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2005年12月 1日 (木)

エレーヌ・グリモー Reflexions

エレーヌ・グリモーの最新盤で
今回はシューマンのピアノ協奏曲を中心に
妻クララ・シューマンの歌曲やブラームスのチェロ・ソナタ、
そして最後に独奏でブラームスのラプソディを弾くという
なんと凝っているアルバムだろう!素晴らしい選曲!
DGに登場して以来、最初のcredoから
グリモーは様々な企画に取り組んでいる。
今回は何とついにオッターと歌曲に挑戦したり、
チェロではトルルス・モルクまで呼んできてしまって、
曲のアイデアもこの豪華な顔ぶれも
こんなにも興味ひかれるディスクは最近では珍しい。

シューマンのピアノ協奏曲では、
前半に粗さみたいなものが気になったが、
次第に聞き進むうちに、それはそうではなくて、
グリモーはより情熱を奮い立たせ、
シューマンの音楽に大胆な起伏をもって、
立体的に歌い上げているのだ。
終楽章まで来るとその勢いと立ち上がる音の力強さに圧倒される。
そういえば、グリモーって、こういう演奏をする人だったのだ。
少し久しぶりな気もするし、今回はより自由に個性を発揮できているようである。
グリモーは昨年秋に東京でN響定期に出演して、シューマンを弾いたが、
それがこんな素晴らしい演奏につながるなんて、うれしいことである。
こちらはエサ・ペッカ・サロネン指揮シュターツカペレ・ドレスデン。

そしてオッターと共演したクララ・シューマンの歌曲。
このピアノの冴えは、完全に歌曲伴奏の域を超えている。
残念なのは、すぐに終わってしまうこと(笑)
もっとじっくりたくさん聞かせてほしい。
この素晴らしさであり、続編へと発展するに違いない。
そしてトルルス・モルクと共演したブラームスのチェロ・ソナタ第1番。
ちょっとグリモーは気合入りすぎか?
しかしトルルス・モルクを相手に音楽を引っ張って行っているのは、
完全にグリモーであり、ここでも大胆な展開が魅力的である。
ブラームスならではの密やかにささやくようなところでの
グリモーの音が美しくて、若き日のブラームスの
壊れてしまいそうな繊細な心がひしひしと伝わってきた。
グリモーがものすごい勢いで弾き続けているが、
トルルス・モルクのいつものしなやかで
デリケートな音色はここでも存在感があり、やっぱり最高である。
トルルス・モルクのチェロもまた、かなり自在に
非常に表現の幅が広く、この演奏は聞けば聞くほどに
抜けられなくなってしまうタイプの演奏だと思う。

最後に独奏でラプソディ。
これはもうグリモーの世界が目の前に広がって、
弾きまくっているぞ。グリモーだ!これがグリモーだ!

DG 00289 477 5892

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投稿: カシュカシュ | 2007年3月 5日 (月) 16:20

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