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2006年4月25日 (火)

セルジュ・チェリビダッケ 10

今日はチェリビダッケのブルックナー。
DGからのシュトゥットガルト放送交響楽団とのシリーズで
交響曲第5番(1981年11月26日)である。
ここでの一連の録音の中では最も新しく、
音も比較的聞きやいのではないだろうか。

第1楽章はより普通のテンポ設定で、なかなか鋭く、力強い。
となると、晩年のあの異常に美しい響きが思い出されて、
するとチェリのチェリたるところが薄れているようにも感じられてしまうが、
第2楽章ではぐっとテンポを落として、美の追求がはじまり、
緊張感はこちらの方が圧倒的なので、ますます感動的なのである。
この第2楽章における深く細部へと意識を集中させていく密度と凝縮、
果てしなく続く永遠性は本当に素晴らしい。
そして第3楽章がまた、力強い迫力と緊迫感で、
もしかしたら、チェリの魔術はこの辺に秘密があるのかもしれないが、
第2楽章ではまるというか、連れて行かれるというか、
そこですっかり魔法にかけられて、後半はただひたすら最高なのである。
第4楽章のメタモルフォーゼンも圧巻。
ミュンヘンフィルとの晩年の演奏も感動的なので、
これは比べられない素晴らしさだが、
造形における徹底ぶりについては、やはりこちらの方が、
チェリビダッケのより厳しい姿勢によって上だろう。
でも毎度のことながら、この5番の終楽章とは
なんという至福の音楽なのだろうか。
ブルックナー・ファンの間では、5番が特に人気が高いといわれるが、
この終楽章の極致への達成感は、やはり格別なものである。

ブルックナーの余白に収録されている
モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」(1976年6月20日収録)も
軽やかに一段と上を行く流動感が見事で、
チェリビダッケの上品な感性の結晶である。

DG 00289 477 5136

「セルジュ・チェリビダッケ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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