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2006年3月 5日 (日)

内田光子のベートーヴェン 2

昨日に続いて早速もう一度。
内田光子の最新録音で
ベートーヴェンの最後の3つのピアノソナタ。
内田光子なので、細部へのこだわりや
徹底したコントロールはさすがにすごくて、
しかし全体像としては、あまり堅くならずに自由な印象もあるし、
緻密な構成の一方でそうした柔軟さは、
やはり後期のピアノソナタの特徴をよく捉えているということか。
基本的には非常にシンプルな音であり、表現であり、
この透明感に包まれていると
もっと深みやじっくりと聞かせられる音楽など、
これまでの作品のイメージにも照らし合わせて、
少しそうしたものを求めたくなったりもするが、

しかしこの透明感、本当に必要なものだけを表現して、
その結果がこれなのであり、その辺はやはり
ベートーヴェンの後期のピアノソナタなのである。
内田光子のこの研ぎ澄まされた感覚は、
洗練というよりはあくまでも浄化であり、
これこそが作品本来の姿なのかもしれない。
音楽に対して、これ以上なく丁寧に接しているのを感じるし、
常に謙虚な姿勢、それは作曲家への敬意であり、
聞いているこちらもこの演奏、この音楽を通して、
極めて清らかな気持ちになるのである。

すごい名演にふれて、圧倒されて、
もうその作品はしばらくいいと感じるときもあるのだが、
この内田光子の感動的なベートーヴェンは、
そういうのとは少し違っていて、むしろ、
ずっとこの清らかで透明な響きの中に浸っていたいと
何かそう感じさせる、これは親しみとも違う、
安らぎや救いの響きが存在しているのである。

PHILIPS 475 6935

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コメント

その通りですね。
内田光子さんの演奏は、感情に訴えないで
「何でこんな風に弾くのだろう。」
と思って身を乗り出すと、彼女の世界にストンと落ちてしまいます。

私にとっては、それは怖ろしい事です。

投稿: yukaris | 2006年3月11日 (土) 08:13

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