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2007年2月 5日 (月)

ザルツブルク音楽祭2006

昨年のザルツブルク音楽祭から
マウリツィオ・ポリーニのピアノ・リサイタル。
モーツァルト一色(+現代作品)のザルツブルクだったので、
なんとポリーニもモーツァルトのピアノ・ソナタを弾いている。
ファンの方はみなさんご存知だが、
ポリーニがモーツァルトのソナタなど独奏曲を取り上げるのは、
極めて珍しいこと。モーツァルト・イヤーならでは。
これを聞き逃したら、もう弾かないかもしれない?
そんなことはないのか?ザルツブルクの後、
モーツァルトを中心とした同じプログラムで世界をまわるのかと思ったら、
演奏したのはこの夏の音楽祭のときのみのようである。
すべてを知っているわけではないので、わからないが。
でもとにかく、ポリーニのモーツァルトの独奏曲は貴重な録音なのである。
ポリーニ独特のある意味ゴツゴツしているような
立体的な音楽づくり(音はすごくきれいである)、
そういう点では、これはポリーニだよ!という
でも一方でどうも堅いような印象もあるし、
それはポリーニのモーツァルト(協奏曲など)にはよくありがちで
しかしここではあんまり弾かない曲を弾いていて、
慣れてないな…という部分もなくはない。
ベートーヴェンやシューマン、もちろんショパンなども
ポリーニがいつも取り上げている得意の作品での
音楽との深い一体感、それを思えば、
モーツァルトとはどうも付き合いにくそうである。
でもハ短調の幻想曲、そしてソナタK.457と
短調の作品が続いて、驚くような重厚な響きがして、
深みと奥行きに関しては、円熟の風格という感じである。
そして前半最後のソナタK.576だが、
こちらは速いテンポで突き進むような、
ときに速すぎて、わけわからなくなる寸前のような印象も
危ういところでの綱渡り、ギリギリの緊張感、
でもいきいきと歌いながら弾いていて、
この辺はポリーニのライブならではの醍醐味で楽しんだ。

後半はまさにポリーニ!ウェーベルンとブーレーズ。
でも少し意外だったのは、すごく自然な響きで
肩の力が抜けて、ギスギスした感じがなく、
シュトックハウゼンやノーノと並んで
ブーレーズはポリーニお得意の作品ではあるが、
強い集中力、緊迫感で格闘するという印象がない。
そういう気配をすべて消し去って、
こんなにも自然に響く音楽として、
ブーレーズを聞かせてしまったのには、正直驚いた。
ブーレーズがそうなのだから、ウェーベルンももちろんである。
緊張の中、デジタルのような冷たさになるというのでもない。
逆にちょっとロマンティックな色も混ぜて、美しくというのでもない。
とにかくすごく自然な印象で、ある意味、
ポリーニ自身の存在感を打ち消して、
作品そのものに語らせるという、かつてない余裕が感じられる。
素晴らしい!ブーレーズにはまった!
現在のポリーニが現代曲をこういうに弾くという
この録音は宝である。大切にしていきたいと思った。

CDR261/262

「マウリツィオ・ポリーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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