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2006年3月23日 (木)

ダニエル・バレンボイム

ベルリン・シュターツカペレを指揮して
マーラーの交響曲第7番の最新盤である。
でもバレンボイムは、CDでもいよいよ
シカゴから完全にベルリンに移ってしまったなあと…
マーラーはシカゴで聞きたかった気もするが、
(マーラー「第九」は、シカゴでレコーディングしたとの情報がある)
でもここでのベルリン・シュターツカペレは最高に素晴らしく、
すっかり私ははまった。気に入った!
先日のギーレンといい、昨日のフレイレ&シャイーといい、
最近は本当にはずしがなく、うれしい。
ある程度、これを聞きたい!というのが決まっていて、
どう聞けばいいのかを知っているので、
期待はずれというものは存在しなくなるが、
あとはCDの制作過程で、その演奏を台無しにしなければ、
悪いはずがない、だってバレンボイムである。
最近は録音技術が著しく進歩しているので、
音の印象がよければ、さらにうれしいが、
ここでの響きもシャキっと決まって、私は好きな音である。
というのは、冒頭から伴奏的な背後の響きが、
すごくリアルに聞こえてきて、私の心にググッと迫ってきた。
いいではないか!と。こういうの好きである。
ベルリン・シュターツカペレといえば、
以前のオトマール・スウィトナーの時代の録音が、
日本ではお馴染みで聞くチャンスも多いが、
当時は東ベルリン、東ドイツのオーケストラであり、
響きも西側のオーケストラとはかなり違っていて、
とにかく艶消しで渋く、どっしりと重心が低く、
いやベルリン・シュターツカペレの場合、スウィトナーなので、
まだ暖かみがあって、より柔軟さを特長としていたほうで、
しかしそれから時間がたって、バレンボイムとの時代が築かれ、
かつてのドイツの響きを誇る伝統は今でも大切に受け継がれているし、
そこにバレンボイムならではの、本当にシャキっと聞かせる
何とも巧さがあって、実際厳しくトレーニングしての成果なのだろうけど、
素晴らしく徹底されて、研きぬかれたマーラーである。
と書いているとこの交響曲は「夜の歌」というニックネームでもあり、
夜の世界には、もっと混沌としたもの、
そして特有のグロテスクな要素があってもいいのではないかと
改めて気づいてしまうのだが、もうそんなのはどうでもいい。
バレンボイムである。いまはバレンボイムのマーラーを聞いているのだ。
すべては音楽の説得力である!
説得力が弱いと、この作品はもっとこうしてほしい、
もっとこうあるべきなのではないか、などなど、
リスナーは、他の演奏と比較したがりで、勝手な要求をする。
しかしここでのバレンボイムは、全く隙を見せないので、
聞いているこちらには、そういう選択の余地はない。
バレンボイムは固い意志を貫いて、
もう誰もが認める巨匠ではあるが、
極めて完成された偉大な芸術家になりつつあると、
このマーラーでは、特にそうしたことを感じさせられた。
今年最高のマーラー、そして管弦楽演奏のひとつの極致として、
最も重要なディスクになると思う。
などと言い切ってしまうと、なかなか難しく、急に弱気になるけれど、
私のオーケストラ鑑賞の基準においては、最高位の絶賛を贈る!
(そういえばこれからブーレーズの「復活」が控えていた!)

Warner Classics 2564 62963-2

「ダニエル・バレンボイム」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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