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2005年10月15日 (土)

ヒラリー・ハーン モーツァルト

2006年はモーツァルト・イヤーであり、
今シーズンは世界中でモーツァルトが演奏され、
CDでも様々な新譜が出そうだが、
早速ムターのヴァイオリン協奏曲が登場して、
さらにヒラリー・ハーンのヴァイオリン・ソナタ集が出た。
私が興味ひかれて買ったのは、ヒラリー・ハーン!

このCDは録音が素晴らしくて、
目の前で二人が私のために弾いてくれている
というような見事な音響空間が体験できる。
しかしバランスのことをいうと
元々私はついピアノばかりを聞いてしまう傾向があって、
作品がこういう作品でもあるし、
もう少しヴァイオリンを前にして、
ピアノを後方に下げてほしかった。
でないとピアノばかりが耳に入ってくる。
そのわりには、ここでのピアノ、ナタリー・シューは、
かつてのルプーやバレンボイムに比べると、
正直なところ、大きな存在ではないし、
(古くはクララ・ハスキルが弾いていたということもあるわけで)
デュメイのときのピレシュのような、圧倒的な名演奏と比較しても、
やはりハーンの伴奏者としての印象は消し去れない。

ヒラリー・ハーンのヴァイオリンを聞かねば!と
耳をヴァイオリンに向けると
端整な造形と極めて誠実な演奏でもあり、
模範的であればあるほどに、
練習しているのを聞かされているような…。
これもまた、ショスタコーヴィチやプロコフィエフなど、
前回のCDはエルガーの協奏曲だったが、
それらの作品でのイメージがあまりにも鮮烈で、
そのギャップもあるのかもしれない。
ナタリー・シューのピアノもまた、
角の取れた優しい音色の本当に美しいモーツァルトで、
大人の音楽ですでに完成されちゃっているようなところ、
この安定感がかえって意外だったのだが、
もう少し二人とも、遊んじゃってもらったほうが、
聞くほうには理解しやすく、魅力も掘り出しやすかったのかもしれない。
なんか、落ち着き払っているようなところ、これが面白くない。
もっとスリリングな展開やら、
近現代作品と同じ土俵にモーツァルトをあげてしまうような
圧倒的な鋭さやまさに21世紀の現在を象徴しているような
そんな演奏をつい期待してしまっていた。
そんな考えが誤りなわけで、もっと素直に、
秋の夜長にモーツァルトを心安らかに楽しむことにしよう。

DG 00289 477 5572

「モーツァルト・イヤー 2006」の企画には、
DGは気合が入っているのか、これらの他にも、
ポリーニのピアノ協奏曲(ウィーンフィル)や
プレトニョフのピアノ・ソナタ集、そして
アバドの「魔笛」(マーラー室内管弦楽団)、
他に室内楽もあるらしい、
ピアノ四重奏曲(フォーレ・カルテット)、
ピアノ三重奏曲(ムター、プレヴィン、ミュラー・スコット)など、
すでに録音を終え、発売待ちであることが発表されている。
交響曲の録音がないが、これから控えているのかもしれない。
モーツァルト・イヤーを楽しもう!

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