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2006年6月 2日 (金)

アンドラーシュ・シフ 2

先日も話題にしたアンドラーシュ・シフのブラームス、
かなり以前のCDでピアノ協奏曲第1番だが、
思い出してみると急に聞きたくなってしまって、
久しぶりに出してきた。懐かしい。
たしかこれがシフの初めて買ったCDだったと思う。
ショルティの指揮によるウィーンフィル。

FMで聞いた海外のライブがすごく気に入ってしまって、
残念ながらこれは録音していたわけではないのだが、
それに比べ、このCDの印象は何か違って、
買ったときにまずそう感じたのだけど、
今改めて聞きなおしてみても、やはり同じことを思う。
シフの弾いているピアノは、ベーゼンドルファーだと思うのだけれど、
シフなのか、ベーゼンドルファーなのか、両方だとも思うが、
ピアノの音色がかなりくすんだ渋い色合いで、
艶やかな響きのウィーンフィルの音色とあわないのである。
ベルリンフィルだったら、ずいぶん違うと思うが、
ウィーンフィルの音が明るくて、透明感があって、
そこは完全にウィーンフィルのブラームスなので、
ちょっとシフのピアノは浮いてしまっている。

最近のシフに関しては、ベートーヴェンだろうとショパンだろうと
かなり広いレパートリーで深みのある世界を創造しているのだが、
どうもこの時期の演奏って、シフというと
当時は広くバッハのイメージがあったわけで、
そういう先入観はすでに関係ないとはいえ、
しかしどこか無理して重みのある迫力を出そうとしているような、
そんな印象も受ける。フォルテが汚いというか、際立ちすぎで、
もともとのシフの独特な繊細なタッチで
思い切ってそれでブラームスを弾ききってもよかったのではないかと。
シフの歌わせ方は美しく、その透明で澄み切った響きは格別なのだから、
そういう持ち味をもっといかしたブラームスにしてもよかったのでは。
重厚さが消えて、多少弱々しい印象もあるかもしれないけれど、
しかしそういうブラームスだって、きっといいに違いない。
この第1番は若々しいブラームスによる、
たいへんロマンティックな一面も音楽の中に存在しているのである。
ひたすら交響的な部分に関しては、ショルティに任せておけばよかった。
しかしそれではちぐはぐな仕上がりになってしまうかもしれない。
そういう意味では、ここでのショルティの指揮はより自然であり、
ショルティらしさがあふれているし、
ウィーンフィルのブラームスという点でも魅力的であると思う。
シフが今演奏したら、きっとまた違った展開があるに違いない。

DECCA 425 110-2

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