« 私が聞いた今年の名盤2006 | トップページ | プロムス2003 »

2006年9月 1日 (金)

ロンドン交響楽団2005/2006

ベルナルト・ハイティンクとロンドン交響楽団による
2005/2006シーズンのベートーヴェン・チクルスから
いよいよ第九の登場である。2006年4月のライブ。
聞き終わってみると最高に感動的な第九だ。
第3楽章以降の後半における充実ぶりは圧倒的である。
前半は打楽器の扱いやリズムの処理、響きのバランスなど
まさに近年の新解釈を取り入れているという
しかし私などは、それがハイティンクらしい音楽なのか
というと、どこかイメージと違ってきている部分もあり、
今回の第九でも、安心よりは新しさを発見してしまうのだけど、
重厚な深みよりも細部に光を当てた今日的なベートーヴェンである。
でも引き締まった音楽の構築は、ますます冴え渡っているし、
ハイティンクのベートーヴェンは昔から定評があるが、
厳格で格調高い演奏は、やはり別格の存在だ。
第2楽章も緊張感が持続して、厳しいまでに徹底された表現、
求心力が強く、気の緩む時間など存在しない。
しかしそれが、第3楽章で一気に開放されるのである。
なんという美しさ。表面的な美意識に彩られるのではなく、
ハイティンクならではの心に響いてくる音作り。
そして終楽章まで行くと、何にも特別なことはやっていない、
しかしその音楽は絶対的な力をもって、すべてはひとつに、
不思議なぐらいに音楽との一体感を与えてくれるのである。
後半へ上り詰めていくほど、なんともいえない感動に包まれて、
ハイティンクのすごいところは、自分の主張よりも
ひたすらベートーヴェンの偉大さを伝えることに
すべてを捧げているような、これこそ巨匠の現在、
いつの間にか、第九の音楽そのものに引き込まれているのである。
素晴らしい演奏だ。これぞ第九の名演!
次回は交響曲第1番と第5番だそうである。期待!

LSO 0092

「ベルナルト・ハイティンク」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

|

« 私が聞いた今年の名盤2006 | トップページ | プロムス2003 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/11722317

この記事へのトラックバック一覧です: ロンドン交響楽団2005/2006:

« 私が聞いた今年の名盤2006 | トップページ | プロムス2003 »