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2007年1月 9日 (火)

バイロイト音楽祭1979

ピエール・ブーレーズ指揮の「ニーベルングの指環」
いよいよ楽劇「神々の黄昏」である。
他は1980年の収録だが、「神々の黄昏」は1979年だそうだ。
今日も家にこもって施工用の詳細図を描いているので、
一気に全3幕を聞いてしまった。
音を鳴らすという点では、もっとよく鳴っている演奏は、
他にいくらでもあるのだけれど、ここでのブーレーズの
精妙な読み込みで細部まで克明に描き出す
この表現を丁寧に聞かなければならない。
序幕の部分は、例によって快調に流れるけれど、
鮮やかな切れ味が何とも気持ちよくて、
そして第1幕のギービヒ家の場面に入ると
今度は入念に描きこまれていて、
ここでも場面転換の特徴づけには説得力を感じる。
第2幕もまた感動のしっぱなし。
第1場の眠りにつくハーゲンの元にアルベリヒが立つところ、
ここでの繊細な表現には引き込まれた。
ただしそのアルベリヒについては、私にとっては
2004年のハルトムート・ウェルカーが最高なので、そこは譲れない。
第3場以降の婚礼の場面、ここは最も盛り上がるところだが、
速いテンポで強く導いて、こんなにカッコいい演奏は他にありえない。
そして目の前に指環を付けているジークフリートを見て、
落胆と失望の中にあるブリュンヒルデ、
ここでも表現は大きく変貌して、緻密の極み、
ブーレーズは知的に捉えて、冷静な判断なのだが、
しかし結果的に聴衆に与えるその劇的な効果、
それはもう、鳥肌が立つほどの感激である。
そして第3幕だが、第1場から第2場の
透明感あふれる響きが私は大好きで
もちろんブーレーズはその辺の表現は群を抜いているが、
ジークフリートの死、そして葬送へと続く展開は激しくて、
ここは特に圧倒される。凄まじい。
ブーレーズの無駄を排除し、鋭く迫っていく音楽、
どうも私はカール・ベームのリングを思い出してしまう。
響きはかなり違うのだが、方法は別だとしても
究極的に行き着くところは同じような気がして、
それは私の勝手な思いなのだが。
1970年代の後半にブーレーズの演奏があってこそ、
その後のバレンボイム、レヴァイン、シノーポリ、…
そして現在のティーレマンであるが、
その後のバイロイトのリングがあるようにも思われる。
「ニーベルングの指環」という作品の見直しがここでなされた。
これはブーレーズだからこそできたのである。

PHILIPS 475 7960

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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