« ラン・ランのベートーヴェン | トップページ | バイロイト音楽祭2007 »

2007年7月 8日 (日)

ペーター・シュナイダー

ベン・ヘップナーの「ニーベルングの指環」名場面集。
「ワルキューレ」からはジークムントを
「ジークフリート」「神々の黄昏」からジークフリートを歌っている。
ペーター・シュナイダー指揮シュターツカペレ・ドレスデン。
ヘップナーのCDでこの美声は最高なのだけど、
それ以上にペーター・シュナイダーの指揮に夢中である。
シュナイダーはバイロイトでも大ベテランで
近年も2005年の「ローエングリン」、
昨年2006年の「トリスタンとイゾルデ」を指揮したが、
渋い存在ながら、圧倒的に高い評価を得ている。
ここでの「指環」も昨年の「トリスタンとイゾルデ」と同様に
強引に押すところがなくて、むしろ力が抜けて、
しなやかに極めて自然な流れを生み出している。なんと美しい!
基本は明るい響きで、細やかに丁寧に表情が創り出されていく。
作為的な部分はなくて、さすがに「指環」を数こなしている指揮者だ。

「ワルキューレ」からのジークムントの場面は、
第1幕第3場からの切り取りであり、
ジークリンデとのやり取りから
ジークムントの歌だけを無理やり取り出しているような
ちょっとこれは残念だ。ストレスたまる。
全部聞きたい!続けて聞きたい!
音楽が素晴らしいだけに、これでは納得いかないでしょ。
とにかく感動的な演奏であり、もしこれが全曲盤だったら!

「ジークフリート」はずっといい。
第1幕後半のジークフリートの鍛冶の歌。
第2幕から「森のささやき」を中心とする場面。
第3幕からのブリュンヒルデと対面する場面。
こちらはミーメも登場しているので
省略なしに物語の展開どおりに音楽が流れて、
充実している。感動的である。
特に第3幕第3場の透明な響きは最高だ。

「神々の黄昏」は管弦楽が中心で
序幕から第1幕への間奏で「ジークフリートのラインの旅」
第3幕からジークフリートがブリュンヒルデへ告別の歌を歌い、
ジークフリートの死、葬送行進曲で幕を閉じる。

明るいワーグナー、豪快でない「指環」、
どちらかといえば軽やかに流れているようで
こういうワーグナーもあるのだ。
その繊細さ、透明感は極上の仕上がり。
ペーター・シュナイダーはすごい!
シュナイダーがバイロイトで「指環」を指揮していたのは、
1980年代半ばのことである(1984~1986)。
ショルティから受け継いで、その後がバレンボイム。
20年以上も経過しており、実際の評価でも、
当時と現在では、シュナイダーは今の方が格段にいいようで、
といっても、これからのバイロイトで
「指環」を指揮することはもうないだろう。
聞いてみたい。どうしても!って、そういう気持ちになる。
このCDは宝だ。70分で「指環」を聞ける?
まあ、完璧ではないが、うまく編集されている方だとは思う。
しかしワーグナーはやはり全曲盤じゃないと物足りない…

DG 00289 477 6003

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

|

« ラン・ランのベートーヴェン | トップページ | バイロイト音楽祭2007 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/15694252

この記事へのトラックバック一覧です: ペーター・シュナイダー:

« ラン・ランのベートーヴェン | トップページ | バイロイト音楽祭2007 »