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2006年4月21日 (金)

アルフレッド・ブレンデル

ブラームスのピアノ協奏曲第1番は、
今年になってからだけでもすでに
クリスティアン・ツィメルマンやネルソン・フレイレなど
話題盤が続いて登場したし、聞くチャンスが多いのだが、
今日は何となくブレンデルで聞きたくなって、CDを出してきた。
1986年9月、アバド指揮ベルリンフィルと共演しての録音であり、
レコードアカデミー賞を受賞したり、80年代の後半には、
まさにこのブレンデル盤は「決定盤」というような圧倒的存在感であった。
ポリーニやアシュケナージ、70年代にはギレリスやルプーなど、
ブラームスのピアノ協奏曲は名演も多く、
しかしこのブレンデルの演奏は、その中にあっても特に感動的で、
私にとっては思い入れが強い。

しかし今聞くと、だいぶ印象が違って聞こえてくる。
このCDを買ったのは、何しろ中学生のときだったので、
その倍も歳をとってしまった現在、音楽への接し方、
感じ方が変わるのも当たり前だけど、しかしちょっと驚き。
当時思っていたことは、ブレンデルの演奏は、
音にも重さがあって、音楽全体の密度の高さ、
重厚な仕上がりによって、聞いているこちらも
熱く感動するブラームスであると。
しかし今聞くと、何だかもっと、
ブレンデルの音楽の進め方って、より自然に感じられるし、
感情のコントロール、その冷静な振る舞いは、
むしろ普通以上に抑制をきかせていて、
力強さ(発散)よりも静寂の中にある内面性が音楽の中心なのである。
ブラームスの作品の中でも最も交響的な性格が強いこの作品で、
ブレンデルはより細やかな部分を丁寧に聞かせて、
聞いている今の私の気持ちは、実に爽やかだったりする。
昔の私は、ブレンデルの剛の表現ばかりに注目していたわけだが、
よくいえば、今ではもっと静の響きに耳を傾けられるようになって、
すると音楽はますます立体的に奥行きが出てくるわけで、
ブラームスの音楽におけるそうした深まりを
少し理解できるようになったということだ。
自画自賛のようであるが、いろいろたくさん聞いて、
私もいくらか成長したと思う(笑)

PHILIPS 420 071-2

「アルフレッド・ブレンデル」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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