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2007年2月 2日 (金)

ヴァーツラフ・ノイマン 4

ノイマンが晩年に取り組んだマーラーのシリーズから
今日は交響曲第3番。1994年8,9月の録音である。
この雄大な広がり、豊かな残響ながら、
ノイマンの彫りの深い細部までの徹底したコントロール、
素晴らしい!音に包まれるこの感覚は感動的である。
マーラーの音楽をある程度は淡白な響きで扱い、
自然の喜びと紙一重で共存するどこか枯れているような虚しさ、
この辺の絶妙な移ろいは、ノイマンならではなのではないかと
恐ろしく透明な響きとチェコフィルの精緻のアンサンブルで
この偉大な名演に出会えたことは最高の喜びだ。
録音の素晴らしさでもあるが、本当に輝いている。
ノイマンの音楽は非常に折り目正しく整然としているのだけど、
チェコフィルの表現は実にいきいきと歌っていて、
その辺の相乗効果による色彩ある奥行きは見事である。
厳粛さもある第1楽章が終わり、第2楽章以降は明るくかわいらしく、
あらゆることを悟った巨匠が最高の愛情を注いで表現する
この優しさに包まれた音楽、無邪気なまでの汚れない心、
うっとりと聞きほれてしまった。
第3楽章の有名なポストホルンの音色、
本当に美しく、いつ聞いても素晴らしいのだが、
今回ばかりはあまりの感動で涙が出てしまう。
最終楽章も明るい未来に向かって歩んでいくような
ノイマンの肯定的で晴れ晴れとした心境、
澄み切った響きは極上の安らぎを
いやそして勇気さえも我々に与えてくれる。
この第3番はすごい。格別である。
晩年のノイマンの録音はみなそれぞれに想いがあるのだが、
その中にあってもこの演奏には特別なものを感じる。

EXTON OVCL 00253

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