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2007年8月17日 (金)

カラヤンの1980年代 9

昨日に続いて、カラヤンのモーツァルト。
交響曲第29番、第39番(1987年2,9月録音)。
こちらはベルリンフィルの演奏である。
このCDは発売と同時に買ったのだが、
当時はレヴァインがウィーンフィルと
圧倒的に新鮮な交響曲全集を進行中で
アルノンクールやブリュッヘンは、これって新解釈?という…
ピリオド奏法はまだ一部の特別な存在だったわけで、
そういう中でもこのカラヤンの演奏は、
何となく古めかしくて、重いモーツァルトだなって感じたのだが、
いま聞くと正直なところ、全く違う感想が出てきて、
天国のカラヤンに申し訳ない…
そんなに重いというイメージはなくなった。
柔らかい表情と細やかな動き、より自由度が増して、
でもそういう言葉が出てくる段階で、
やはりカラヤンはお歳を召していらしたのかもしれない。
現在の演奏との大きな違いは、メヌエットの楽章(第3楽章)が
恐ろしく遅いテンポ設定で、その辺は巨匠スタイル。
しかしベームもそうだったし、バーンスタインもどちらかといえば。
ショルティは違っていたかも。最後まで溌剌としていた。
ギュンター・ヴァントもきちっとして、引き締まっていた。
ここでのカラヤンは、優しさとモーツァルトへの愛情がにじみ出て、
ゆったりとした大きさと丸みを帯びた音楽。
でも第39番などもすごくバランスのとれた全体設計で
晩年のカラヤンによる幸福に満ちたモーツァルト。
ベルリンフィルにしては、ちょっと緩い響きのような気もするのだが、
カラヤンを中心に心をひとつにして、音楽の喜びにあふれている。
これよりもちょうど10年ぐらい前の1970年代後半にも
カラヤンはベルリンフィルとモーツァルトの後期交響曲を録音し、
そちらはずっとカラヤン的な演奏で、比べたら
ずいぶん違うんじゃないかと思うのだが、
こちらは晩年のカラヤンで、実に味わい深い演奏である。
久しぶりに聞いてみて、すごく感激した。

DG F32G 20209

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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