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2005年11月19日 (土)

構造設計の偽造事件

マンションやホテルの構造設計に関する
偽造事件が問題になっているが、
こういう事件って、本当に困る。
問題の設計事務所は構造設計事務所である。
これで設計事務所の社会的信頼というものも失われてしまうだろう。
一級建築士の信頼もまた同じことである。
まじめにやっているこちらとしては、本当に迷惑以外の何物でもない。
まじめな人って、損ばかりである。
といって、私は悪に手を染めるような勇気すらないのだが。
まじめにやっていると金は逃げていくし、
今回わかったことだが、この問題の設計事務所のように
悪に加担しているようなところには、
その悪すらとがめる暇もないほどに、仕事が忙しいそうだ。
私はこうして、その愚痴をブログに書き込む時間も十分にもっている。

これまでは欠陥建築や違法建築など、
施工者(建設会社や工務店)が問題になることが多かったし、
今年前半の話題は、リフォーム詐欺だったが、
設計事務所や一級建築士は、社会的信頼の高い資格であると
私もまたそれを誇りにして、活動してきた。
どちらかというとそういう悪に立ち向かい、
こらしめるのが使命であるとそう思っていた。
しかし世の中の一級建築士はどうもそういう人ばかりではないようである。

まあ正直なところ、一番悪いのは、
この問題の設計事務所に仕事を出している開発業者なんだと思うが、
そういうことをここに書くから、私のところに仕事が来なくなってしまって、
しかし私は悪に手を染めてまで、建築を続けようとは思わないので、
もうはっきり書くことにする。
そして一番悲劇なのが、今まで騙され続けて、
これらの問題のマンションに住んできた人たちである。
自壊の恐れもありという判定結果が出たが、
すぐにということもないのだろうけれど、
地震やちょっとしたきっかけで全壊の可能性も高いのでは。
住めたものではないと思う。
今年春のJR西日本の脱線事故のときのマンションと同じく、
耐震改修とかそんな問題ではなく、
もうこの建物には住めないと思う。
どこがどう保証するのだろうか?

あともうひとつ、これがはじめであり、きっと国土交通省から
各民間確認機関に調査命令が出ていると思うが、
これから似たようなのが続々と出てくると思う。
これは社会の問題である。
問題の建築士がテレビのインタビューに応えて、
(明らかにテレビ映りを意識した服装をしているが)
反省の色も見られず、不気味な笑みを浮かべているかのようで、
それを見ていると社会への警告のようにすら感じられてくる。

民間の建築確認機関への批判も高まると思うが、
私は別に擁護しているわけではないけれど、
これだけの規模のマンションやホテルというと
構造計算書は電話帳ぐらいの厚みになってしまうのである。
それを精密にひとつひとつ検証していたら、
どれだけ時間があっても足りないほどのものなのである。
それを限られた時間の中で、設計者以外の人間が確認するわけだから、
あってはならないことだけど、見落としや勘違いも生まれてくると思う。
そういう意味でも設計者(建築士)が
やはり決して誤ってはならない性格のものなのである。

私はこれまでどおり、まじめで地道な活動を続けるのみだが、
注意してよく成り行きを見届けたいと思う。

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