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2007年9月 9日 (日)

内田光子のベートーヴェン

内田光子が弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタで
第28番と第29番「ハンマークラヴィーア」。
これは素晴らしい演奏。さすがにこだわり。
徹底して完璧を追及していくような妥協を知らない姿勢、
わかっていたのだが、やっぱりこう来るか!
第28番は丁寧に響きを吟味して弾き進み、
ある意味、音楽の流れを拒絶しているような、
しかしそのコントロールといったら、すごい精度。
「ハンマークラヴィーア」はさらに感動的で
基本的には細い線で、透明な響き、シャープな運動だが、
音楽の構造をより明瞭にすることで奥行きが広がり、
雄大なスケールの音楽が聞こえてくるのだから不思議である。
音に重さはないが、強弱を自在に操り、
少しの感情的揺らぎ(大胆さ)がそこに加わることで
実に豊かな世界が創造されて、圧倒的だ。
第3楽章の深まりは、予想通りに
抑制されたモノトーンにおける緻密さの極みであり、
終楽章の鮮やかな造形も奇跡の領域に達している。
ベートーヴェン後期のピアノ・ソナタはこれでそろい、
これから内田光子はどこに向かっていくのだろう?
さらにベートーヴェンのソナタを広げていくのか?
それとも新たな作曲家との出会いが用意されているのか?

PHILIPS 475 8662

「内田光子」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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