« エルマウ城室内音楽祭2004 | トップページ | ティーレマン「パルジファル」 »

2006年5月24日 (水)

エルマウ城復活祭音楽祭2003

アナトール・ウゴルスキの演奏で
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番。
2003年4月19日 エルマウ城での録音
ウゴルスキのベートーヴェンが素晴らしい。
重みのあるしっかりとした音楽。
瞑想的ともいえる深まりを強い集中力で
演奏者も聞き手も気の緩む時間というのが全くない。
本当に見事な緊張感の持続で
同時に安らかな静寂や人間的な優しさを表現しつくした
ウゴルスキの大きさ、広さ、芸術の偉大さに感動する。

通常の演奏よりも多少時間はかかっているが、
しかし遅いという印象はなく、解釈における違いはそれほどにない。
ウゴルスキの演奏ということを考えれば、
第1楽章など、速すぎるほどにきちんと流れている。
90年代前半だったろうか、ウゴルスキが突然西側に姿を現して、
当時はかなりの異色な演奏を売り物にして、
このソナタ第32番やディアベッリの主題による変奏曲など
晩年のベートーヴェンの作品が、
ウゴルスキの独自の芸術を表現するのにふさわしかったのだろうと
当時も熱心に取り上げていたわけだが、ここでの演奏を聞いていると、
もはやそういった表面的な部分での演奏スタイルは問題ではなく、
もっと深く高い境地でベートーヴェンと向き合っているのである。
一音一音に強い想いが込められており、
聞いている我々がそれらとひとつになって共有できたときに
心から熱く感激する巨大な力を感じ取って、
それはウゴルスキのピアノを通して、
ベートーヴェンを感じ取っているということなのである。

CDR226

「アナトール・ウゴルスキ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

|

« エルマウ城室内音楽祭2004 | トップページ | ティーレマン「パルジファル」 »

コメント

ウゴルスキは、私も好きなピアニストです。
10年ぐらい前は、グラモフォンあたりからも、CDを出していて
メシアンなんか大ヒットしましたね。
今では、彼のCDはみな廃盤状態です。
どっかからまとめて再発してほしいです。
ハンブルグには、年に二回ぐらいきて演奏してくれます
昨年は、ハンブルグ交響楽団と、ブラ協の一番をやりました
あとSH音楽祭でリサイタルもやりました
今年、四月に、NDRに客演をして、プロコの三番をやる予定でしたが
理由は良く分かりませんが、キャンセルでした。
二年前には、大野+NDRとプロコの二番を弾いています。
そのときは、レオンスカヤの代打だったのですが
彼女の病欠が分かったのが、コンサートの直前で、突然呼ばれたのですが
見事に難曲を弾ききっていました。
弱音の独自のタッチがたまりません。
イッサーリスは、エッシェンバッハNDRとの競演盤もあり兼ねてから注目しているのですが
縁が無く、まだ聴いたことがありません。

投稿: Herb | 2006年5月25日 (木) 00:05

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/10217965

この記事へのトラックバック一覧です: エルマウ城復活祭音楽祭2003:

« エルマウ城室内音楽祭2004 | トップページ | ティーレマン「パルジファル」 »