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2005年11月25日 (金)

構造設計の偽造事件 2

その後の一週間でやはり予想どおりに
たいへんなことになってきた。
当初発表された物件だけではなかったし、
東京、神奈川だけにとどまらず全国に広がり、
民間の建築確認検査機関以外にも
自治体で下ろした確認にも偽造の物件が見つかった。
問題になっている開発業者(この場合の建築主)のひとつは、
早速「民事再生手続き」で姿を消し、
当初はマンション購入者の被害額を補償するといっていた業者も
国の公的資金導入がなければ、破産するといい出している。
とんでもないことになってきたとの印象もあるが、
はっきりいって、これはほんの序章にすぎないと思う。
これからである。成り行きが恐ろしい。
最初から責任のなすりあいをしていたが、
今度はいかに逃げるかを探っているのではないか。

ひとつ気になるニュースがあった。
「建築確認の手続きの見直しを検討する」だそうである。
新聞やテレビでは報じられないことをひとつ取り上げたい。
もしそうなれば、かなりやりにくくなると思う。
やりにくいというのが、建築確認が面倒になるということもあるが、
それは我々設計事務所を中心に建築関係者にとっての話であり、
問題になっているような「ノーチェック」で通ってしまったというのは、
もちろんあってはならないことで、
建築確認のシステム自体が意味のないことになってしまう。
そこは当然見直すことになろう。
しかし一方でそうなると、審査が慎重になったり、
つまりは時間がかかるようになって、すると順番待ちになってしまう。
一般の方は、ご存じないと思うが、
通常の木造住宅のような物件は、確認期間は7日間、
それ以外の今回のマンションのような物件は21日間と
建築基準法で定められている。
実際にその日程で確認が下りることは極めて難しいことだが、
自治体の場合には、その期限の前後に
「定められた日数で確認が下りない」旨を書面で連絡してくる。
(これもそう定められている)
民間の確認機関の場合には、民と民の話であり、契約の内容によるので、
最初に日程を打ち合わせ、それに従って審査に入ることになる。
つまり自治体だと、日程がつかめないということがあり、
民間機関の場合には、費用は高いが
日程はしっかり守ってくれるということなのだ。
本来、審査料が高いのになぜ民間確認機関に確認を出すのか、
それはここにある。「ノーチャック」だからではないのである。
ホテルの場合には、オープンの日が決まっている。
マンションの場合には、入居の日が決まっている。
予約や販売が絡んでおり、日程の厳守は最重要課題になる。
また一般の方にも関係する話として、住宅の場合にも、
建て替えや引越しの日程など、
確認がスムーズに行かないと予定が立たなくなってしまう。
建て替え中の期間には、一時転居しないといけないわけで、
引越しの時期も関係してくるし、転居先の家賃など、難しいことも多い。
確認が下りないと着工の目途も立たず、
工務店にとっても無駄な負担が増えてくるので、
全体的に建築コストのアップということに結びつくであろう

建築関係者だけでなくて、建築主(施主)にとっても得なことはなく、
私がいう「やりにくくなる」はこれなのである。
これから非常に混乱すると思う。社会に対する影響も大きいと思う。
確認の手続きと工事着工の準備は至難の業になるであろう。
心ない不正によって、社会全体が迷惑をこうむっているのである。

この話題については、今後も成り行きを見て、
様々に問題を指摘していきたいと思う。

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