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2005年11月 3日 (木)

ギーレンのバルトーク

ミヒャエル・ギーレンの指揮によるバルトーク。
私はギーレンが大好きで、最近のはほとんど聞いているが、
でもどうなのだろう。バルトークは今回がはじめてだ。
マーラーや新ウィーン楽派や少し前だとブルックナーなど、
ドイツ・オーストリアの作品が中心だったので、
今回はちょっと色合いが違って、すごく新鮮で、楽しみに聞いた。
でもギーレンがバルトークをやらないはずもなく、
これまで聞けなかったことのほうが、
考えてみると意外な気もしてくる。
コントロールされている印象もあるけれど、
録音が素晴らしくて、迫力があって、
すごく豊かな響きで、期待通りに大満足である。
「4つの小品」は他にそれほど演奏もないので、
自動的にブーレーズ盤との比較になるけれど、
ロマンティックに情景が広がるような趣きのある作品なので、
ブーレーズの方がもっとデジタル的な演奏だったか?
(今回確認してないが、そんな気がするのだけれど、自信ない)
ここでのギーレンのほうが、色彩的にきらきら光って、
うっとりと雰囲気に引き込まれるような演奏である。

そして意外なのが、続くヴァイオリン協奏曲第1番。
これまたロマンティックによく歌い込まれていて、
ゆったりと広がりのある音楽ですごく魅力的。
これまでの印象だと、もっと引き締まった曲で、
聞くこちらもすごい緊張とか集中とか、
そういうのを虐げられて聞くような印象もあったのだが、
美しい音楽で、これまた風景があるではないか!
正直なところ、私は第2番の方が親しんでいるので、
この第1番は、より前衛的で、現代音楽的に扱えば、
かなりデジタル信号のような響きになってもおかしくなくて、
てっきりギーレンなら、そうなるだろうと、
覚悟して聞き始めたのに、印象は違って、
大好きである!この演奏。
なんだか、楽しい。こんなのはじめて。

そしてメインの「弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽」。
この曲が私は大好きで、すごく楽しみに聞いた。
さすがに作品の傾向もあるので、ずっとドライな感覚になるが、
しかし冷たい響きではないし、むしろ体温の感じられる音作り、
響きも美しいし、かなり有機的なバルトークである。
第2楽章に進むと、テンポをゆっくりめにして、
鮮やかに明快に、さすがに本領発揮!
しかしここでもいきいきとしたリズム感で、
現代音楽的に前衛に走ることもなく、
民族色で野性味を強調するでもなく、
いかにもギーレン的でいいではないか!
しかしこの比較的明るく、暖色系の音作りで、
明確だけれど、音楽に角はなく、印象は丸く、
この辺がギーレンの現在を伝えているのだろう。
ギーレンの耳は、音楽をよく聞いている。
そしてよく聞こえているようで、それは我々にとっても同じことであり、
音楽が聞こえてくるのである。素晴らしいバルトークだ!

Hanssler CD 93.127

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