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2007年7月21日 (土)

カラヤンの1980年代 5

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
ワーグナーの管弦楽作品集(1984年2月録音)。
これは感動的な名演で、明るい音色は光に満ちて、
しなやかに歌わせ、そしてときに濃密に
カラヤンの芸風は極致に達して、うっとりしてしまう。
「タンホイザー」序曲は1970年代のEMI盤と
この後に再びウィーンフィルとザルツブルクでのライブもあるが、
それらがドレスデン版による序曲であるのに対して、
ここでは序曲からバッカナールにそのまま流れ込み、
何とも艶やかに美しい色彩である。
通常の序曲の方が形としては断然整っているのだが、
バッカナールは第1幕冒頭のヴェーヌスベルクのバレエの場面で
慣れてくるとすごく魅力的で私も好きになってしまった。
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」からは第3幕への前奏曲で
ここで一気に透明度が増し、続きがないので、唐突に終わってしまうが、
その先にあるのが「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死という
選曲というか、演出というか、カラヤンはうまい。
ここでも聞かされてしまう。いい流れである。
しかしそれにしてもベルリンフィルからすごい音を引き出している。
雄大でゆったりとした音楽の中に恐るべき集中力。
響きの精妙さ、緻密なコントロールは、
晩年のカラヤンでも頂点にあるといえよう。
「愛の死」における絶頂の感覚とそれが調和の中で開放されていく姿、
こういうのはかえって巨匠でないと描き出せない世界なのかもしれない。

DG 439 022-2

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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