストラをコントロールする技、
勢いに乗るばかりでなく、
どこかで知的に制御する部分も兼ね備えられている、
そしてそれらが音楽の巨大な骨格にしっかり結びついている、
それらの点では、このチャイコフスキーは、ゲルギエフ以上かもしれない。
本当に感動的な演奏だ。
やはり夏のザルツブルクはいい。

CDR151/152

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