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2007年3月 5日 (月)

地元意識のいえづくり

今日は新しい相談を受けたので、
朝からお話を聞きに行ってきたのだが、
なんと山口県で30年前の住宅のリフォーム。
相談に行ったのは、車で10分ぐらいのところ。
電話のときは新築ということだったし、
もちろん横浜の地元のそこで建てるのかと
想像をふくらまして行ったので、がっかり。

最近完成した住宅Mも現在進行中の住宅Aも
車で10分、15分の場所である。
というのは地元向けに配布している資料からはじまっており、
「地元意識のいえづくり」ということで
施主、設計、施工と地元意識で一緒にいえづくりをして行こう
という、私がずっと取り組んできた活動なのである。
もちろん今日の話もそれで連絡が来ている。

山口県ということが発覚したので
配布資料は、地元向けに書いているので、
さすがにこの条件では無理だと申し上げた。
神奈川県内か東京までが限界である。
設計料だって、山口の現場に何回か出張しただけで終わってしまう。
要するに経費だけで、あっという間にオーバーになる。
そして私の場合、図面だけ書いて、工事は見ない
というような仕事はしていないので、
監理として、現場には頻繁に行くからといったのだが、
そのじいさん、「わかってるわかってる」の一点張り。
山口だって、九州だって、豪邸とか、公共建築とか
ある程度、必要経費が望めるのなら、
もちろんどこの仕事だって受けるのだが、
住宅のリフォームである。資金もないといっているし。
どうやって、進めたらいいというのだ。無理。

そして山口県の二級建築士が実測して書いた
改築案(図面)もそこにある。
そのじいさん、さんざんその計画を批判した。
「二級じゃダメだ。あんたは一級だから、もっといいのができるはず」
でも見るとおそらく現状の建物に配慮して計画しているし、
「壁とか柱とか、壊せない、切れないですよ」と申し上げると
「あんたそれでも一級か!」という展開になって、
改築というのは、現況の建物の構造を尊重すべきだし、
テレビでやっているような壁をぶっ壊したり、
あんなのはパフォーマンスの域で
常識のある建築士だったら、そんな真似は絶対にしないと
その気に入らなかった改築案を私が褒めたものだから、
じいさん、今度は怒りだした。
だって、幅2730の部屋を3640に増築したら、
梁成も全然変わってくるし、そうしたら屋根の形だって変わるし、
はっきりいって、その予算じゃ、無理だろうと。

遠方なのでこの仕事はやるつもりがない
という私の気持ちに感づいたのか、
とにかくアイデアでも何でも、私から聞きだそうという
そういう魂胆が見え見えで、
でも私もわざわざ出掛けてきて、嫌な人にはなりたくないので、
話に付き合って、いろいろしゃべっていたのだが、
30年以上前の確実に「既存不適格」である建物で
そんな冒険をしようとは思わないし、
予算のことを考えると、実際のところは、
私の方がさらに、目の前の改築案よりも
もっと現状そのままに回帰してしまって、
じいさん、怒りだした。
「リフォームは現況に配慮すべきだ!」と繰り返したのだが、
私がやる気がないと思ったのだろう。
最後は喧嘩みたいになってきたので、
「気に入っていただけないのなら、失礼します」と帰ってきた。
最後は見送りもなし。全く失礼な話である。
いくら年輩の方だといっても、バカにするのも程がある。
今さらいうまでもないけど、人間って、歳を重ねているからといって、
誰も全員が立派だとは限らないのだ。
というか気は短いし、人の話を聞かないし、どうしようもない。
建築は信頼関係なので、そういう人とは絶対に無理。
しかし後味が悪く、不愉快である。

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