« バイロイト音楽祭2002 | トップページ | バイロイト音楽祭2002 »

2007年12月 2日 (日)

バイロイト音楽祭2002

今日もバイロイト音楽祭2002から
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第2幕。
ワーグナーの英雄の扱いについて、
ヴァルターを例にして考えてみると
第1幕においてマイスターの試験で失格となり、
すると第2幕第5場で、エヴァに
「歌合戦(第3幕)で優勝するように」と励まされるのだが、
(歌合戦の優勝者がエヴァと結婚することになっている)
ヴァルターは「マイスターに対して幻滅した」と
駆け落ちしようとエヴァを誘うのである。
ヴァルターは挫折に弱いのか?
でもジークフリートについてもそうだし(弱点があった)、
パルジファル(目覚めるまではただの愚か者)、
トリスタン、ローエングリン、タンホイザー、…
みんな共通して欠点があるところ、同じなのである。
完璧な英雄など存在しないということか?
ある意味、極めて人間的でもあり、
英雄的振舞いの逆として、その弱さが強調される。

「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は
ヴァルターとエヴァの恋愛で物語が進行していくが、
ダヴィットがヴァルターを手助けし、
さらにはその背後にハンス・ザックスの大きな存在がある。
一般的なオペラの発想からすると、
テノールが歌うヴァルターが主役のように思われるのだが、
ハンス・ザックスが真実の主役であると
よくそういわれるのはその辺の理由から。
恋敵のベックメッサーの存在、その滑稽さがこの作品の面白さであり、
ベックメッサーはことあるごとにヴァルターの邪魔をして、
それに対して、ヴァルター自身が克服するというよりも
すべて背後でザックスが手を貸すのであり、
「友情」とも違うけれど、ザックスの器の大きさ、偉大さである。

第1幕ではベックメッサーがヴァルターの歌の記録係となって、
黒板にチョークで減点を殴り書きする音で歌の邪魔をするが、
第2幕第6場では、ベックメッサーがセレナードを歌って、
エヴァに呼びかけようとするところで
今度はザックスが金槌で靴型を叩いて、歌の邪魔をする。
つまりザックスがヴァルターの仇を討つ。
この場面だが、2007年のカタリーナ・ワーグナーの新演出では、
ザックスがタイプライターをカチャカチャ打ち鳴らして、
ベックメッサーの邪魔をしたそうである。
どんな仕上がりになっているのか楽しみだ。

CDR331/332/333/334

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

|

« バイロイト音楽祭2002 | トップページ | バイロイト音楽祭2002 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/17256725

この記事へのトラックバック一覧です: バイロイト音楽祭2002:

« バイロイト音楽祭2002 | トップページ | バイロイト音楽祭2002 »