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2006年2月23日 (木)

クリストフ・フォン・ドホナーニ

ハンブルクNDR交響楽団の最近のライブから
クリストフ・フォン・ドホナーニの指揮による演奏。
ドホナーニのクリーブランドでの録音は、
私は特にひかれていたので、いろいろ聞いてきたのだが、
クリーブランドを離れ、フィルハーモニア管弦楽団のポストについて、
しかしその頃から、CDでも放送(ライブ録音)でも、
ドホナーニの指揮が全く聞けなくなってしまい、
何年かの間、空白の時期があったのだが、
最近、エッシェンバッハの後任として、ハンブルクに登場して、
ドイツにおけるライブとして、FM放送でときどき聞けるようになって、
そこで思うことは、ドホナーニはずいぶん変わってきたなと感じるのである。

今回のもので、私が最もひかれたのは、
やはり相変わらずであるが、ブラームスの交響曲 第1番である。
これは2003年2月のハンブルクでのライブ。
ずしりとした重みがあって、渋い。
ドホナーニのかつての鋭い、きびきびした感じではなく、
風格を感じるというか、もちろん集中力はすごいのだが。
クリーブランド管弦楽団とで録音されたCDがあるが、
引っ張り出して聞いてみないといけないけれど、
詳しく比較はしていないが、こちらの方が、
大きさ(スケール感)や深まり(濃淡や陰影による内面的密度)で
もう断然違っている。クリーブランド盤も名演なので、
どちらも感動的なのだが、少し方向性が違っている感もあり、
こちらは本当に内面的深まりの充実度で圧倒的である。
前半はどちらかというとじっくりと聞かせているような印象で
後半に行くにつれ、どんどん勢いが出て、突き進むが、
しかしやはり渋くって、決して表面的な効果に走らない、
これがドホナーニの現在であると、感動的なブラームスだった。

ワーグナーのジークフリート牧歌(2004年10月15日)や
昨年のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭における
2005年8月28日、リューベクの音楽会議場におけるライブで
R.シュトラウスの4つの最後の歌も
音楽に対して非常に丁寧に取り組んでいるという印象であり、
表面的な要素よりもむしろ奥深くに存在している大切なものが、
こちらの心にそのままに伝わってくるような、そんな響きであった。
特に4つの最後の歌など、最初から
これまでに聞いたこともないような
突き詰められた緊張感と濃密に満たされていく充実感。
後半に向かうにつれ、決して軽く開放されていくというのではない、
しかし安らかさと透明感をもって、ますます研きぬかれていくという
これは本当にすごい演奏である。

そして「英雄の生涯」(2004年11月14/15日)。
全体に豊かな響きでゆったりとした印象を受けるが、
緩くなったという感覚は全くないのである。
ドホナーニならではの引き締まった音楽で、
しっかりと構築されている枠組みの中に
より厚みの増した音楽がすっぽりと納まっているような
ドホナーニの「英雄の生涯」は本当に素晴らしくて、
以前のクリーブランド管弦楽団との録音を聞いて以来、
最高の「英雄の生涯」を聞かせてくれる指揮者だと
私はずっと認識していたのだが、それは今日でも変わらず、
やはり最高の満足感を与えてくれたのだった。

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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