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2005年12月26日 (月)

バイロイト音楽祭2005

年末恒例の今年のバイロイト音楽祭の放送がはじまった。
詳しくはいずれ改めてじっくり聞きなおしたいと思っているが、
今年の新演出「トリスタンとイゾルデ」を聞いて、少しだけ。

大植英次の指揮はいきいきとした表情を作り出して、
オーケストラがよく聞こえてくる。
音楽がすごくよく心に響いてくる。
そこを肯定的に聞くならば、本当に素晴らしい。
しかしその一方で歌とのバランスを考えると
オーケストラが目立ちすぎなのかもしれない。
ドイツだが、どこだったか?批評に書かれたという
例の「騒音と化したオーケストラ」というのは、
この印象のことをいっているのか?どうなのだろうか。
近年のバイロイトでティーレマンやアダム・フィッシャーの演奏を聞くと
オーケストラは同じくよく鳴っているが、
歌手と親密に寄り添って、歌を妨げたりはしないし、
必然的ともいえる調和の中にすべてが成立している。
今回の公演では、歌手は絶賛されている通り、
素晴らしい歌声が聞こえてくるが、
オーケストラに溶け込むどころか、
競い合っているような、張り合っているような、
なんだかそういう印象もなくはない。
というのが、第1幕であった。
でも、まあ新演出の初日の公演だし、
指揮者も歌手も気合が入って、
元気にやっているではないかとそういうのも思うのだが。

しかしその辺のバランスのことや声を張り上げていることも
後半に向かうにつれて気にならなくなって、
特に第3幕では、響きもしなやかになって、
勢いだけではない、精妙な表現が中心になって、感動的だった。
第3幕の充実は圧倒的だったと私は思う。
ワーグナーの音楽からキラキラと輝かしい音を引き出して、
夢見るような、ひたすらワーグナーに陶酔する時間、
ここに到達するなんて、やはりバイロイトである。
そこに大植英次の存在があるなんて、
同じ日本人であることを私は誇りに思う。
バイロイトでは久々の新しい「トリスタンとイゾルデ」ということもあるが、
(1980年代から90年代はずっとバレンボイムが指揮していた)
とにかく興奮する。新しい響きがある。
大植英次が指揮した今年の「トリスタンとイゾルデ」
私はこの録音を宝物としたい。

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