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2006年11月 1日 (水)

ロンドン交響楽団2005/2006

ベルナルト・ハイティンクとロンドン交響楽団による
2005/2006シーズンのベートーヴェン・チクルスから
交響曲第4番と第8番。2006年4月のライブ。
これで全集が完成である。
第4番の序奏の部分から速いテンポであり、
それは全体を通して、見事に貫かれて、
活気あふれ、エネルギッシュな展開、運動性の持続、
巨匠ハイティンクの若々しさには今回も驚かされた。
いや、これまでで最も元気に気合が入っているかもしれない。
その素晴らしさにこちらも熱くなって、喜びをかみしめる。
今回の全集録音では、リズムの扱い方が非常に特長的で、
より際立って強調される音楽の抑揚、
そこに力強い生命力がみなぎっているのだが、
一方で音楽の流れ、流麗な表現も実に見事であり、
それらが極めて自然な形で両立されてしまうところが、
今日のハイティンクのすごさである。
その点において、ここでの第4番、第8番という交響曲は、
そうした魅力があふれ出す、まさにというべき作品であり、
迫力と同時に細やかな表情、細部の美しさ、透明感、
今回のシリーズの中でも最高の名演なのではないか。
ハイティンクというと、昔から端整に丁寧な音楽づくりをすると
しかし一方で内面からあふれ出す音楽の大きさ、深まり、
それもあって、緻密な音をさせている
という印象はあまりもっていないのだが、
しかしここでのベートーヴェンでは、
細部に光を当てる緻密な要素も多く兼ね備えており、
とにかくこういうベートーヴェン像を打ち出せるというのは、
現在のハイティンクぐらいなものである。
長年にわたって積み上げられてきた成果の結晶であると
現代の最も理想的なベートーヴェン演奏を聞かせてもらえたと私は思う。
このシリーズは偉大な記録であり、心から楽しませてもらった。

LSO 0087

「ベルナルト・ハイティンク」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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