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2005年7月19日 (火)

バイロイト音楽祭2004

2004年のニーベルングの指環。
ラインの黄金から順番に聞いていきたい。

2000年にはじまったユルゲン・フリム演出のリングも
これでついに完結である。
最後の年は、批評でもいわれているとおり、
「アダム・フィッシャーの指揮が見違えるように素晴らしい!」と
迫ってくる音楽の力強さに圧倒され、
そしてある意味、気持ちのよいこの豪快さに、
ひとつの頂点がなされたという達成感があった。
2001年、ジュゼッペ・シノーポリの急死により、
急遽登場させられたアダム・フィッシャーであったが、
最初の年は、ワーグナーに対して、
長大な音楽、膨大な内容をもつリングという作品に対して、
そして混乱に陥った舞台に対して、とにかく誠実に向き合い、
そこから生み出される音楽もまた極めて律儀なもの、
職人に徹するという指揮者の姿に、
私などはたいへん好感をもったのだが、
その後のフィッシャーは、より個性を発揮しはじめ、
舞台全体を掌握し、自らの世界を創造していく
その急展開の変貌ぶりには正直驚かされたし、
高まる充実度に感動したのだ。
2001年の危機からわずか4年でここまでくるのって、
さすがはバイロイト音楽祭であり、
そこにいたアダム・フィッシャーの存在を忘れたくない。
この素晴らしいリングを聞いて、
もはやシノーポリとの比較など意味はなく、
アダム・フィッシャーの絶大なる存在感である。

今年2005年は、リングを終えたアダム・フィッシャーは、
残念ながらバイロイトから姿を消したが、
なんとザルツブルクで「コシ・ファン・トゥッテ」を指揮するという。
当初はフィリップ・ジョルダン(?)が予定されていた気がするが、
アダム・フィッシャーのための舞台はすでに用意されていた。
いつの日か、再びバイロイトに帰ってきてほしいと
そう願っている人は私だけではないであろう。

CDR139/140

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コメント

アダム・フィッシャーに関する批評、ありがとうございます。最近日本でも好意的な意見が増えて、古くからのファンとしてはとてもうれしいです。フィッシャーさんから直接聞いた話では、まだ正式契約は完了していませんが、来年再びバイロイトに復帰する予定とのことです。演目は「パルジファル」が濃厚と聞いています。

投稿: さゆり | 2005年8月 2日 (火) 20:59

コメントありがとうございます。
アダム・フィッシャーさんのバイロイトへの再登場は、私はすごくうれしいです。
作品が「パルジファル」だと聞き、ますます興奮しました。
しかし、ということは、ブーレーズのバイロイトは、今年が最後ということになるわけですね。
それは寂しいかな。残念です。
シノーポリの死はショックでしたが、2001年以降、アダム・フィッシャー指揮の指環は、毎年我々を興奮させてくれました。
素晴らしい作品でアダム・フィッシャーという指揮者をより深く知ることができたことに感謝しています。
そしてさらにこれからも、様々な大舞台での活躍を通して、もっと知りたいと思いました。

投稿: たけお | 2005年8月 2日 (火) 22:30

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