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2007年12月31日 (月)

私が聞いた今年の名盤2007

みなさま、今年もお世話になりました。
「私が聞いた今年の名盤2007」決定!
そしてさらに!
を選んでみました。
2008年もよろしくお願いします。


《金賞》
マーラー 交響曲第3番
 ~ベルナルト・ハイティンク指揮シカゴ交響楽団


《銀賞》
ベートーヴェン 「エグモント」序曲、ブラームス 交響曲第1番
 ~クリスティアン・ティーレマン指揮ミュンヘンフィル


《銅賞》
ブラームス 交響曲第4番、シェーンベルク 管弦楽のための変奏曲
 ~ケント・ナガノ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団


《交響曲》

◎ブラームス 交響曲第1番~ティーレマン指揮ミュンヘンフィル
◎ブラームス 交響曲第4番~ケント・ナガノ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団

○マーラー 交響曲第2番「復活」~ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
○マーラー 交響曲第4番~マーツァル指揮チェコフィル
○マーラー 交響曲第6番~エッシェンバッハ指揮フィラデルフィア管弦楽団
○マーラー 交響曲第8番~ブーレーズ指揮シュターツカペレ・ベルリン

《管弦楽》

◎ニューイヤーコンサート2007~メータ指揮ウィーンフィル
◎ムソルグスキー 「展覧会の絵」~マーツァル指揮チェコフィル
◎R.シュトラウス 英雄の生涯~ルイージ指揮シュターツカペレ・ドレスデン


《協奏曲》
○ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 ~エレーヌ・グリモー ユロフスキ指揮シュターツカペレ・ドレスデン

《室内楽》

◎マーラー ピアノ四重奏曲~クリストフ・エッシェンバッハ

《器楽曲》

◎ベートーヴェン ディアベッリの主題による変奏曲
 ~アルフレッド・ブレンデル(2001年5月30日ライブ)
◎シューベルト ピアノ・ソナタ D.958~レイフ・オヴェ・アンスネス
◎チャイコフスキー 「四季(7月~12月)」~クリストフ・エッシェンバッハ

○ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 1-3 ~マウリツィオ・ポリーニ
○ベートーヴェン ピアノ・ソナタ「ハンマークラヴィーア」~内田光子

《歌劇》

◎ワーグナー 「ニーベルングの指環」名場面集
 ~ペーター・シュナイダー指揮シュターツカペレ・ドレスデン


《声楽曲》
○ブラームス ドイツ・レクイエム~ラトル指揮ベルリンフィル

《ライブ盤》

◎マーラー 交響曲第3番~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団
◎ショスタコーヴィチ 交響曲第4番~ビシュコフ指揮ケルンWDR交響楽団


は特に大切に感じられる名盤です)

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カラヤンの1970年代 5

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
ブルックナーの交響曲全集から今日は第9番。
1975年9月13-16日の録音。
そして今回組み合わせるのはバッハである。
ブランデンブルク協奏曲第6番BWV 1051
こちらは1978年7月1-3日の録音。
バッハとブルックナーの相性はいいと思うのだが、
特に交響曲第9番にはめったな曲はもって来れないので
よく考えて、そして選び出したのがブランデンブルク協奏曲である。
ブルックナーというと内面的な深まりに感動するわけだが、
カラヤンの場合には少し違っている。
極めて表面的な部分での美しさへのこだわり。
でもこちらもまた、なぜか心に響いてくる。
そこはさすがにカラヤンの技であり、私はファンなのだ。
第1楽章も第3楽章もちょっと華美に歌わせすぎなのだけど、
でもいいではないか!カラヤンなのだから。
一年を締めくくるのには最高のブルックナーである。
正確には私は今年もバイロイト音楽祭の放送で年を越す。
アダム・フィッシャー指揮の「パルジファル」。

iTunes+DG WEB SHOP CDR354

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2007年12月30日 (日)

バイロイト音楽祭2007

バイロイト音楽祭2007から昨晩放送されたのは、
7月25日の楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
カタリーナ・ワーグナーによる新演出上演の録音である。
こちらも詳しくは来年になって、じっくり聞きなおすことにして、
その感動が冷めぬうちに少しだけ第一印象で感じたことを。

クラウス・フロリアン・フォークトのヴァルターは
たいへんな美声でもう最高!
歌を聞かせるシーンが多いがうっとりである。
でもダヴィットとかぶるのでその辺はどうなのだろう?
ということでノルベルト・エルンストのダヴィットもお気に入り。
フランツ・ハヴラタのハンス・ザックス、
ミヒャエル・フォレのベックメッサーもよかった。
この数年はローベルト・ホルの歌で
ザックスのイメージができあがってしまっている部分もあり、
しかし今回のハヴラタは新鮮な感動を与えてくれそう。
アマンダ・メースのエヴァがちょっと金切り声を張り上げて
お転婆娘の印象である。でもしっかり主張する女性という
もしかしたら演出上の全体の方向性にのっているのかもしれない。

セバスティアン・ヴァイグレの指揮を聞くのはほとんどはじめてで
しかし音がすごくきれいだし、私は好感をもった。
若々しく、しなやかな運びは、この作品にもふさわしい。
フォークトのヴァルターをはじめ、全体に軽やかな展開を目指しているようで
そうした中で音楽がこうなるのは自然な流れである。
さっぱりした歌い方で表情付けを意識的に避けているような
同じオーケストラでもティーレマンとは逆の印象。
第3幕第5場で歌合戦の場面になると
急に派手になりだす傾向があって、ちょっとそこは気になった。
最後まで一貫して、透明な響きで統一した方がよかったのでは…

20071230

バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
第2幕第6場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

第1幕のヴァルターの歌の試験で
ベックメッサーが減点を黒板に殴り書きして歌の邪魔をする音。
第2幕でのベックメッサーの歌を邪魔するザックスが靴の底を叩く音。
(今回の演出では、ザックスがタイプライターをカチャカチャ打っている。)
第3幕でのザックスが本を閉じて大きな音をさせる場面。
これらの効果音はすべて省略されている。
カタリーナの読み替えは興味あるところ。
第2幕第6場でザックスのタイプライターは邪魔になっていなかったが、
ここはベックメッサーの歌が減点されるたびに
上からスニーカーが落ちてくるという演出だったらしい。
その場面が上の写真なのだが、よくわからない。
スニーカーらしきものが散乱している。

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2007年12月29日 (土)

ウィルヘルム・ケンプ 4

ウィルヘルム・ケンプのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ全集(1964-1965年録音)より
今日は第11番から第14番の4曲。
作品27の2曲で第13番と第14番が特に素晴らしい。
ケンプは肩の力を抜いて、自然な流れで弾いている。
第13番は思った以上に流麗で、その躍動感も見事だし、
「月光」もまた美しく、何よりも親しみが感じられる。
もちろん第11番と第12番「葬送」も魅力的で
丸みのある音色は存在感のある響き。
現代のシャープさはないが、でもケンプが弾くと
音楽の中身がしっかりと伝わってくる気がして、
さすがにひとつの時代を築いた名演である。

iTunes CDR353

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バイロイト音楽祭2007

バイロイト音楽祭2007から
「ニーベルングの指環」の放送が昨日までで終わった。
詳しくは来年になって、じっくり聞きなおしたいと思っているので、
今は少しだけ第一印象で感じたことを。
「ワルキューレ」の第3幕あたりから
ティーレマンはすごく音を鳴らして、
それは続く「ジークフリート」「神々の黄昏」へと
信じられないほどに充実した音楽の厚み、密度、
ここまでの凄みって、聞いたことがあっただろうか?
何で?ティーレマンという人は、こんなに特別なのだろう?
話を聞くとワーグナーを指揮するために生まれてきたような人である。
オーケストラが前に出るところでは、とにかく恐ろしい迫力で圧倒し、
歌手が出るべきところでは、一歩下がって、輝きは失わず、
その絶妙な運び、これだけの高度な水準だと、
操作してそうなっているような感覚ではないのだが、
何か全体が不思議なぐらいに強い力によって、まとめ上げられている。
昨年の録音では、どちらかというと細部よりは物語の流れで
主導動機の扱いはそれほど明瞭な印象はなかったのだが、
どうも聞いていると今年は格段に精度を上げて、
重厚さに加えて、研き抜かれた精巧な表現にも驚かされた。
ティーレマンは響きの作り方がうまい。
この点でも今年は群を抜いて素晴らしく、
これまでのあらゆるワーグナー演奏においても
ティーレマンのような演奏って、出会ったことがない。
ちょっと褒めすぎのような…でも2年目にしてこれで、
これから先、どうなっていくのだろう?
歌手ではリンダ・ワトソンのブリュンヒルデがやはり最も印象に残った。
今年登場のアルベルト・ドーメンのウォータンは、
これからじっくり聞きなおしてみるのを楽しみにしている。
スティーヴン・グールドのジークフリートは歌としてはうっとりなのだが、
どうも私には、話の流れにおいて、一本調子のような気がして、
それだけが気になるのだけど…そんなことをいっているのは私だけ?
噂には聞いていたが、エントリク・ウォトリヒのジークムントはちょっと悲惨。
聞いていて、かわいそうなぐらいである。
8月後半の公演では、その後復活したそうだが、
元気に歌えたのだろうか?

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2007年12月28日 (金)

カラヤンの1980年代 14

カラヤンがベルリンフィルを指揮して1980年代に録音した
たくさんある管弦楽のポピュラー名曲の中から
先日の「クリスマス・プログラム」に続いて、
今日は「ジルヴェスター・コンサート」のイメージで選曲してみた。
ベルリンフィルの年越しは、大晦日と同じプログラムで
29日から3日間、毎年楽しいコンサートが開かれる。
カラヤンの録音からここで私が選んだのは、
チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」
プロコフィエフの交響曲第1番「古典交響曲」
スメタナの「わが祖国」より「モルダウ」
リストのハンガリー狂詩曲第5番と交響詩「前奏曲」。
前半がロシアで後半は東欧という感じなのだが。
チャイコフスキーが1982年9月、プロコフィエフが1981年1月。
そしてスメタナとリストは1983年12月28-31日の録音で
1983年のジルヴェスター・コンサートと平行して収録されたと思われる。
今さらいうまでもなく、こういう作品でのカラヤンは圧倒的に巧いのだが、
でも楽しいだけでなく、ここでは同時に非常にシンフォニックな仕上がりで
チャイコフスキーもリストも迫力のサウンドには圧倒される。
「モルダウ」は美しい。1985年のウィーンフィルとの演奏はもっていたが、
こうして聞いてみるとベルリンフィルも負けていない!
むしろわずか1年半という短い間にベルリンとウィーンで
「モルダウ」を2回も録音してしまったという事実の方が驚きである。
プロコフィエフの「古典交響曲」は、1988年のジルヴェスターで
たしか取り上げられていたような気がするのだが、
キーシンが登場して、チャイコフスキーを弾いたときである。

iTunes CDR352

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2007年12月27日 (木)

ウィルヘルム・ケンプ 3

ウィルヘルム・ケンプのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ全集(1964-1965年録音)より
今日は作品7のソナタ第4番にはじめて
第9番、第10番の作品14の2曲
そして作品28のソナタ第15番「田園」。
意識的に集めたわけではないのだが、
穏やかな表情で明るく歌う作品ばかりである。
こういう曲でのケンプはまた特に魅力的。
順番に聞いてきて、すっかり慣れてきたこともあるけれど、
ケンプのベートーヴェンは本当に味わい深く最高だ。
第4番のソナタが昔から大好きで
それはミケランジェリの演奏を聞いてからなのだが、
ケンプは思った以上に気合を入れて弾いている。
基本的には温厚路線の人間味ある音色だが、
第2楽章の深い響きにも感動したし、
終楽章では、スケール雄大な力強い音楽に驚かされた。
ケンプのベートーヴェンは全体を通して
共通するしっかりとしたスタイルが確立されているが、
やはり作品によって様々な表情を見せるベートーヴェンであり、
有名ソナタだけでなく、こうして順番にいろいろと聞いてくると
様々な角度からより豊かにケンプを知ることができて面白い。
第15番「田園」も私にとってはお気に入り。

iTunes CDR351

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2007年12月26日 (水)

バイロイト音楽祭2007

昨日からはじまったバイロイト音楽祭2007の放送で
楽劇「ラインの黄金」の後に行われた講評、
舩木篤也さんと高辻知義さん(ドイツ文学者)の対談。
バイロイト音楽祭の昔と現在ということで、
1960年代の話、1980年代からそして現在へと
非常に興味深い話だった。
後半は今年の演目について。
話題の中心はカタリーナ・ワーグナーだが、
新演出「マイスタージンガー」の舞台については、
あまり細かく解説されることはなく、
何かヒントが見つかるのではないかと
期待していたので、ちょっと残念。
ひとつ興味深かったのは、カタリーナの解釈は、
ワーグナーのスコアにぴったりと沿った演出を試みていて、
第1幕と第2幕は非常に革新的な作曲を施している。
それに対して第3幕は、音楽はむしろ古くなっている。
第2幕後半の乱闘の場面ですべてはひっくり返る。
前半は革新的であったザックスが、
乱闘騒ぎを引き起こした反省から
こんなことではいけないと第3幕では
伝統を重んじる保守的な人間へと変わる。
それが第3幕の最後でザックスによる民衆へのメッセージ、
マイスターを敬おう!敬わなくては、ドイツ芸術は廃れてしまうのだ。
これはワーグナーにとっての「芸術のユートピア」だそうだが、
そこにつながっていくというのは、説得力を感じる。
面白かったので、忘れないうちに残しておこうと思った。

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2007年12月25日 (火)

ニコラウス・アルノンクール 3

アルノンクールと一緒にベートーヴェンを楽しもう!という企画。
だいたい作曲年代順に聞いていこうと思っているが、
今日は序曲「コリオラン」作品62からはじめて、
ロマンス第1番作品40、第2番作品50
ヴァイオリンはギドン・クレーメル。
そして交響曲第3番作品55「英雄」である。
演奏はヨーロッパ室内管弦楽団。
素晴らしい!感動的なベートーヴェンだ。
細かいところにまで丁寧に音を響かせる「コリオラン」。
ロマンスのクレーメルは、独特の辛口な仕上がりだけど、
歯切れよく美しい音で歌って、それは心地のよい演奏。
ヴァイオリン協奏曲は後ほど聞く予定だけど、期待は高まる。
そして「英雄」。第1楽章の快速なテンポ運びは、
ちょうど1990年代後半のアバドやラトルの原型を聞いているようで
でもこの時期、ノリントンやガーディナー、ブリュッヘンも
同様の挑戦に取り組んでいたわけである。
終楽章の変奏曲では、思った以上にユニークな表情を
いろいろと披露してくれて、すごく面白い。
アルノンクールの徹底して創りこんでいくこのスタイル、
こうした表現で「英雄」のような大作を聞いていると
それはそれは聞き応え十分だ。
この先もあるのでまだ早いのだけれど、「英雄」は最高!

iTunes CDR350

「ニコラウス・アルノンクール」に関する記述はホームページにもございます
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2007年12月24日 (月)

カラヤンの1970年代 4

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
ブルックナーの交響曲全集から今日は第4番。
1975年4月21日の録音。たった1日で収録というのも
カラヤンでは珍しいのではないだろうか?
そして今回組み合わせるのは、ブルックナーへの序曲として
モーツァルトの交響曲第32番K.318。
こちらは1977年10月18日の録音である。
モーツァルトがすごくいい。
最初のはじまりは、えっ!というぐらい重厚なのだけど。
でも進むにつれて、カラヤン流のくっきりとしたモーツァルトで
これはこれで、たいへんに魅力的に思えてくる。
そしてブルックナーの交響曲第4番。これがまた感動的!
凄まじく心に響いてくる、強く訴えかけてくる演奏である。
でもカラヤンはカッコつけすぎ!華麗な振る舞いはキザ!
しかし毎回書いているが、これがカラヤン・スタイル。
不思議なぐらいに戸惑いのない、まっしぐらなブルックナーで
この集中力には一気に聞かされてしまう。
抵抗ある人も多いと思うけど、でも自分の意志を強く貫き、
これはさすがにカラヤンなわけで、他では無理。
ここまで完璧だと、もう何もいえない。

iTunes+DG WEB SHOP CDR349

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
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ズデニェク・マーツァル

ズデニェク・マーツァル指揮チェコフィルによる
マーラーの交響曲第7番(2007年5月録音)
いつもながら恐るべき高音質で夢中になって聞いている。
クリアな響きはもちろんのこと、
何かさらに今回は音楽の勢いというか、よく鳴っているし、
外に向かって発散されるエネルギーも魅力である。
そうした力のこもった活気に対して、
夜の部分での内向的な表現、その対比の鮮やかさ、
マーツァルのマーラーは毎回最高のレベルを維持しているので、
今回の第7番が特出しているということではないけれど、
本当に強くひきつけられるものがあり、感動的!
ひとつ非常に特長的だったのが終楽章で
いきなりハ長調になって、お祭り騒ぎがはじまり、
マーラー特有の折衷主義的な傾向、
そういう部分をクローズアップさせる演奏が多い中で
(かなりバカっぽく聞こえる場合もある)
マーツァルは少し抑え目にきちっと引き締めて、
超楽天的騒がしさの対極として、これは巧い!
夜の音楽におけるカウベルなどの効果音的扱いも
くっきりと響いてきて、この複雑な音楽を知る上で
これまで霧に包まれていたものが
気持ちよく晴れ渡ってくるのも素晴らしい。
でも第4楽章でマンドリンとギターがやたらと聞こえてくる点、
実演ではオーケストラの音に飲み込まれて、
すごく聞きにくい思いをするのだけれど、
ちょっと今回は特にはっきり、あまりにも明解に収録されていて、
それをレコードならではのありがたさとして肯定すべきか、
それとも完成されすぎているレコード的な仕上がりに
少し矛盾を感じてしまうのか、その辺は難しいところ。
ここまで際だたせなくてもいいような。
でもチェコフィルはいい音である。
金管もきれいだし、弦も美しく、極上のマーラー!
こういう録音を聞かせてくれるEXTONにも感謝します。
続いて交響曲第9番の発売も予定されている。
期待は膨らみ、一刻も早く聞きたい!

EXTON OVCL-00298

「ズデニェク・マーツァル」に関する記述はホームページにもございます
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2007年12月23日 (日)

先輩の新築住宅内覧会

今日は先輩の建築家の新築住宅内覧会。
代々木上原に行ってきた。
いつも仲良くしてくださっている別の先輩と一緒に。

20071223a

その後は、代々木上原って、何かなかったっけ?
ということで日が暮れるまで散歩して、
槇文彦設計による東京キリストの教会。
でも結構遠くて、ずいぶん歩いてしまった。
すでに暗くなりかけて…日は沈んでいるのかも。
向かいには長谷川逸子の設計によるビルもある。

20071223b

その後さらに足をのばして、渋谷へ。
忘年会。楽しかった。

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2007年12月22日 (土)

クラウディオ・アバド 4

クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団による
マーラーの交響曲第6番(1979年2月3,6日録音)。
今回もマーラーに行く前にベルクの作品から
管弦楽のための3つの小品(1970年12月録音)。
ベルクはロンドン交響楽団の演奏である。
3つの小品が、正直驚いてしまった感動的な名演。
恐るべきリアルな響きが激しく迫ってきて、
鋭く傷つけられるような衝撃、この生々しさ、
まだ若かったアバドが壮絶な演奏をしていた。
そして交響曲第6番。こちらも素晴らしい。
2004年にアバドはベルリンフィルと再録音しているが、
引き締まった響きで理想のマーラー像を徹底して追求していく
あの完成された演奏は、ひとつの究極の姿を示していたと思うのだが、
こちらのマーラーはもっと自然に、感情にストレートで、
全体に歌に満ちて、喜んだり、悲しんだり、寂しかったり、実に清々しい。
シカゴ交響楽団もアバドだとショルティのときとはずいぶん違う。
明るい音色で自在に歌い、ショルティのような乾いた感じではなく、
やはりアバドの存在って、結構大きいのだろう。
2004年のベルリンフィル盤が今となっては圧倒的なのだが、
でも1979年のこちらも聞いてみると
決して負けていなくて、魅力はいっぱいなのである。
アバドは若いころの方が、音もよく発散して、
より開放的な音楽作りを行っていた。
1990年代の後半以降のことか、現在ではより室内楽的な緻密さで
強い集中力と緊張感によって、引き締まった音楽を聞かせている。

iTunes+DG WEB SHOP CDR347/348

「クラウディオ・アバド」に関する記述はホームページにもございます
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2007年12月21日 (金)

カラヤンの1980年代 13

カラヤンがベルリンフィルを指揮して
管弦楽のポピュラー名曲をたくさん録音したのは有名だが、
1980年代のデジタル録音でも様々な演奏が残されている。
みんなどこかで聞いているのだけど、
これまで持っていなかったのでiTunesから仕入れてきた。
いろんな作品があるので、ちょっと自分で選曲をアレンジして、
クリスマスのイメージでまとめてみた。楽しい!
フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
マスネの歌劇「タイス」の瞑想曲(ムターの独奏)
オッフェンバックの歌劇「ホフマン物語」より舟歌
オッフェンバックの喜歌劇「天国と地獄」序曲
ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲
ウェーバーの「舞踏への勧誘」(ベルリオーズ編曲)
チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」組曲
ほとんどが1980年の演奏だが、
「タイス」の瞑想曲はムターが登場で1981年1月、
「くるみ割り人形」組曲が1982年9月、
「舞踏への勧誘」が1983年12月の録音。
「くるみ割り人形」は、カラヤンの75歳を記念して制作されたという
有名な演奏で、本当に魅力的な時間を演出している。
こういう作品での聞かせ上手はさすがにカラヤン!
楽しくって、何度でも聞いてしまう。たまにはいいでしょう!

iTunes+DG WEB SHOP CDR346

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
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2007年12月20日 (木)

ウィルヘルム・ケンプ 2

ウィルヘルム・ケンプのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ全集(1964-1965年録音)より
今日は第5番から第7番の作品10の3曲と
作品13のソナタで第8番「悲愴」。
ケンプのベートーヴェンは素晴らしい!
昨日まで聞いていたカイルベルトの「指環」が
録音(1955年)は古いけど、今でも通用すると書いたが、
こちらのケンプの演奏は、本当に古い。完全に昔のスタイル。
でもそこがいいのであって!魅力なわけで
たまらなく親しみを感じ、味わって聞きたくなる。
しかしその中でも、「悲愴」はさすがに見事!
ケンプの「悲愴」といえば定番の中の定番である。
世界中でどれだけ多くの人々に聞かれてきたことか!
ケンプのベートーヴェンで、ときどきハッとすることがあるのだが、
ポリーニの演奏とすごく共通するところを発見するのである。
ケンプとポリーニは、表面的には全然似ていない。
しかし細かいところで同じ弾き方をしていることがあって、
ポリーニって、実はケンプのベートーヴェンを聞いているんじゃない?
とか思ってしまったり、でも二人の接点って、あまり聞かないし。
ベートーヴェンの楽譜から、このふたりだけが、
独特の共通する奏法を導き出しているということか?
以前に後期のソナタを聞いて感じていたことを
今日は「悲愴」でまた同じハッとする瞬間を味わってしまった。

iTunes CDR345

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2007年12月19日 (水)

バイロイト音楽祭1955

バイロイト音楽祭1955から楽劇「神々の黄昏」。
ヨゼフ・カイルベルトの指揮によるライブ録音である。
ひたすら感動的だ。重厚な中に力強さをあわせもち、
音楽の美しさ、「神々の黄昏」における独特の透明感、
すべてにおいて、恐るべき集中力で聞かされてしまう。
序幕から間奏曲の「ジークフリートのラインへの旅」を経て、
第1幕はちょっと気を抜いてしまう演奏もあるのだが、
カイルベルトだと全く隙がなく、何て素晴らしい緊張感!
一切の迷いはなく、完成された表現は自信に満ち溢れている。
カイルベルトは1952年にバイロイトに初登場して、
1956年までリングを毎年指揮し(1953年と1956年は1公演のみ)、
1955年は4年目ということになるのだが、充実の極みである。
すべての場面で素晴らしいので、特別書くことはしないが、
歌手の存在感も凄いし(ステレオ録音である!)、
とにかく感動。偉大な記録。これは大切にしたい。
1950年代のカイルベルト、クレメンス・クラウス、
そしてクナッパーツブッシュによるリングは、
結構いろいろな録音が出回っているように思うのだが、
今度は1960年代前半のルドルフ・ケンペの演奏が聞いてみたい!
著作権やその他いろいろな理由もあるのだろうけれど、
これから何年かで出てきそうな気がする。期待!

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
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2007年12月18日 (火)

バイロイト音楽祭1955

バイロイト音楽祭1955から楽劇「ラインの黄金」。
昨年も年末はカイルベルトのリングを聞いていたのだが、
去年は「ワルキューレ」と「ジークフリート」で
今年は残りの「ラインの黄金」と「神々の黄昏」である。
ちょうど来週の今日は、バイロイト音楽祭2007の
「ラインの黄金」が放送されるので、気持ちは高まってくる。
1955年のカイルベルトのリングはステレオ録音で残されていた
ということは鑑賞する上でたいへんに重要なことなのだが、
でも翌年1956年のクナッパーツブッシュのリングだと
すごく古くてまさに歴史上の記録のような、そんな印象であり、
カイルベルトだと古い感じはなくて、今でも十分に通用するのである。
それは録音のリアリティもあるけれど、表現の点でもそうなのであり、
カイルベルトの職人芸的ともいえる、ワーグナーの音楽を丁寧に扱って、
ここでの美しさは、音楽そのものが輝いているのであって、
誠実な気持ちにより、作品に語らせるということに尽きるのである。
そこが素晴らしく、これこそが本質であり、本格的であり、
渋い中にも深い感動がゆっくりと立ち上ってくる。
決してクナッパーツブッシュを批判するということではないのだけれど、
ワグネリアンというとクナッパーツブッシュは神様のような扱いで
でもどうも私はカイルベルトの方が好みで
戦後バイロイトはやはりカイルベルトにはじまっている。

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2007年12月17日 (月)

エリアフ・インバル 19

エリアフ・インバル指揮ウィーン交響楽団による
ショスタコーヴィチの交響曲第14番「死者の歌」。
インバルのショスタコーヴィチもこれで最後となった。
というのは、交響曲第15番が第1番とのカップリングで
このシリーズの最初に聞いたのである。
今年一年で全15曲の交響曲を聞いてきた。
交響曲第14番もまた、その最後にはふさわしい作品。
引き締まった演奏である。この緊張感!
録音も素晴らしくて、打楽器の扱いがクリアに表現される。
インバルのショスタコーヴィチは、これまで聞いてきて、
そのうちの何曲かは楽観的な音がして、
すると中途半端な印象もあったのだけれど
インバルならではの集中力が発揮されているときには
圧倒的な完成度でかなりの名演だと絶賛したい仕上がりであった。
今回の第14番もそういう中のひとつでじっくり聞かせてもらった。
室内楽的な響きが追求されるので、鋭く、厳しく、
複雑な表現が鮮やかに聞こえるほど快感!
感動的な音楽が豊かに伝わってくるのである。

DENON COCO-70766

「エリアフ・インバル」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2007年12月16日 (日)

ニコラウス・アルノンクール 2

アルノンクールと一緒にベートーヴェンを楽しもう!という企画、
今日はバレエ「プロメテウスの創造物」全曲である。
演奏はヨーロッパ室内管弦楽団。
1993年11月、ウィーン楽友協会での録音。
楽しい!というか、元気が出る音楽。
ベートーヴェンの作品にそういう力が備わっているのであり、
アルノンクールもまた思いっきり表情豊かに魅力的だ。
序曲の冒頭から力強い表現も圧倒的ですぐに引き込まれる。
「プロメテウスの創造物」序曲はアンコールにもよく演奏されるけど、
この序曲は私も大好きで、本当に素晴らしい作品だ!
「プロメテウスの創造物」を聞いて、次はいよいよ「英雄」。

iTunes CDR344

「ニコラウス・アルノンクール」に関する記述はホームページにもございます
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2007年12月15日 (土)

クラウディオ・アバド 3

クラウディオ・アバド指揮ウィーンフィルによる
マーラーの交響曲第4番(1977年5月20-25日録音)。
少し余白ができるので、マーラーの前に
ベルクのアルテンベルク歌曲集を収録した。
こちらはロンドン交響楽団(1970年12月録音)。
本当はウィーンフィルで統一したかったのだが、
1970年代にはなかなかいい選曲が見つからなくて、
やはりマーラーには新ウィーン楽派の作品がふさわしく、
DG WEB SHOPからベルクの作品集をもってきた。
実際聞いてみるとよい仕上がりなのである。
他にも「ルル」組曲と3つの管弦楽曲が収録されていて、
行き先は何となく決まっているが、聞くのが楽しみ!
1970年代のアバドだが、ベルクもマーラーもすごくいい。
特にマーラーはしなやかな音楽作りで
ウィーンフィルの魅力もあるけれど、素晴らしい。
現在のような精妙なコントロールではないけれど、
自然な響きでウィーンフィルの持ち味をいかし、
心地よい音色で文字通り天国的な世界が広がる。

iTunes+DG WEB SHOP CDR343

「クラウディオ・アバド」に関する記述はホームページにもございます
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2007年12月14日 (金)

カラヤンの1970年代 3

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
ブルックナーの交響曲全集から今日は第7番。
1975年4月14,15日の録音。
そして今回組み合わせるのは、ブルックナーへの前奏として
フランツ・シュミットの歌劇「ノートルダム」間奏曲。
同時期ではよい選曲が見つからず、
少し後の演奏になってしまったのだが、
こちらは1980年11月16,17日の録音。
フランツ・シュミットは20世紀初頭にウィーンで活躍した作曲家で
後期ロマン派の濃厚な作風は、ブルックナーの交響曲と並べても
なかなかよいバランスである。うまくいった。
カラヤンの交響曲第7番、これは感動的な演奏である。
晩年に生涯最後の録音となったウィーンフィル盤があるので
その「最後」のあの心にしみる名演に立ち向かったら、
それは敵う演奏は決して見つからない。
でもこの1975年というカラヤンとベルリンフィルの絶頂期、
こちらもさすがに何から何までカラヤンなのである。
ところどころで無理やり音を鳴らして、強引にもって行く感じはあるけれど
でもそれがカラヤン・スタイルなのであり、ここまで極まれば、
心にグッと響いて、私は夢中になって一気に聞いてしまった。
カラヤンがベルリンフィルから引き出す音というのは、
研きぬかれて、その理想とするものが
完璧な形で実現されているような印象があるけれど、
でも表現はまだギラギラして、これが70年代のカラヤンなのである。

iTunes CDR342

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
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2007年12月13日 (木)

ジェシー・ノーマン(PROMS2000)

PROMS2000のライブ録音から
ジェシー・ノーマンのソプラノ・リサイタル。
ピアノはマーク・マーカムである。
2000年8月6日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホール。
実は放送されたのは、シェーンベルクのキャバレー・ソングのみで
他にどんな作品が取り上げられたのかはわからない。
わずか18分ほどの録音なのだが、
ジェシー・ノーマンということで今までとってあった。
そこでCD化の際に組み合わせたのが、
ルート・ツィーザクのアムステルダムにおけるリサイタルである。
1999年1月21日、アムステルダム・コンセルトヘボウ。
ピアノはウルリヒ・アイゼンローア。
フランツ・シュレーカーやR.シュトラウスの歌曲など、
後期ロマン派の作品で音楽も美しいのだが、
ルート・ツィーザクはすごくきれいな声でやっぱり魅力的!
そしてジェシー・ノーマンのキャバレー・ソングだが、
さすがのジェシー・ノーマンの声量をしても
ロイヤル・アルバート・ホールの広さだと
拍手は盛大なのだが、声もピアノも遠い。
でも楽しい音楽だし、会場も大いに盛り上がっていて、
この雰囲気を味わえるのはうれしい。
ジェシー・ノーマンはジェームズ・レヴァインと
シェーンベルク「期待」のCDでキャバレー・ソングを歌っているが、
ライブだとより豊かなパフォーマンスをする人なので、
この録音の存在はやはり貴重だなって感じるのである。
昔はシューベルティアーデやザルツブルク音楽祭など、
ジェシー・ノーマンのライブはよく放送されたのだが、
最近は聞けなくなってしまって、どうしているのだろう…

CDR341

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2007年12月12日 (水)

クラウディオ・アバド 2

クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団で
先日のラヴェル「マ・メール・ロワ」と組み合わせたのが
1981年11月5-8日録音のラヴェル「ラ・ヴァルス」、
そしてムソルグスキーの「展覧会の絵」である。
「展覧会の絵」もラヴェルの編曲なので、
実際にはオール・ラヴェルといった感じか。
この「展覧会の絵」が最初発売されたときには
「ラ・ヴァルス」とのカップリングだったのだが、
後にツィガーヌや「シェエラザード」が入っているCDにも
収録されていたので、「ラ・ヴァルス」のみ持っていた。
でもせっかくなので、最初の組み合わせで復活!
まずは「マ・メール・ロワ」だが、これは最高だ!
精妙にコントロールされた響きだけど
同時に楽しくって、暖かみもあって、幸福の音楽。
それに比べると「ラ・ヴァルス」はちょっと荒っぽいか?
アバドは1990年代にベルリンフィルと
「展覧会の絵」を再録音しており、
そちらは究極といってもいい圧倒的存在感だが、
ロンドン交響楽団もやっぱり魅力的!
ベルリンフィルは結構渋い音で引き締まっているけれど、
こちらはロンドン響なので派手な色彩が冴えわたる。
音楽もずっとしなやかに感じられるし。
ベルリンフィルとの「展覧会の絵」は、
一枚をすべてムソルグスキーで統一しているが、
こちらはラヴェルとの組み合わせで
もしかしたらその辺でアバドの心境の変化もあるのか?
でもどちらもすごくいいので、私にはちょっと選べない。

iTunes+DG WEB SHOP CDR340

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2007年12月11日 (火)

ウィルヘルム・ケンプ 1

ウィルヘルム・ケンプのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ全集(1964-1965年録音)。
これもiTunesのダウンロードを利用して。
最近iTunesから全集ものばかりを熱心に聞きはじめたが、
実はこれらはみな、すごくお買い得価格なのである。
興味ある方は、ぜひ調べていただきたい。
この後、バレンボイムのベートーヴェンで
DGのピアノ・ソナタ全集も聞きたいと思っている。
ケンプのベートーヴェンは非常に有名だが、
今日は最初にピアノ・ソナタ作品2の3曲。
第1番から第3番である。実に味わい深い。
でもさすがにちょっと古臭いかな?
しかし私は、以前からケンプのベートーヴェンは
ぜひ全集で聞きたいと思っていた。
実は第27番から第32番の後期ソナタ集は前から持っている。
それを聞いて、32曲すべてを聞いてみたくなったのである。
録音が古くても、演奏スタイルが昔風でも
ケンプのベートーヴェンが聞けるのは、やはりうれしい。
こちらもなるべく作曲年代を考慮して、
初期のソナタから順番に聞いていきたいと思う。

iTunes CDR339

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ニコラウス・アルノンクール 1

アルノンクールと一緒にベートーヴェンを楽しもう!
という企画をスタートさせてみた。
iTunesにはかなり豊富にアルノンクールの録音があり、
ヨーロッパ室内管弦楽団との交響曲全集、序曲集、
クレーメルとのヴァイオリン協奏曲、ミサ・ソレムニスなど、
ダウンロード音源を利用して、それを私なりに
作曲年代を考慮して並べなおして、
ベートーヴェンを堪能しようという内容である。
ただしエマールとのピアノ協奏曲全集は、
通常のCDを以前から持っているので、
今回はそれ以外の作品ということで。
今日はその最初に交響曲第1番と第2番。
交響曲はシュティリアルテ1990と1991で収録されている。
シュティリアルテは毎年初夏にグラーツで行われている音楽祭で
アルノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団が
これまでその中心的存在として活躍してきた。
この交響曲全集は発売当時たいへん評判になっていたが、
アルノンクールはその後もウィーンフィルなどで
熱心にベートーヴェンの交響曲を取り上げているので
演奏法をよく知っていることもあり、今聞いては特別な驚きはない。
しかしその頃には、かなりの衝撃を与えていただろうということは
音からもよく想像できるのである。
アルノンクールの特長は、ピリオド解釈を取り入れていながらも
テンポ設定はそれほど急速ではなくて、むしろ雄大なスケール、
そしてそこに細やかな表情付けを積極的に行っていくのが面白い。
交響曲を中心にこれから順番に聞いていきたいと思う。

iTunes CDR338

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2007年12月10日 (月)

クリーブランド管弦楽団2006/2007

フランツ・ウェルザー・メストの指揮による
ベートーヴェンの交響曲第9番。
2007年1月のライブ録音である。
私は12月だから特別に第9を聞くということはしないのだが、
でもこのメストの第9は実はずいぶん前に買ってあったのだけど、
何となく今までとってあったのである。年末にそろそろ聞こうかなと。
なかなか生々しい録音でライブの熱気が心地よい。
変にきれいに整えられていないところに好感をもつ。
快調な演奏である。でもちょっと流れすぎか?
音としては十分に力がこもっているが、
何もかもが順調なので、あっさりした印象を受ける。
いまや快速な演奏はたくさん存在しているので、
メストのテンポが速いとか、そんなことは気にならないが、
音楽がとにかく無理なく流れ続けるので、
えっ?第9って、こんなに簡単に創り出されてしまうの?
なんて思いはじめたら、ちょっと味気ない?
メストはクールなのか?巨匠風の重みなんてものは無縁だし、
熱くなって格闘するような振る舞いは極力避けているような、
今回はもう少し踏み込んで欲しかった気もする。
この手の演奏だと、何か新しい発見がないと物足りない感もあり、
音楽の仕上がりは意外に普通なので、心に響いてこない…
でもメストとクリーブランドの演奏がCDになるのって、
はじめてのことではないだろうか。それはたいへんに喜び。
今後もDGで続くのかわからないが、ぜひお願いしたい。
さらにはこの先、ウィーンでの活躍を
レコードに収めようというのが狙いなのかもしれない。
どちらにしてもEMIと縁が切れて、
メストの演奏が聞けないことはずっとストレスに感じていた!
ストレス解消にはもってこいの健康的なベートーヴェンなのかも。
ルネ・パーペのバス独唱は最高である!
でもマイク・セッティングで失敗したのか?
独唱だけが音が遠く、小さくて、残念である。

DG 00289 477 7132

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2007年12月 9日 (日)

カラヤンの1970年代 2

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
ブルックナーの交響曲全集を録音年代順に
これから聞いていこうと思う。
ということで今日は交響曲第8番。
1975年1月20-23日、4月22日の録音。
そして私なりに毎回工夫しようと思っているのは、
余白に同時期の録音からふさわしい選曲で
いろいろな作品を収めていこうという企画。
それでDG WEB SHOPから探してきたのだが、
ストラヴィンスキーの詩篇交響曲。
1975年2月20-21日の録音。
ブルックナーと一ヶ月違いのこの演奏、
なかなかバランスよくて、自分ながら大満足。

カラヤンの詩篇交響曲は、かなりいい!
でも独特のカラヤン・スタイルとはいえる。
音楽はたしかにストラヴィンスキーなのだが、
粘りがちな響きで同時にドイツ的な感じ?
しかし結果的にはそれで感動を呼ぶし、
カラヤン流は完成されているので、
これはこれですごくいいのだ。
そしてブルックナーの交響曲第8番。
カラヤンには晩年のウィーンフィルとの感動的な名演があって、
それに比べて、このベルリンフィルとの演奏は、
誰とはいわないけれど、シューリヒト、クナッパーツブッシュ、
朝比奈隆を崇拝している人には、すごく評判が悪くて、
でもカラヤンと思って聞けば、こちらも完成されている。
私は大いに気に入って、楽しませてもらった。
ブルックナーでもカラヤン・スタイルであり、
ここぞ!というところで、流麗に華麗な響きを求めるので、
どうもそういうところで、体裁だけを整えて、
表面的に終わってしまっているような印象なのである。
でも何といってもカラヤンとベルリンフィルだ
そして最強の強さを誇っていた1970年代後半。
やはりこれは、聞き応えのある凄まじいブルックナー!
すごく重い足取りなのに、響きは軽く感じられてしまうという
カラヤン独特の仕上がり。そこを積極的によしとしなければ…

iTunes+DG WEB SHOP CDR336/337

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2007年12月 8日 (土)

クラウディオ・アバド 1

私は音楽を聞きはじめた最初の頃から
クラウディオ・アバドの大ファンなので
聞きたいCDは結構そろえているのだが、
1970年代や80年代前半の演奏は、
その当時買い逃していると今では売っていないものも多く、
存在はよく知っている名演なのだけど、
聞いたことがないというのがいくつも浮かぶのである。
でもiTunesのリストを見ていくとかなり見つかって、
さらに最近はじまったDG WEB SHOPでは
すべての曲で1曲からダウンロードできるので、
うまく使い分ければ、独自の視点から
アバドを深く考察することができるのだ。
ユーロは高いので、iTunesを中心に活用して、
どうしても付け加えたい欲しい曲については、
DG WEB SHOPのさらに豊富なリストを参照するという
そういう方法で、少し前の年代のアバドを聞いていく。

最初に選んだのは、1985年6月9,10日録音の
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。
イーヴォ・ポゴレリチの独奏である。
これは非常に有名な演奏だが、せこい話なのだけど、
ピアノ協奏曲が1曲で1枚のCDという
ちょっと物足りないような印象もあったので、
これまで持っていなかったのだ。
でもiTunesにしてもDG WEB SHOPにしても
視聴してからダウンロードできるので、
聞いてみるとポゴレリチの演奏に惚れ込んでしまった。
どうしてもポゴレリチのチャイコフスキーが聞きたくなってしまって。
とにかくすごいのである。伴奏の部分もすべてが聞こえて、
そしてその一音一音にいたるまで、豊かな表情で歌われる。
ポゴレリチの天才ぶりを今さら書く必要もないのだけど、
こんな演奏ができるなんて!発明であり、今さらだけど発見した!
でもおそらくポゴレリチがショパン・コンクールで落ちたように
チャイコフスキー・コンクールでこう弾いたなら、
きっと同じように落とされると思う。
これはポゴレリチの世界であり、すべてがポゴレリチなのである。
でも絶対にすごい!天才だ。
アルゲリッチと同じことは言いたくないけれど、
ポゴレリチに感動したのであり、この代わりは絶対にいない。
そうそう、ここではアバドのことを書いているのであって、
ロンドン交響楽団も素晴らしいチャイコフスキーである。

そしてここからが私の選曲で、後半にラヴェルの作品から
「スペイン狂詩曲」「亡き王女のためのパヴァーヌ」
「ボレロ」を収録した。1985年6月10,11日の録音。
チャイコフスキーとラヴェル、実は同じときの録音だったのである。
アバドとロンドン交響楽団によるラヴェルのシリーズ第1弾で
この1枚だけ持っていなかった。
その後の他の作品は、すべて発売と同時に買っていたので、
みんな聞いているのだけど、結果的にこれだけ買い逃してしまっていた。
ボレロの最後の盛り上がりでオーケストラのメンバーが
勢いで歓声を上げているという有名な演奏である。
「マ・メール・ロワ」は、別の作品と組み合わせようと思って、
大事にとってあるので、次回登場する予定。
アバド時代のロンドン交響楽団も面白かった!
すごくいい音がしている。活気もある。

iTunes CDR335

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シュトックハウゼン死去

ドイツの作曲家カールハインツ・シュトックハウゼンが亡くなった。
12月5日ケルン近郊の自宅で病死とのこと。79歳。
現代音楽の中でも電子音楽の先駆者として知られており、
極めて前衛的な作品は常に衝撃の存在であった。
私はシュトックハウゼンの作品というと聞きたい!
という気持ちがあるのだが、いつからか?というと
それはポリーニが熱心にシュトックハウゼンを弾いているので、
かなり早い時期、中学生の頃?には、
シュトックハウゼンのピアノ曲を聞いていたと思う。
1998年にはサントリーホールで、ポリーニの企画による
シュトックハウゼンを特集した演奏会が開かれ、
私も聞きにいって、あの演奏会は行ってよかった!と
いまでも大切な財産になっている。
ポリーニのピアノの他にテープ作品も上演された。
それが有名な「少年の歌」や「コンタクテ」だったのである。
当時のポリーニは、ピアノ曲 第5、第9、第10
という3曲をよく取り上げていたのだが、
現在はさらに他の曲も演奏しているようなので、
もしかしたらいよいよ1枚のCDにまとまるのではないかと
すごく期待しているのだけど、慎重なポリーニなので
こればっかりはわからない。でもぜひ聞きたい。
シュトックハウゼンはあれだけの有名な作曲家なのに
聞く機会は(国内では)非常に少ないと思う。
オーケストラの代表作だと思うのだけど、
アバド指揮ベルリンフィルによる「グルッペン」のCDがある。
メジャーなところでは、その辺は極めて重要。
アロイス・コンタルスキーがかなり昔に
ピアノ曲をまとめて録音していて、
以前、すごく欲しくて、探し回ったのだが、手に入らなかった。
今も廃盤のままではないだろうか。結局持っていない。
比較的最近のCDでアルディッティ・カルテットの演奏による
「ヘリコプター・カルテット」という作品がある。
弦楽四重奏の4人が4台のヘリコプターに乗り込み、
ヘリコプターの騒音の中で弦を引っかきながら叫んでいる!
それをシュトックハウゼンがコンピューターで
音響処理しているというような作品なのだけど、
ヘリコプターを飛ばして?何でもありかよ!
とか突っ込みを入れたくなってしまうのだが、
でもある意味、すごくシュトックハウゼンぽい発想のような
そういう印象もあるのだけど、どうなのだろう?
しかしこのCDは、少なくとも音楽を聞こうとしている人は
絶対に聞いてはいけないと思う。
シュトックハウゼンを理解してあげられる人でないと。
ちょっとこの辺の奇行は、最後の頃の黒川紀章に通ずる。
歴史に名を残したのだが、そのやり方は奇抜であった。

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2007年12月 7日 (金)

つぶやき「マイスタージンガー」

つぶやき その1
バイロイトで将来、アダム・フィッシャーが指揮してくれないかな?
アダム・フィッシャーの丁寧な音楽作りで聞いてみたい。
「パルジファル」がよかったので、あの感じでやってくれたなら!
今の顔ぶれで行くとペーター・シュナイダーもいい!
今シーズンはバイエルン国立歌劇場で指揮しているようで
聞いてみたいな…絶対にいいと思う。

つぶやき その2
シノーポリはバイロイトでは「マイスタージンガー」は指揮しなかったが、
どこかで指揮したことはあるのだろうか?演奏記録は残っているの?
録音が残されていないかな?って。
ドレスデン国立歌劇場かバイエルン国立歌劇場、
ベルリン・ドイツ・オペラ、その辺で残されていないのかな?

つぶやき その3
ブーレーズには最後に遊び心で「マイスタージンガー」の録音を残してほしい。
無理かな?でもやりがいあると思うんだけど…
ブーレーズの徹底した分析で音楽の構造を明らかにしつつ、
同時に音に関しては、最近の音ならば、きっといい音が鳴ると思う!
「千人の交響曲」がよかったので、ベルリン国立歌劇場でいかがでしょうか?

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バイロイト音楽祭2002

バイロイト音楽祭2002から
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
第3幕後半の第5場を聞いている。
昨日はベックメッサーが逆切れして、
詩を盗んだことを白状したところまで書いたが、
そこでザックスがすかさず本当の詩の作者、
その人こそがマイスターにふさわしいと
ヴァルターを呼び入れるのである。
「朝はばら色に輝き…」を歌う。
民衆をはじめ、ポーグナー、我々聴衆も
最高の感動のひとときであり、幸せ!
ザックスはヴァルターを称え、そしてザックスもまた
親方衆からも民衆からも褒め称えられる。
ドイツの芸術の永久性を称える合唱。
ワーグナーは喜劇の結末に
ドイツの芸術の偉大さを高らかに歌い上げた。
何という素晴らしい作品なんだ!
聞いていると永遠に聞き続けていたいような気分になってくるので、
2002年の「マイスタージンガー」はこの辺で。

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2007年12月 6日 (木)

バイロイト音楽祭2002

20071206

バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
第3幕第5場の舞台写真である。
(ウォルフガング・ワーグナー演出による舞台)
http://www.bayreuther-festspiele.de/

バイロイト音楽祭2002から
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
第3幕後半の第5場を聞いている。
クレメンス・ビーバーのダヴィットがお気に入りって
昨日書いたのだが、ダヴィットは第4場で
徒弟から職人に昇格することが許された。
第5場で徒弟たちが踊ったり、騒いでいるので
ダヴィットは頼もしく、叱りつけるのだが、
逆に「恋人マグダレーネが来た!」とか冷やかされ、
(実際にはマグダレーネはいないのだけど)
状況は何にも変わってなくて、喜劇である!
第5場の歌合戦がはじまるまでの盛り上がり、
ここはまさに楽しく、最高の気分である。
その次の自然を讃える合唱。感動的!
そしてザックスが歌合戦の意義を伝える。
優勝者はエヴァと結婚し、ポーグナーの財産を受け継ぐ。
ローベルト・ホルのザックスが、またすごい声で歌いだす。
何という太い声!親方だ。思わず笑ってしまった。失礼。

そしてお笑いはまたベックメッサーである。
歌合戦がはじまり、盗んだヴァルターの詩を歌にして、
でも何というか、音痴?根暗な歌、お経のような(笑)
ザックスもエヴァも我々聴衆も第2場と第4場で
ヴァルターの歌を聞いているので本物を知っている。
そのあまりものギャップにおかしくてたまらない。
喜劇である!ベックメッサーはちょっとかわいそう。
民衆から笑われ、親方衆からも笑われ、
今度はベックメッサーが逆切れで
「ザックスの責任だ!」と詩を盗んだことを白状してしまう。
あまりにも情けないベックメッサーにはもう同情してしまう。
ということで、ザックスが仕組んだ計画は順調に運び、
いよいよヴァルターが登場してくるのである。

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2007年12月 5日 (水)

バイロイト音楽祭2002

バイロイト音楽祭2002から
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
第3幕も後半に入って、いよいよ第5場を聞いている。
でもその前にちょっとだけ寄り道をして、
第3幕の前半(第1場~第4場)、CDでいうと3枚目だが、
少しだけバレンボイム盤(TELDEC)を聞いてみた。
そちらはバイロイト音楽祭1999からの演奏。
6月に録音ということなので開幕前に収録されたのだろう。
ウォルフガング・ワーグナー演出による同じ舞台だが、
指揮者は2000年からクリスティアン・ティーレマンが担当。
バレンボイム指揮のこのCDは私のお気に入りなのだが、
でも今聞くと渋い。CD化の際の音響編集もあるかもしれないが。
しかし慣れとは恐ろしい。ティーレマンは断然豊かなイメージ。
私の耳はティーレマンのワーグナー専門になってしまっている。
バレンボイムの第3幕は約122分で特別速くはないと思うのだが、
引き締まった響きは、バレンボイムらしい印象ではあるけれど、
しかしティーレマンは比べると遅すぎる。第3幕は約132分。
全体でいうと89+67+132=288分ほどである。
ティーレマンの表現は、とにかくじっくり描きこまれているので、
それだけの多くの内容をすべて表現し尽くそうとしたら、
時間がかかるのである。この充実の音楽にはかえられない。
バレンボイムも素晴らしいので聞いていれば
すぐに耳がバレンボイムに慣れると思うのだけど、
でもこのところティーレマンばかり聞いているので
ちょっと今は、ティーレマンでなくてはダメなようである。

歌手については1999年と2002年で
ローベルト・ホルのハンス・ザックス、
アンドレアス・シュミットのベックメッサー、
エミリー・マギーのエヴァなどは変わっていない。
一方でヴァルターは、1999年はペーター・ザイフェルト。
ダヴィットも1999年はエントリク・ウォトリヒである。
2002年はロバート・ディーン・スミスと
ダヴィットはクレメンス・ビーバーという二人。
ここが聞いてみるとずいぶん違う。
耳の慣れが大きいと思うのだが、
2002年の方がやはり断然素晴らしい。
特にダヴィットは、クレメンス・ビーバーの新鮮な印象は最高!
1999年には、エントリク・ウォトリヒがダヴィットを歌っていたのだ。
現在は「ワルキューレ」でジークムントを歌っているという大活躍。
今年のジークムントは不調だったという話で、一部の公演では、
前任者のロバート・ディーン・スミスが代役している。
そういえばウォトリヒは、2004年はパルジファルも歌っていた。
演出家との衝突で2005年はパルジファルの出演を拒否したという。
調べてみたら、2001年と2002年のダヴィットがクレメンス・ビーバー。
その後、クレメンス・ビーバーは「タンホイザー」でヴァルター、
2006年からの「ラインの黄金」でフローを歌っている。
ティーレマン指揮の演目に出続けている。
私的には、クレメンス・ビーバーのダヴィットがお気に入り。

20071205

写真はロバート・ディーン・スミスとクレメンス・ビーバー。
「トリスタンとイゾルデ(2006)」のリハーサル。
バイロイト音楽祭のホームページより
http://www.bayreuther-festspiele.de/

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「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2007年12月 4日 (火)

バイロイト音楽祭2002

今日もバイロイト音楽祭2002から
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第3幕。
第3幕第3場でベックメッサーが登場。
ベックメッサーの存在がこの作品の面白さで
もしいなかったら「マイスタージンガー」は何てつまらない!
「ベックメッサーの動機」を聞いても
かわいそうなぐらいに憎まれ者の扱いというか
ひねくれ者といったイメージが音からの印象である。
でも登場人物を表す主導動機の点では、
ヴァルターもお調子者って感じだし、
ダヴィットはおとぼけというか、間抜けな印象もあり、
ワーグナーが役に与えた動機は、
やはりいかにも喜劇なのである。
ここでのベックメッサーは滑稽さの固まりであり、
ヴァルターの歌をザックスが記したメモを盗み出し、
ザックスはそれに気付いて、わざと見逃すのだが、
ベックメッサーは自分の手にそのメモがあるにもかかわらず、
忘れたと探し回ったり、そこでつまずいたり、
ここまで来ると「ジークフリート」のミーメである。
ザックスはそんなベックメッサーを軽蔑し、
計画は上々に運んでいるのだ。

そして第4場では、ヴァルターがエヴァに
「朝はばら色…」の続きの愛の歌を聞かせて、
エヴァは感激して、激しく泣き出し、
この辺は音楽もまた、聞いているこちらも
熱烈に感動的な場面である。
ティーレマンの指揮がまたとことん盛り上げて、
いきいきと情熱的な感情が豊かに伝わってくる。
他の指揮者はこの辺をどうやって響かせていただろう?
ティーレマンの表現は、強い個性を打ち出しているけれど
舞台との一体感、歌手との結びつきでも圧倒的だと思う。

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2007年12月 3日 (月)

バイロイト音楽祭2002

バイロイト音楽祭2002から
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
今日からいよいよ第3幕を聞きはじめた。
第3幕は長いので、少し時間をかけてじっくりと。
各場面で素晴らしいのだが、お気に入りを上げていくと
第3幕の前奏曲は「諦めの動機」で厳粛な中にはじまり、
ハンス・ザックスの気持ちが表現されているわけだが、
第1場に進むとザックスの仕事場にダヴィットが登場してきて、
目の前にいるダヴィットとのやり取りの間は
明るく軽やかな「ダヴィットの動機」が流れているのだけど、
ダヴィットが姿を消すと再びザックスは物思いに沈み、
音楽も「諦めの動機」に支配されてきて、
ザックスの心の移り変わりが主導動機で描き出されている。
エヴァに対する気持ちは「諦めの動機」、
これから行われる歌合戦への心配は「聖ヨハネ祭の動機」、
昨晩(第2幕)の大騒ぎへの後悔は「殴り合いの動機」、
というふうに音楽で心の情景が伝わってくる。
この辺は聞けば聞くほど感動的である。

そして第2場に進むとヴァルターが登場して、
明け方に見た夢を詩にして、「朝はばら色に輝き…」が歌われる。
ザックスはそれを筆記しながら、規則にあてはめて、
直したり、注意したり、ヴァルターに手を貸すのである。
その歌を第4場でエヴァに歌って聞かせ、
ザックスはヴァルターの優勝を確信する。
この辺は音楽の美しさが圧倒的で感動的な場面。
一方でその第2場と第4場の間にくる第3場が
ベックメッサーの登場でここは最高に面白いのだが、
そちらについてはまた明日。

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2007年12月 2日 (日)

バイロイト音楽祭2002

今日もバイロイト音楽祭2002から
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第2幕。
ワーグナーの英雄の扱いについて、
ヴァルターを例にして考えてみると
第1幕においてマイスターの試験で失格となり、
すると第2幕第5場で、エヴァに
「歌合戦(第3幕)で優勝するように」と励まされるのだが、
(歌合戦の優勝者がエヴァと結婚することになっている)
ヴァルターは「マイスターに対して幻滅した」と
駆け落ちしようとエヴァを誘うのである。
ヴァルターは挫折に弱いのか?
でもジークフリートについてもそうだし(弱点があった)、
パルジファル(目覚めるまではただの愚か者)、
トリスタン、ローエングリン、タンホイザー、…
みんな共通して欠点があるところ、同じなのである。
完璧な英雄など存在しないということか?
ある意味、極めて人間的でもあり、
英雄的振舞いの逆として、その弱さが強調される。

「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は
ヴァルターとエヴァの恋愛で物語が進行していくが、
ダヴィットがヴァルターを手助けし、
さらにはその背後にハンス・ザックスの大きな存在がある。
一般的なオペラの発想からすると、
テノールが歌うヴァルターが主役のように思われるのだが、
ハンス・ザックスが真実の主役であると
よくそういわれるのはその辺の理由から。
恋敵のベックメッサーの存在、その滑稽さがこの作品の面白さであり、
ベックメッサーはことあるごとにヴァルターの邪魔をして、
それに対して、ヴァルター自身が克服するというよりも
すべて背後でザックスが手を貸すのであり、
「友情」とも違うけれど、ザックスの器の大きさ、偉大さである。

第1幕ではベックメッサーがヴァルターの歌の記録係となって、
黒板にチョークで減点を殴り書きする音で歌の邪魔をするが、
第2幕第6場では、ベックメッサーがセレナードを歌って、
エヴァに呼びかけようとするところで
今度はザックスが金槌で靴型を叩いて、歌の邪魔をする。
つまりザックスがヴァルターの仇を討つ。
この場面だが、2007年のカタリーナ・ワーグナーの新演出では、
ザックスがタイプライターをカチャカチャ打ち鳴らして、
ベックメッサーの邪魔をしたそうである。
どんな仕上がりになっているのか楽しみだ。

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2007年12月 1日 (土)

バイロイト音楽祭2002

今日もバイロイト音楽祭2002から
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第2幕。
第2幕はお気に入りの場面がたくさんあるが、
第2場の父ポーグナーと娘エヴァの対話で
後ろに流れる「ニュルンベルクの動機」にはじまり、
ここはすごくロマンティックな音楽でムードがある。
第3場ではローベルト・ホルのザックスが再び登場し、
ここは有名なザックスのモノローグだが、
(第1幕第3場での)ヴァルターの歌を思い出して、
すると後ろでは「フォーゲルワイデの動機」が流れて、
でも回想なのでまた少し雰囲気が違って美しい。
そして第5場である。ヴァルターとエヴァのやり取りを聞いていると
ロバート・ディーン・スミスなのでトリスタンを思い出してしまった。
「マイスタージンガー」は作曲年代のこともあるし、
ワーグナーがわざわざ仕込んでいる主導動機の共通性もあって、
「トリスタンとイゾルデ」の響きが時折聞こえてくる。
さらには「ジークフリート」っぽい表現も見つかるし、
第5場のヴァルターの登場の場面で
明るくいきいきと「ヴァルターの動機」が現れるところ、
ここなどは「パルジファル」でパルジファルが登場する場面、
ジークフリートもそうだけど、主導動機の扱いがすごく似ている。
この辺はワーグナー作品における英雄のあり方で
いろいろ共通性が見えてくるような気がするのだけど、
長くなるので続きはまた明日にしよう。

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