« ロンドン交響楽団2005/2006 | トップページ | 第1510回N響定期公演 »

2006年3月27日 (月)

セルジュ・チェリビダッケ 6

チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィルによる
ブルックナーの交響曲第5番。
1993年2月の演奏で、最晩年の録音だが、
このブルックナーはそれほど遅くなく、
ゆったりとした大きな流れ、美しい残響に包まれて、
何とも心地よく、チェリビダッケの演奏にしては
かなりの快適な時間の流れが存在しているのである。
ある程度万人向けでもあり、私などは素直に
ずっと感動しっぱなしなのである。
この時期のチェリビダッケの録音の中では、
集中力、演奏の緊張感、共に最高の完成度だと思うが、
非常に適切な音楽進行が守られているような、
この作品がチェリビダッケの芸術に特に合致している
そういうことも聞いていて感じるのである。この説得力に。
第1楽章からチェリビダッケの強い意思が伝わってきて、
まさに呪縛にはまってしまうのだが、考えてみると
そういえばアバドやアルノンクールはもっと速かったなって、
しかしチェリビダッケのここでのテンポこそ
まさに適切であり、合理的でもあり、この自然な流れこそ、
求められているものであるといつの間にか思い込んでしまう。
第2楽章はさすがにゆったりとした運びだが、
ここでも第3楽章のスケルツォが意外に速いテンポであり、
この第5番においては、全体にそれほどには、
チェリ特有の遅いテンポが特長であるとは感じない。
素晴らしい演奏でこそ、終楽章のメタモルフォーゼンが冴えるのだが、
もちろんここでは、チェリビダッケのブルックナーであり、
これには文句は言わせない!最高の感動である。
かなり気合が入った演奏で、長大な作品が
フィナーレに向かって壮大に燃焼されていく姿に圧倒される。
残されているチェリビダッケの録音の中でも
これはかなりいいのではないか!
ヴァントやマタチッチ、ヨッフムなど、いろいろ聞いてきたが、
チェリビダッケのここでのブルックナーは
これぞ最高位に輝く名演であると私は思うのである。

EMI 5 56691 2

「セルジュ・チェリビダッケ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

|

« ロンドン交響楽団2005/2006 | トップページ | 第1510回N響定期公演 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/9284285

この記事へのトラックバック一覧です: セルジュ・チェリビダッケ 6:

« ロンドン交響楽団2005/2006 | トップページ | 第1510回N響定期公演 »