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2006年4月 1日 (土)

カール・ベーム 「こうもり」

カール・ベームとウィーンフィルによる
J.シュトラウスの喜歌劇「こうもり」、1971年11月の録音。
ベームの存在にひかれて、ずっと聞いてみたいと思っていたのだが、
タワーレコードのユニバーサル関連のセールの中に見つけて、
その手軽な値段も魅力で買ってきた。
J.シュトラウスの音楽は、この数年ずっと、
元日のニューイヤーコンサートとそのCDの発売時にしか
聞かなくなってしまったけれど、今回はこの「こうもり」で
実に幸せで楽しい気持ちにしてくれる。
満開の桜の春の気分には、これがまた実にふさわしい。

ベームのJ.シュトラウスだが、何とも独特である。
同じくウィーンフィルとのワルツ&ポルカ集もあるので、
すでに知ってはいたのだが、やはり喜歌劇でも
実にシンフォニックな迫力や奥行きの感じられる音作りで
これに関しては、さすがである。
シュトラウスのワルツやポルカにふさわしいかどうかは別問題。
しかしベームとウィーンフィルを聞きたければ、
この魅力といったら、それはもうたまらない。
といっても、ベームで「こうもり」を聞くと
モーツァルトを通り越して「フィデリオ」を聞いているぐらいの
音楽の集中力とか、気持ちを引き締めて鑑賞するとか、
ベームの指揮だと、やはり格調高いのか?
別にまじめで堅苦しいというのではないけれど、
決して妥協の存在しない音楽に対する姿勢なのか、
この密度の高さは、喜歌劇に不思議な緊張感を漂わせる。
しかしそこはウィーンフィルであって、
何とも美しい響きと優雅さを忘れないのは、
それもまた独特な輝きを放って、うっとりなのである。
考えてみると35年前のウィーンフィルで
この時間の経過って、実感のできないものなのだが、
古きよき昔の響きといった印象もなくはない。
それがシュトラウスの音楽が生み出しているものなのか?
ベームとウィーンフィルという存在が、
やはり現代のウィーンフィルとは何か違う
特別な個性を発揮しているからなのか?
しかし何とも心地のよい、魅惑の時間が流れるのである。

当時のウィーンフィルは、今とずいぶん違っており、
カール・ベームがニューイヤーコンサートに登場することはなかったし、
オーストリア人でウィーンフィルとの深いつながりを考えれば、
ワルツやポルカなど、ウィーン音楽の録音を
もっと様々に残していてもおかしくないように思えるが、
カール・ベームが指揮したシュトラウス・プログラムの演奏会も少ないし、
この「こうもり」全曲が残されていたことは、
本当に貴重なことであると思う。

DECCA 475 6216

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