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2005年12月27日 (火)

エフゲニー・キーシン

キーシンの最新盤は、ロシアの作曲家を集めた作品集で、
スクリャービン、メトネル、ストラヴィンスキーを弾いている。
スクリャービンとストラヴィンスキーという組み合わせだと
ロシアの音楽でも近代的な響きをイメージするが、
ここでのスクリャービンはメトネルの存在に近く、
ショパンをイメージさせるロマンティックな音楽である。
ピアノ・ソナタ 第3番は10曲あるソナタの中でも
最も有名な方なのではないかと思うのだが、
アシュケナージの名盤やギレリスのライブしか聞いたことがなく、
(リヒテルの録音には出会ったことがない)
正直なところ、あまり詳しくはないのだが、
キーシンの演奏は今回も鮮やかでくっきりとして、
テキパキ聞かせるけれど、その余韻にもうっとりして、
ピアノの響きは想像できる最も美しい音色を聞かせ、
さすがにキーシン、最高である。
テクニックも音の美しさも解釈の素晴らしさも
作品をスケール大きくまとめ上げるこの実力、説得力、
ピアニストとしていま乗りに乗っているこの勢いとか充実感、
キーシンは圧倒的な存在であり、そういう演奏だ。
最初に弾かれた5つの前奏曲(作品15)も魅力的で
ここでのスクリャービンは、私にとっては理想の演奏。

続いてメトネルの「追憶のソナタ」へと進み、
このまま行くと最高に甘ったるいCDに仕上がるのかと
それを防ぐためにもキーシンは、
ストラヴィンスキーを最後にもってきたのか、
「ペトルーシュカ」からの3楽章が弾かれる。
この作品は大好きなので、私は聞けてうれしい。
キーシンだし、期待した。
でも私には、ちょっとイメージと違って、残念。
最高の名演であると思う。一般的には。
しかし私にとっては、やはり今回も
ポリーニの演奏でないとダメなようで、
これはあくまでも個人的な思いなのだが、
キーシンのファンの方には申し訳ないけれど、
この作品はやはりポリーニである。
ポリーニのファンの方たちは、きっと同じことをいうだろう。
ポリーニの90年代前半のライブが私にとっては究極で、
それにかわる演奏は今のところ存在しない。
しかしここでのストラヴィンスキーを聞いていると
キーシンにぜひプロコフィエフを聞かせてほしいと
そういう気持ちになってくる。
神童といわれていた頃(1980年代半ば)には、
プロコフィエフのソナタを第6番だったか?
レパートリーとしていたような気がするのだが、
ぜひ再び弾いてほしい。
ラフマニノフの前奏曲や練習曲「音の絵」を弾いて、
最後に堂々とプロコフィエフのソナタ第8番とか。
聞いてみたいと思いませんか?

RCA 82876-65389-2

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