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2006年6月 6日 (火)

フリードリヒ・グルダ

グルダが弾くベートーヴェンのピアノソナタ 第32番。
1967年に録音されたベートーヴェンのピアノソナタ全集は、
私にとって最高の演奏であるとずっと思い続けているのだが、
今日聞いているのはそれとは別の新しい録音であり、
1984年2月に収録されたCDである。
この演奏はCDの初期の時代に出回っていたが、
おそらく長らく廃盤になっており、ちょっと珍しいのではないかと思う。

グルダのベートーヴェンは本当に感動的だ。
後年になるほどグルダ節が聞こえる場合があるので、
その辺は好き嫌いが分かれると思うけど、
グルダが弾くモーツァルト、シューベルト、そしてベートーヴェンは、
最も正統的なスタイルを確保しつつ、同時にウィーンの香りが漂い、
自然で爽やかで、情熱的に躍動感に満ち、
音楽に対する深い愛情の込められた演奏である。
この1984年の演奏では、1967年に比べるとより表情豊かであり、
気合を入れるところでは、まさに力がこもって、
ベートーヴェンの音楽の厚み、重みを限界まで表現しようと
この演奏に対するグルダの強い意志が伝わってくる。
複雑に絡み合う主題の処理が見事で、
そこにいきいきとしたリズムが持ち込まれ、
グルダ的に解釈すれば、これはジャズのスイングでもあり、
グルダ節でもあり、少々個性的ではあるが、
私など、これこそグルダ!最高のベートーヴェンなのである。

ベートーヴェンの最後のピアノソナタの後に来る音楽は存在せず、
ならばグルダ自身の即興演奏となってしまうのか、
「冬の瞑想」は、昔聞いたときには、全く意味不明だったわけだけれど、
いまでは普通に聞けてしまったから、私も変わったのであり、
グルダのことを少し理解できたのであり、というのは、
有名な「コンチェルト・フォー・マイセルフ」の第3楽章で
グルダが即興で行うカデンツァの部分に似ていなくもない。

PHILIPS 412 114-2

「フリードリヒ・グルダ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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