セルジュ・チェリビダッケ 12
ちょっと久しぶりになってしまったが、
チェリビダッケ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
ブルックナーの交響曲第8番(1976年11月23日の録音)。
素晴らしい!久しぶりに聞くチェリということもあるけれど、
ブルックナーの第8番はやはり感動的である。
晩年のミュンヘンフィル盤は、あまりに遅くてたいへんだが、
こちらはずっと普通の印象であり、
弦楽器に時折表れてくる繊細な表情
厳しく引き締まった管楽器の音色が独特である。
この研きぬかれた音作りは、シュトゥットガルト時代の特長である
といってよいのではないだろうか。
透明感と洗練された感覚にあふれるという点で
ブルックナーにしては、少々押しが弱いか?とも思うが、
第2楽章など、驚くほどに軽やかで、これがまた魅力だし、
強い集中力と凝縮された音の構築、音楽の勢い、
晩年の録音は、前半がちょっと緊張感に欠けるような気がするし、
そういう意味では、こちらの演奏は圧倒的な輝きがあって、
さすがに1970年代のチェリビダッケである。
しかし後半の楽章に関しては、その巨大さにおいては、
やはり晩年の録音であろう。あの深まりは途轍もないものがある。
こちらはむしろ引き締まった音楽が、最後まで貫かれている。
DG 00289 477 5136
「セルジュ・チェリビダッケ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/
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