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2006年5月18日 (木)

ミヒャエル・ギーレン

ギーレンのブラームス交響曲の完結編。
今回は第3番(1993年)と第4番(1989年)。
第3番が繰り返しをして、それで34分台、
第4番だと38分台で演奏してしまうのだから、
時間で見るとかなり早い。
しかし演奏はそれほどには急いでいるという印象はなく、
全体にきびきびとよく動いて、極めて機能的で合理的、
そして何より響きの中にギーレンならではの面白さがあり、
いろいろな発見がある。それは特に第3番。
現在では、アルノンクールやノリントンの演奏があるので、
その聞き方もずいぶん慣れてきているわけだけれど、
ギーレンはずっと昔、とっくに自分のやり方を見つけていたのだから、
やはりすごい指揮者である。好き嫌いは分かれると思うが。
かなり辛口のブラームスであり、余韻に浸るとか、
ロマンティックな音楽に酔いしれるとか、そういうことがない。
シェーンベルクのフィルターのかかったブラームス(ピアノ四重奏曲)、
ウェーベルンのフィルターのかかったバッハの作品、などなどあるが、
ある意味、ギーレンのフィルターのかかったブラームスという印象もある。
第3番の金管が吼える感じ(その鋭さ)など、かなり面白いし、
第4番はもっと落ち着いているけれど、その流麗さは格別。
気分的には、ブラームスならではの重みある音楽に
深い感動を味わう、そういう演奏もあるということはよく知っているので、
どちらをとるかは?そのときの気持ちにもよるのだが、
しかし第4番の終楽章(パッサカリア)など、とにかくすごくて、
やはりギーレンの技に完全に参ってしまった!
少し前の録音でもあるので、最近の感動を呼ぶギーレンとも違い、
このドライな感覚と冷徹なまなざしは、
聞いているこちらもその世界観にあわせないと
音楽が目の前を素通りしてしまって、どんどん流れていってしまうのだが、
聞き込むとこの凝縮の造形、やはりただならぬ凄まじさである。
これを基準としてしまうと、ちょっと後戻りがたいへんそうな、
そんな鋭利な切り口、鮮やかな解釈、これがギーレンの技。
一般には渋くマニアックな位置づけがなされるのだろうが、
このギーレンの魅力、私は広く紹介したいのである。

Hanssler CD 93.136

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