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2007年4月16日 (月)

セルジュ・チェリビダッケ 19

チェリビダッケのブルックナーも最後の一枚。
ミュンヘンフィルとのミサ曲第3番である。
1990年3月6,9日のライブ録音。

ブルックナーのミサ曲はそんなにいつも聞いている作品ではないし、
実際に少し久しぶりのような気もするのだけれど、
チェリビダッケの指揮で聞くと別な作品のようで驚かされる。
というのは、例によって恐ろしく遅いテンポ、
普通の演奏よりも20分ほど長くて77分である。
しかしだからといって、緊張感が失われることはないし、
無意味な巨大な響きを追求しているのではなく、
むしろ隅々にまで徹底された究極の美しさ。
あくまでも厳粛に清らかな流れの中にある透明な響き。
こういう空間を創造できてしまうことに
チェリビダッケという指揮者は本当に不思議な存在だ。
これだけの雄大な世界観を提示しながらも
バランスが崩れることはないし、調和が保たれる。
細部はひたすら明確に一点の曇りなく、
膨張している感覚はなくって、中心が存在しているのだ。
それは宗教作品ゆえにのことである。
自分の存在を消し去ろうとしているような。
チェリビダッケの指揮でブルックナーを聞いていると
この独特の音楽展開が、自分のためにあるのではなくて
ただひたすら純粋に音楽があるべき形に表現されること
それだけを願っているような、そういう想いが
音から伝わってくるような気がする。
後半に向かって、静寂に包まれていくところ、
特に感動的である。静けさの中にこそ大切なものが感じられた。

EMI 5 56702 2

「セルジュ・チェリビダッケ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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