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2005年10月18日 (火)

ベルリンフィル2004/2005

アバド指揮ベルリンフィルによる新譜、
ライブ録音のマーラー交響曲第4番である。
ベルクの初期の7つの歌曲も収録されていて、
CDの順は逆だが、演奏会での曲順に従い、
ベルクの歌曲から聞き始めた。
このドライな感触は近年のアバド独特で、
独奏楽器中心の室内楽的な要素と
後期ロマン派的な大オーケストラによる退廃的な音色とが、
微妙なバランスを保って、絶妙に絡み合う効果は、
とにかく最高に素晴らしく、アバドである。

そしてマーラーの交響曲を聞く。これはいい!
不思議なぐらいに見通しのいい演奏だ。
こんなにクリアなのって、アバドらしい部分でもあるけれど、
とにかくベルリンフィルのスーパー・オーケストラにはノックアウト。
近年のアバドのますますのマーラー熱は高まっているが、
ここまで来ると究極的であり、自由自在に
やりたいように徹底的にコントロールして、
かつて聞いたことのないような平衡感覚を生み出してしまうという、
この凄さは、言葉ではいくら書き連ねても書きつくせない。
本当に圧倒されて、言葉を失う。
これからもずっとアバドには活躍を続けてほしいが、
ここにひとつの完成を見てしまったかのような、
マーラー演奏の完成形がここにあるし、
オーケストラ演奏の究極の姿とは、これをいうのだろう。
2004年6月の交響曲第6番も圧倒されたのだが、
室内楽的効果と響きの透明感、微細な色彩のコントロール、
そして最も大切な部分でもあるマーラーの歌謡性、
この第4番は、さらに上を行く完成度でもあり、
アバドのこれまでのマーラー演奏の中でも最高かもしれない。
私がこれまでに聞いてきたたくさんのマーラーの中でも、
最高かもしれない。そんな気がしてくる。
正直なところ、まさか4番の交響曲で、
最高の演奏に出会い、こういう結論に至るとは。
今の段階では、「感動」という言葉が出てこない。
それよりも圧倒されてしまって、
この驚きで途方にくれているような感じである。
ちょっと言葉が見つからずに、
とにかくそれぐらいに凄かったということを
ここにひたすら書き残しておこうと思う。

DG 00289 477 5574

先日ここで指摘した
ジュリーニ指揮バイエルン放送交響楽団
によるブラームスの交響曲第1番、
第1楽章の冒頭部分(2~3秒付近)での
右チャンネルの音落ちについて、
早速、横浜新星堂が返事の連絡をくれて、
やはり原因はマスターテープによるものだそうだ。
つまり今後も修正・編集を行っての
再発売はないということである。
当日のライブ音源を一切の編集を行わずに
という、制作者のこだわりが伝わってくるものの
その考え方は素晴らしいと思うのだが、
しかし音楽がはじまってすぐに起こる事故でもあって、
このドキッとする驚きはちょっと嫌な感じだし、
残念な結果である。仕方ない…。

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