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2006年11月23日 (木)

ヴァーツラフ・ノイマン

晩年のノイマンの録音が次々にSACD化されているが、
ノイマンのマーラーとかはぜひ聞きたいと思っていて、
しかし!ここはやはりドヴォルザークの「新世界」から。
交響曲第9番「新世界から」と交響的変奏曲が収録されている。
1995年1月、ノイマンが亡くなった年の録音である。
ノイマンの「新世界」は数多くの録音、ライブがあるが、
これが最後の録音となったもの。
解説によるとノイマン自身もこの演奏にたいへん満足して、
最後の録音とすると宣言していたそうだ。
録音としても非常に成功しているのだと思うけど、
こんなに美しい音による「新世界」はやはり聞けないし、
これまで聞いてきた中でも最高の名演といって
間違いないような気もする。
どう聞いても、すべてにおいて、究極という空気に満たされている。
交響的変奏曲も含めて、チェコフィルのドヴォルザークは、
「自然な響き」というのを通り越して、
実に楽な気持ちで奏でているというか、
気負っているところが全く感じられずに
ノイマンならではの格調高さを維持しつつも
柔らかい表情、細やかな動きがいきいきと表現されている。
全体にゆったりとした遅いテンポで貫かれているが、
ノイマンの「新世界」はいつもこうであろう。
しかし細部の描き方で実に豊かな音色が生み出されていて、
明るく輝きに満ちて、ノイマンの最後の心境が、
肯定的に晴れやかな澄み切ったものであったと
それを感じると何ともいえずに胸がいっぱいになる。
ノイマンらしい爽やかな響き、きちっとした造形による音楽、
そしてここでは、どこか自由を感じる開放的な境地、
それこそが晩年のノイマンの到達点であったのではないかと
この「新世界」では、そういうことを感じさせられた。
その辺のことをこれからマーラーの交響曲で
さらに深く聞き進んでいきたいと思っている。

EXTON OVCL 00229

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コメント

はじめまして。
このノイマンの澄み切った境地の「新世界より」は他の誰の演奏よりも深みがあり、泣かせてくれます。未完に終わってしまった選集のマーラーの第3番を聴いてしまうと他の演奏は聴けなくなります。
TBさせていただきます。宜しくお願いします。

投稿: adagietto♪ | 2007年1月19日 (金) 01:01

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