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2005年11月 2日 (水)

ウィーンフィル1998/1999

サイモン・ラトルの指揮による第5回定期演奏会。
1999年2月21日ウィーン楽友協会大ホールである。
前半がラヴェルのマ・メール・ロアとラ・ヴァルス、
後半がベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」。

さすがにラトルだ!という表情豊かな演奏で、
ラヴェルなど、その幸福な響きに飲み込まれてしまいそうだが、
圧倒的なのは後半のベートーヴェン「英雄」。
これは当時、聞いたとき、衝撃的だった。
本当にすごい演奏で、最初聞いたとき、
とにかく快速なテンポと前のめりにあおってあおって、
その攻撃的な展開にビックリしたのだ。
ラトルのベートーヴェン交響曲全集よりも前の演奏で、
アバド(ベルリンフィル)やノリントン(シュトゥットガルト)など
今となってみれば、超特急の演奏はその後いくつも出てきたので、
しだいにこれが当たり前のような、
かえってそういう感覚も生まれつつあるのだが、
しかし最初は、一体ラトルは何をやりだすの?という、
喧嘩売ってるんじゃないか?聴衆に?いやベートーヴェンに!
しかしその鮮烈な印象、聞いているこちらは熱くなって、
ベートーヴェンの音楽に内在する生命力、
熱い血が煮えたぎっているような緊張感、
一瞬一瞬にかける集中力、
こんな表現を生み出せるのはラトルしかいない!と
結局はこれほど感動した英雄はなかったというぐらい、
作品に対する認識がすっかり変わってしまったのだ。
そういうところがラトルならではの体験であり、
私にとっては、ラトルに求めているのはそれなのである。
ご存知の通り、ウィーンフィルのベートーヴェンは、
最高に素晴らしい極上の響きだ。
もしこの演奏が、ウィーンフィルでなかったら、
とんでもないことになってしまっていたかも。
というのを考えるだけでも、面白くなってしまう。
それもまた興味深い展開があるのかもしれないが。
今年の夏にはラトルはベルリンフィルと「英雄」を取り上げ、
ベルリンフィルならば、間違いはないと思うが、
これもぜひ聞いてみたい!放送して欲しい!
今から期待している。

CDR173/174

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