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2006年5月14日 (日)

エルネスト・ブール

ミヒャエル・ギーレン、シルヴァン・カンブルランと
南西ドイツ放送交響楽団に興味があるのだが、
ギーレンの前の時代(1964-1979)に首席指揮者を務めていたのが、
フランス人のエルネスト・ブール(1913-2001)である。
近現代作品に定評があったようだが、最近、急に聞いてみたくなって、
昨年発売されたラヴェルの作品集を買ってきた。
クープランの墓、歌曲集「シェエラザード」、古風なメヌエット、
ツィガーヌ、そして「ダフニスとクロエ」から第1組曲と第2組曲である。
1967年から1977年にかけての録音。
実はエルネスト・ブールのCDはすでに持っていたのである。
同じく南西ドイツ放送交響楽団でウォルフガング・リームの作品集。
でもそれは、ギーレンの演奏するリームを聞きたかったのであり、
もう一人の指揮者ブールのことは、最近までよく知らなかった。

ここでのラヴェルの作品、非常に面白い。
現代音楽に強い人という先入観もあるのだけれど、
辛口の解釈で音楽の余韻など一切存在しない、
一点もおろそかにしないという、超ドライに明確な演奏である。
硬質な響きとリアルな音色は、この1970年代における
南西ドイツ放送交響楽団の特徴なのであろう。
とにかく音がよく鳴っていて、聞こえてきてしまうというのがすごくて、
後半の「ダフニスとクロエ」など感動して、私ははまった。
元々「ダフニスとクロエ」が大好きなので、すぐにひかれるのだけど、
この演奏は、かなりグッと来る。鋭く抉られ、生々しい。
しかしやはり残念なのは、これだけ素晴らしいと
ぜひとも全曲版で聞きたかった。組曲ではとても満足できない!
エルネスト・ブールと南西ドイツ放送交響楽団は、
その任期中に膨大な量の放送録音を残しているとのことである。
まだわからないことも多いし、ぜひともいろいろ聞いてみたい。
かなりマニアックな存在ではあるが、それも魅力ではあるし、
私はこれからエルネスト・ブールを聞こうと思う。

Hanssler CD 93.111

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コメント

こちらでは初めまして。ブールのラヴェル、聴かれたのですね。ジャケットを見て、変に感動的な演奏だったらどうしようかと思って躊躇っていたのですが、私も聴いてみたくなりました。

投稿: M. F. | 2006年5月14日 (日) 22:26

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