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2005年8月24日 (水)

ザルツブルク音楽祭1987

6月14日に亡くなった
カルロ・マリア・ジュリーニの追悼盤である。
ジュリーニの死は、私にとってはたいへんに悲しいことで、
というのも、最初の頃から現在に至るまで、
ジュリーニはずっと聞き続けてきた大切な指揮者なのである。

1987年8月2日ザルツブルク祝祭大劇場
これは本当に懐かしい演奏である。
当時、中学生の私は、FM放送でこの録音を聞いて、
その感動は今も強く記憶に残っている。
こうしてCD化されるのは、ずっと待っていたことだが、
追悼盤となってしまったことを思うと複雑である。

モーツァルトの40番が前半に演奏されたが、
なんとも気品に満ちて、心に染み入る演奏だ。
その美しさにハッとさせられる。
それは今も昔も変わらない。
思い切り遅いテンポで音楽を格調高く構築していくが、
そこには優しさやモーツァルトへの深い想いが存在していて、
極めて自然な流れを創り出している。
巨匠の域に達したこの時期のジュリーニならではのモーツァルトだ。
実はジュリーニはこの後、ベルリンフィルとこの交響曲を録音していて、
当時私は喜んで買ったのだが、正直しっくり来なかった。
やはり今回久しぶりに聞いてみても、
このウィーンフィルとの演奏が格別に素晴らしく、
私にとっては、やはりこちらである。

そして後半が「大地の歌」。
ブリギット・ファスベンダーとフランシスコ・アライサという
ベルリンフィルとのCDと歌手の顔ぶれは一緒で、
こちらは逆にオーケストラがウィーンフィルになっているが、
この「大地の歌」も本当に素晴らしい。
改めて聞いてみて、本当に感動する。
この日のウィーンフィルは本当に美しい響きだ。
夏のザルツブルクであり、季節はちょうど今の時期に近いわけだが、
これから来る秋の訪れを少し感じとって、
その寂しさや孤独な大地の香りに心が透明になる。

ジュリーニのキャリアを見たら、
それは偉大な業績が数多く積み上げられていると思うが、
しかしその中でも、このライブは本当に見事なもので
特に重要な演奏会として、高く評価されるべきであると私は考える。
このディスクは音もたいへんに素晴らしく、
こうして今聞けることに感謝の気持ちでいっぱいになる。

ORFEO D'OR C 654 052 B

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