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2005年10月 7日 (金)

レヴァイン&ミュンヘンフィル

昨日の続きでジェームズ・レヴァイン指揮ミュンヘンフィルの
演奏会ライブのシリーズからベートーヴェンの交響曲第7番。
これは最高に素晴らしい!
今まで聞いたベートーヴェンの第7の中でも
最高に感動した名演のひとつである。
レヴァイン独特の音楽を雄大に創りあげていく特長を出しながらも
速いところでは速く、リズムもいきいきと躍り、
響きをきめ細かくコントロールして、
いつも歌い、そして深い感情が込められている。
ベートーヴェンの音楽の理想的な姿をここに見た。
終楽章もテンポを一定に速く進め、
余計な盛り上げ効果など不要であり、
堂々とした中にも、古典的な様式における
格調の高い感動に満たされた。
一人でも多くの人に聞いてもらいたいと思う。

OEHMS OC 508

続いてのディスク。
冒頭はウェーバーの「オベロン」序曲。
これがまた素晴らしい!
じっくり聞かせるところと一気に加速するところで
そのコントラストは圧倒的に鮮やか!気に入った。
モーツァルトの交響曲第39番。
昔買ったウィーンフィルとのレヴァインの39番は、
今でもお気に入りのディスクだが、
それからずいぶん時間がたっているので、
当時の若かったレヴァインに比べて、
もしかしたら巨匠風なモーツァルトに変貌しているのかも?
などと気になっていたが、心配御無用!
現在も変わらず、この軽やかさ、優雅な流れ、いいではないか!
ウィーンフィルのモーツァルトは格別なものがあるので、
それに挑むのって、聞く方もある程度あきらめがあったりするのだが、
ミュンヘンフィルのモーツァルトも極上の美しい響きで、
レヴァインのモーツァルトは、ここでも本当にセンスがいい。
考えてみれば、ミュンヘンフィルはチェリビダッケに鍛えられてきたので、
指揮者の要求がありさえすれば、
その響きを徹底的に追求していくのには慣れているのだろう。
この流麗でしなやかなリズム感覚は、そうは出会えない代物である。

後半はコープランドのクラリネット協奏曲。
この作品ははじめて聞いたが、親しみやすい曲で楽しめた。
くつろげる響きと元気が出てくるリズム感が魅力。
レヴァインは、ミュンヘンフィルにおいて、
アメリカの作品を積極的に紹介したそうで、
この演奏もその中の大成功のひとつなのだろう。
そしてR.シュトラウスのティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら。
録音も素晴らしいし、劇的な描写も表情豊かで満足だ!
このディスクは、本当に魅力的な一枚である。

OEHMS OC 504

最後にバルトークのディスク。
歌劇「青ひげ公の城」、ピアノ協奏曲第3番、
そして「中国の不思議な役人」組曲という、
偶然にも先日のアダム・フィッシャーと全く同じ選曲で、
私としては、面白いことになっているが、魅力的な作品である。
「青ひげ公の城」では、レヴァインの本領発揮という感じで、
スケールが大きく、ゆったりとした足取りで、
雰囲気の演出が素晴らしい。絵画的だ。
前衛的でもないし、民族的でもないし、
美しい響きと色彩感、この演奏は魅力が多い。
私は好きである。すぐに気に入った!
昨日聞いた「ジークフリート」第3幕と比べて、
こちらは歌手とオーケストラのバランスもよく、
録音が素晴らしくて、これはいい!

後半はピアノ協奏曲第3番から。
ジョナサン・ビスというピアニストは知らないのだが、
これがまた最高だ!
さっきからすべて絶賛していて、
たまには欠点も見つけ出したいって思ってしまうけれど、
さすがに数ある中からの選りすぐりの名演集である。
ピアノ協奏曲だが、先日のラーンキの演奏が、
自然な呼吸で力が入っていないと書いたが、
こちらは逆で、実に表情豊かに、一音一音にいたるまで、
すべての響きに思いが込められているかのような演奏である。
これはこれでまた魅力的で、素晴らしい。

最後は「中国の不思議な役人」組曲。
これはミュンヘンフィルの技、恐ろしく巧い仕上がりに感激。
高度な技術は、ある意味迫力までも吸い上げてしまうような
端整で凝縮された響きに聞き入ってしまう。
オーケストラは大編成であり、音もデカイが、
この集中力とシャープさが徹底的に浸透して、
とにかく研ぎ澄まされた演奏である。
「中国の不思議な役人」だと、広く世の中では、
迫力自慢のような演奏も多いのだが、
この演奏は、純粋に高い水準の完成度で勝負している。
すごい!圧倒されて、言葉を失った。

OEHMS OC 505

ミュンヘンフィルにおけるレヴァインの存在は、
チェリビダッケと現在のティーレマンの間にあって、
結果的にはつなぎのような感じになってしまった印象もあるけれど、
私は昔からレヴァインにすごく親しみを感じてきたので、
このライブ・シリーズを聞いていると
もっとミュンヘンフィルでの活動をたくさん知りたかった。
正式なレコーディングなども残して欲しかった。
おそらくライブの記録として発表されるものは、
これですべてなのだろう。もっと聞きたい。
レヴァインは、メトロポリタン歌劇場での活動で手一杯のようだし、
ミュンヘンフィルと兼任するようになって以来、
最近はウィーンフィルやベルリンフィルからも姿を消してしまって、
コンサートでの活動を聞くチャンスがめっきり減ってしまった。
もちろん歌劇は重要だが、しかしできることなら、もう少し、
レヴァインの指揮するコンサートも聞きたいと思う。
ベートーヴェンの他の交響曲も興味あるし、
あと本来レヴァインが大得意でもあるマーラーの交響曲、
特にマーラーが聞くチャンスがなくて、本当に残念。
いずれ機会がめぐってくることを願っている。

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