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2006年2月 3日 (金)

バイロイト音楽祭2005

Smith

バイロイト音楽祭のホームページより
トリスタン役のロバート・ディーン・スミスの写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

クリストフ・マルターラーの演出が、
ワーグナー自身による台本とかなり設定を変えている
ということは、明らかであり、昨日も書いたが、
この衣装は、どのように理解すればいいのか?
衣装担当は、アンナ・ヴィーブロックである。
役人のような堅い印象も受けるし、
タクシー運転手か駅員さんのような、
とにかく制服のようなイメージである。
ブルーのスーツ姿。グレーに近いブルーで、これは制服の色である。
男性の役柄は、色は違っていても、みなこんな感じの衣装であり、
特にこのトリスタンだが、スーツの下にねずみ色のセーターのような
間に着込んでいて、ちょっときつそうだけど、
スーツのボタンはきっちりとめている。
このイメージは、先ほど役人と書いたけど、
まじめなイメージを強調しているかのようである。

イゾルデはマルケ王の妻になるわけであり(第1幕)、
第2幕では、すでに結婚しているイゾルデが、
狩に出ている夫の留守にトリスタンを呼び出して密会、
これは完全に不倫である。
第1幕第5場で毒薬を飲んで死のうとしたイゾルデに
ブランゲーネが機転を利かせて、
二人にほれ薬を飲ませるという、これがすべての原因だが、
密かに想いを寄せていた二人、その想いを断念しようとしていた二人が、
そんな展開によって、信じられないような大胆な行動へと出て、
衣装でそのギャップを強調しているような印象も受ける。
その第1幕第5場でトリスタンはイゾルデに
「仇である自分を殺せ」と、しかしイゾルデは、
「マルケ王の最勇の部下であるトリスタンは殺せない」と返し、
本来のトリスタンはそういう人物なのである。
イゾルデに対しても、マルケ王に対しても、
極めて堅い人柄であり、マルケ王に忠実に仕えている、
その辺で役人的なのか、今回の衣装を見ると
ついそっちの方に注意が向いてしまう。
舞台衣装としては、パッとしない、こんな制服のような地味な印象で
どういう意図でこうなったのか、それについては詳しくは知らないが、
第1幕第5場でトリスタンとイゾルデがほれ薬を飲んで
話が全く違う方向に動き出すこの物語のその前後のギャップ、
現実と比較すれば、矛盾のような、皮肉のような、
その辺をあまり変化しない舞台と地味な服装で表現しているようでもある。
というのが写真の感想だが、映像を見ているわけではないので、
実際のところはどうなのだろうか?

CDR198/199/200

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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