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2005年11月29日 (火)

構造設計の偽造事件 3

先週と今週とで、事件の真相そして責任の追及の矛先が変わってきた。
先週は構造計算書の偽造を実際に行った問題の建築士に
世間の関心が集中していたが、今週に入って、
マンションを販売した開発業者の動向へと注目が移っている。
このあたりも想定どおりであり、これだけの問題に、
建築主たるマンション開発会社が関与していないとは考えにくい。
今回の一件について、建築士ではないが、
同じ建築業界で長年生きてきた方と雑談したのだが、
やはり共通の見解(これはすぐに思うこと)として
構造強度を低く計算する、そして特に「鉄筋を抜く」などということは、
通常の場合、建築士として、自ら進んでするとはとても思えないのである。
なぜならば、設計者としては、何のメリットもないのだ。リスクだけが残る。
ならばどうして行われたのか?
何らかの圧力があったとしか思えないのである。
すでに話は出ているが、「仕事を出さなくする」とのプレッシャーをかけ、
そして一度手を染めてしまえば、もう抜け出せない。
しかし誤解のないように、普通の建築士、普通の人間ならば、
構造強度の偽造など、そんな危険を伴なう話、人の命に関わる話、
まず絶対にやらないのである。
これは極めて特殊なケースである。
しかし聞くところ、今回のようなマンション開発をはじめ、
一部の利益追求型の開発行為においては、
このような違法行為も少なからず行われていると聞く。
そういうこともあるので、以前から指摘している通り、
今後の展開が恐ろしくもあり、注目し続けなくてはならないのである。
マスコミも「これは氷山の一角か?」としているが、
もしこの話題がこれから簡単に消えていくようであるならば、
それはどこかでこの問題が抹殺されているとしか思えないのである。

今日の午後、衆議院の国土交通委員会参考人質疑は、
想像を絶する衝撃な展開に驚きを隠せなかった。
私は外出していたので、車の中で聞いていたのだが、
聞いていて、ゾッとした。
内容については、お聞きになってのとおりなのだが、
深く突き詰めていくと、今後建築業界全体に対して、
多大な影響を及ぼし、波紋を広げ、
これまでに築き上げられてきた「建築」というものが
その根源から音を立てて崩れ去ってもおかしくない
そんなことをここに感じ取ったのである。

民間確認検査機関の「イーホームズ」藤田社長の口からは、
なんと「日本ERI」の名前もあがってきた。
私はERIにはよく存じ上げている方もいらして、
ERIは早速記者会見で「事実無根である」と反論しているが、
今回問題になっている確認検査の手順について、
それについては、民間も自治体も共通に、
様々な不備があったのは事実で、今後改善すべきことはある。
しかしひとつどうしてもいいたいのが、
今回の一件については、このように、
これまでまじめに建築に取り組み、
真剣に建築に関わってきた人々に
多大な迷惑を及ぼしているのである。
最大の被害者は、構造偽造マンションの住民である。
しかしこの問題は、関係者だけにはとどまらず、
すでに社会全体に大きな影響を及ぼし始めているということを
ここで指摘しておきたいのである。
また今後の展開により取り上げたい。

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