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2008年1月31日 (木)

ジルヴェスター・コンサート2007

ベルリンフィルのジルヴェスター・コンサート2007
サイモン・ラトルの指揮で12月31日のライブ録音である。
ムソルグスキー(ラヴェル編曲)の展覧会の絵
ボロディンの交響曲第2番、イーゴリ公~だったん人の踊り
ポピュラー・コンサートの選曲なのだが、
演奏は真剣そのもの。お祭り的な華やかさはない。
でもそこがいい訳で、ラトルは響きを精妙にコントロール。
現在のラトルならではの細部にまで緻密に描き出す
非常に引き締まって、クリアに見通しのいい演奏である。
抑制傾向の音楽はちょっと迫力不足かなとは思うが、
名人芸によるベルリンフィルの渋い音色は大好きなので
私は楽しみながら喜んで聞いている。
ボロディンの方がより自由に独自性を出しているか。
明るく歌う旋律が美しい世界を創造させるのだが、
ここでもラトルは自分をしっかり制御して、
昔のような無心の喜びをただ外に発散させるのではなく、
内向的に音楽と深く対話し、同時に自身をも見つめている。
バーミンガム時代にはもっと楽天的に
表面的な効果が炸裂していたような気がするのだが、
ベルリンフィルとの活動で、この数年、
急激にラトルは変貌してきているように思われる。
ラトルはどこへ向かおうとしているのか?
ここでの演奏でもまた新しい展開がはじまりつつある。
しかしこのボロディンはすごくいい。
もちろん展覧会の絵も素晴らしいが、
私は特にボロディンに感動した。
ラトルにはもっとロシア作品を取り上げて欲しい。

EMI 5 17582 2

「サイモン・ラトル」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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パソコントラブルの解決

先日ブログが更新できなくなってしまって、
ココログ(ニフティ)のサーバーが落ちているのかな?と
原稿だけ作って、そのままにしておいたのだが、
翌日になっても解決せず、さらには

IDとパスワードを入力する承認ページのすべてが
共通して開けなくなっていることが判明。

「ページを表示できません」になってしまう。

まずはニフティに連絡してみた。
いろいろ教えてくれたが、解決せず。
ひとつわかったことは

「https://」ではじまるページにアクセスできない。
ニフティが原因ではないということ。

続いてマイクロソフトに電話してみたのだが、
最初からインストールされていたIEを利用している場合、
パソコンメーカーに聞いてくれと。
私の場合dynabookなので東芝に問い合わせ。
そこで親切丁寧に教えてくれて、見事に解決した。
今後の自分のためにも、同じトラブルに直面した方のためにも
解決までの手順を忘れぬうちに記録しておく。

「マイクロソフトジャパン」のページを開く。
サイト内の検索に「
813444」と入力して実行。
Windows XPでInternet Explorerを使用して
SSL (128 ビット)で保護されたWebサイトに
接続できない場合のトラブルシューティング方法

が表示される。
詳細」の中の「.dllファイルを再登録する」を選択。
regsvr32 softpub.dll
regsvr32 wintrust.dll
regsvr32 initpki.dll
regsvr32 dssenh.dll
regsvr32 rsaenh.dll
regsvr32 gpkcsp.dll
regsvr32 sccbase.dll
regsvr32 slbcsp.dll
regsvr32 cryptdlg.dll

をコピーする。
スタート」メニューの「ファイル名を指定して実行」を選択。
cmd」と入力して実行。黒い画面が出る。
先ほどコピーしたものを貼り付け。実行。
しばらく待って、無事に終了したら、再起動。
復活した。ぜひ参考にしてください。

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2008年1月30日 (水)

バイロイト音楽祭2007

2007年のバイロイト音楽祭から初日の公演
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
まずは一回、全体を通して。今日は第3幕。
カタリーナ・ワーグナーによる新演出上演である。

カタリーナ・ワーグナーの解釈による
ベックメッサーの扱い。これもたいへんに面白い!
ザックスとの対比で全く逆の展開。

20080130a 20080130b

バイロイト音楽祭のホームページより
http://www.bayreuther-festspiele.de/
左は第1幕、右は第3幕におけるベックメッサー。
第1幕ではスーツを着て、ネクタイを締めて、
文庫本を持って、いかにも役人風である。
第2幕でも同じで、やはりグレーのスーツ姿。
それが第2幕第7場での大乱闘を経て、
頭でも打ったのか?それは冗談だけど、第3幕に進むと
それまで保守的なまじめ人間(市の書記)だったのが
革新的な自由主義者に変貌している。
上の写真では詳しくはわからないのだが、
黒いシャツを着て、スニーカーをはいているような印象?

第3幕第3場でベックメッサーがザックスの仕事場を訪ねて、
何か吹っ切れたかのような、ザックスを圧倒するような勢い?
ミヒャエル・フォレの歌がすごいのである。
カタリーナの演出意図が音を通して伝わってくる場面。
そして第5場の歌合戦でベックメッサーが聴衆から笑われて、
この詩はザックスがくれたものであることを白状してしまうところ
追い詰められて一気にしゃべりまくる感じ、
緊張感と迫力で聞かされてしまう。
ここは音楽もすごくいいので、ヴァイグレの指揮も
カタリーナの演出と一体となって、非常に説得力がある。

歌合戦のところのベックメッサーの音痴な歌だが、
ここもカタリーナの解釈では、この不安定なメロディーが
極めて斬新な前衛芸術なのであり、
そういう表現に目覚めたベックメッサーは、
革新的で自由な発想に恵まれた人間なのである。
つまりはこの旋律は現代音楽と理解していいのだと思うのだが、
それに「NO」を言いわたす民衆、この場面は
まさに今日の現代音楽のおかれた状況を表しているのである。

最初からいろいろ書いてしまって、これではネタが尽きてしまうが、
2007年の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、
2月中旬から月末に向けて、じっくり聞き込む予定。

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年1月29日 (火)

バイロイト音楽祭2007

20080129

バイロイト音楽祭のホームページより
2007年の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
リハーサル風景。中央にカタリーナ・ワーグナー。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から初日の公演
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
まずは一回、全体を通して。今日は第2幕。
カタリーナ・ワーグナーによる新演出上演である。

カタリーナ・ワーグナーの解釈を聞いて、
改めてこの演奏を聞くとなるほど納得できる部分も多い。
第2幕第3場のザックスのモノローグのところで
ヴァルターの歌を思い出して、「情熱の動機」とともに
彼のことが気に入ったとつぶやく。
ヴァルターは騎士なのにいきなりマイスターの試験を受けて、
その理由もエヴァに一目惚れだから…というメチャクチャである。
そういうヴァルターに熱心に肩入れするのだから
ザックスだって革新的な自由な発想をもつ人物というのは正しい。
靴屋の親方なのに靴もはかずに裸足で歩き回り、
格式あるマイスターなのにTシャツ姿で軽装。
そしてそのヴァルターの扱いにしても
チェロを弾き、絵を描き、芸術を愛し、それを自由に表現する
そこも説得力あるではないか!服装も派手に遊び人風?
録音を聞いていてもローベルト・ホルの重々しいザックスに比べて
フランツ・ハブラタのザックスは、何となく都会的というか、
あくまでもイメージではあるが…先進的に振舞っている。
カタリーナの意図は音を通しても大いに伝わってくる。
そして注目はザックスとの対比としてベックメッサーの存在であろう。
ベックメッサーの人格表現は第3幕で面白い。

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年1月28日 (月)

バイロイト音楽祭2007

20080128_2

バイロイト音楽祭のホームページより
2007年の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
指揮者のセバスティアン・ヴァイグレ。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から初日の公演
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
まずは一回、全体を通して。今日は第1幕。
カタリーナ・ワーグナーによる新演出上演である。

録音を聞いていると音楽が中心になるので
そこで全体を統括しているのは
指揮者セバスティアン・ヴァイグレともいえるが、
前奏曲を聞いていると勢いがあって、表現に活気もあるけれど
少々荒っぽくて、ちょっと雑に響いている印象がある。
歌が入ってくるとそんなに気にならなくなるし、
音楽の進行とともにどんどんよくなっていると思うのだが。
クラウス・フロリアン・フォークトのヴァルター、
ノルベルト・エルンストのダヴィットが素晴らしい美声!
合唱がいまひとつまとまっていないような気もするのと…
ティーレマンと比べるとどうしても薄味のような
ちょっと一本調子な感じもあり、
でも私は嫌いではないので、これから聞き込めば、
どんどんよいところは見つかってきそう。
そしてこれから第2幕、第3幕へと
フランツ・ハヴラタのザックスが楽しみである。

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
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2008年1月27日 (日)

モーツァルトの歌劇 3

今日は歌劇「イドメネオ」K.366を聞いている。
カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン
1977年9月、ベーム晩年の録音である。
「イドメネオ」を聞くのは久しぶりだ。
もう10年ぐらい前になるかもしれないけれど、
ジェームズ・レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場で
ドミンゴ、バルトリ、ハンプソン、ターフェル…という
豪華な顔ぶれによるCDが出て、そのときはじめて聞いた。
「イドメネオ」はそれほどには機会がないけれど、
今回はカール・ベームの名盤で。
モーツァルトのオペラの中でも「イドメネオ」って、
私にはすごく好みの作品である。
長調、短調がめまぐるしく入れ替わる。
それが登場人物の心理状態によるものだったり、
物語の劇的な展開に結びついていたり。
さらには舞台上に海神ネプチューンが登場したり、
愛の神の声が響き渡って、お告げがある。
その辺の荒唐無稽な物語についても
ワーグナーの多神教世界に精通していると
モーツァルトの「イドメネオ」は受け入れやすい?
かなり面白いのだけれど。私にはツボ。
第2幕で海が嵐となる場面などは、
「さまよえるオランダ人」にも通ずるとの指摘もあって、
たしかに!私などは吸い込まれてしまう。
ここでの演奏では、イダマンテがペーター・シュライアー。
通常はメゾ・ソプラノで演じられることの多い役だろうか?
しかしその場合、イリアとエレットラがどちらもソプラノで
イダマンテの特徴が出にくいという傾向もある?
でもイダマンテがテノールだとイドメネオもテノールだから、
今度は王と王子の違いが出にくいようにも思われる。
今回の場合はシュライアーの声はわかるのでいいのだが。
しかしシュライアーが王子イダマンテでは、ちょっと貫禄ありすぎ。
もうちょっと少年のような爽やかさが欲しい。
どうなのだろう?解釈や演出しだいということか?
そういえばマッケラス指揮の「イドメネオ」では、
イアン・ボストリッジがイドメネオである。
そういうのもありなのか(イダマンテはメゾ・ソプラノ)。
イドメネオを重い感じにするなら、
ボストリッジのイダマンテというのもありそうだけど。
あとザルツブルク音楽祭2006の上演では、
イダマンテはマグダレナ・コジェナーだった。
それもよさそう。興味ある。指揮はロジャー・ノリントン。
「イドメネオ」はもっと聞こう。素晴らしい。
話がずいぶんそれてしまったが、
ベームの指揮は隙なく締まって、感動的である。

DG 429 864-2

「カール・ベーム」に関する記述はホームページにもございます
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2008年1月26日 (土)

ロンドン交響楽団2003/2004

ちょっと久しぶりになってしまったが、
ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団による
プロコフィエフの交響曲全集の続き。
今日は交響曲第4番(初版)と第5番。
第4番を聞くのは今回がはじめてで、
以前にこの全集の最初に聞いたのは改訂版。
こちらは1930年の原典版である。
ゲルギエフがロンドン交響楽団を
いつ頃から指揮するようになったのか?
よくは知らないのだが、ここでのプロコフィエフは
まさにゲルギエフ・サウンドで夢中になる。
荒削りの迫力と恐るべきしなやかさの共存。
無意識のうちに現れる天才的な部分ではあるけれど、
このバランス感覚を構築するのに、
ゲルギエフはこれまですべてを捧げてきているような
そんなことさえも思えてくる。かなり独特な世界である。
プロコフィエフの交響曲第5番は大好きだ。
ゲルギエフの演奏もロッテルダム・フィルやマリインスキー劇場など
すでにライブ録音を聞いてきているのだが、
このロンドン交響楽団は格段に素晴らしい。
感動した。ゲルギエフだとやはり興奮する。

PHILIPS 475 7655

「ワレリー・ゲルギエフ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年1月25日 (金)

ニコラウス・アルノンクール 9

アルノンクールと一緒にベートーヴェンを楽しもう!という企画。
今日は交響曲第7番と第8番。非常に面白い演奏である!
特に交響曲第7番は魅力的で興味ひかれる。
もう少し激しくても私は大丈夫なんだけど、
思った以上に穏やかな表情のベートーヴェンだった。
金管も木管も管楽器の扱いが特徴的で
弦楽器のノン・ヴィブラートによる減衰する響きに対して
木管をより豊かに前に引き出して、独特の音色である。
こういうバランス感覚はピリオド奏法の演奏に多いのだが、
実はこの方がいいんじゃないかと思いはじめるので、
やはりアルノンクールは説得力あると再認識。
でも現在のアルノンクールだったら、
もっと面白い演奏を聞かせてくれるんじゃないかと
この時点ではまだ発展途上のような気もして、
というのは、この後、ウィーンフィルでも
第7番を取り上げているのだが、
そこで面白いと感じたいくつかの印象的な解釈が
まだここでは現れていないのである。
その点では第8番の方が完成度も高いし、
のびのびと堂々として勢いのある音楽。
しかしそれにしてもアルノンクールのこのシリーズ、
モダン・オーケストラによるベートーヴェン演奏において
ものすごい革命をおこし、世界に多大な影響を与えた。

iTunes CDR376

「ニコラウス・アルノンクール」に関する記述はホームページにもございます
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2008年1月24日 (木)

レナード・バーンスタイン

昨日のロストロポーヴィチの「ドン・キホーテ」
その後半に収録されていたのが、
シューマンのチェロ協奏曲である。
共演しているのがバーンスタイン。
バーンスタインとロストロポーヴィチというと
1981年5月の録音でバーンスタインの自作自演
ミサ曲からの3つの瞑想曲がある。
チェロとオーケストラのための作品。
さらに時間に余裕があるので
同じときの録音からランパルのフルートで
「ハリル」という作品を探してきた。
独奏フルートと弦楽、打楽器という編成の作品。
バーンスタインの曲が面白い。
「ハリル」で最初の方は武満徹のような音が鳴り出す。
編成に関してはバルトークの曲を連想させるが、
次第にバーンスタインのスタイルに染まっていって、
聞きやすい現代曲という感じで結構はまった。
ロストロポーヴィチの独奏による瞑想曲もいい。
多様な様式が組み合わさっているようで
しかし音楽の流れには統一した全体像が見えてくるし、
こちらもアメリカ的な世界が浮かび上がってくるところに
私なんかは新鮮なものを感じる。
この辺は普段あまり聞かないので。

iTunes+DG WEB SHOP CDR375

「レナード・バーンスタイン」に関する記述はホームページにもございます
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2008年1月23日 (水)

カラヤンの1970年代 8

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
1970年代の演奏から今日はR.シュトラウス。
1973年2月13,14日録音の4つの最後の歌。
グンドラ・ヤノヴィッツが歌っている。
そして1975年1月3-8日の「ドン・キホーテ」。
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチのチェロと
ウルリッヒ・コッホのヴィオラである。これは名盤。
もうひとつおまけ!ではないのだが、
ヨハン・シュトラウス2世の「ジプシー男爵」序曲。
「ドン・キホーテ」と同時に収録されたものである。
文句なしの素晴らしさ。ひたすら没入するのみ。
ロストロポーヴィチが実に骨太な演奏である。
それをさらに上回るカラヤンの豪快なスケール。
何という充実の音楽。すごくって、圧倒される。
そして最後の「ジプシー男爵」なんだけど、
これがまた魅力的でうっとりしてしまった。
さすがにカラヤン。完璧な世界!
しかしどうしてもクライバーの演奏が出てきてしまう。
しばらく聞いていないのになぜだろう。
カラヤンが雄大に聞かせるところで
クライバーが爽快に駆け抜けていたり、
カラヤンがじっくりと描きこんで濃厚なところを
クライバーは軽やかに優雅な音楽を奏でていたりするから、
あのクライバーのしなやかさを知っていると
どうしても重い。極上の美しさなのに…

iTunes+DG WEB SHOP CDR374

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
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2008年1月22日 (火)

ニコラウス・アルノンクール 8

アルノンクールと一緒にベートーヴェンを楽しもう!という企画。
歌劇「フィデリオ」全曲。シュティリアルテ1994からの録音。
ピリオド解釈がふんだんに盛り込まれているのだが、
古い感じは全くしないし、むしろ新鮮な感覚で
いきいきと音楽が躍動して、充実の展開である。
歌が入っているからだろうか?
歌手は現在の歌手が歌っているわけで、
他の歌劇場の「フィデリオ」とそう変わるわけではない。
そういう点、ガーディナーの演奏でも似ていることを感じる。
アルノンクールは通常の「フィデリオ」の形態で演奏しており、
初演スタイルの「レオノーレ」としなかったところが興味深い。
オーケストラもヨーロッパ室内管弦楽団だし、
古楽の発想を持ち込んでいるのは奏法のみで、
実は現代の型の中に解釈のみ取り入れているところ、
その辺にアルノンクールのこだわりがあるのだろうか?
それはウィーンやベルリンでも同じことがいえるのだけれど。
もちろん無駄な皮下脂肪はすべて除去されているので
引き締まった音楽は刺激的だし、緊張感に満ちて、
音楽そのものに存在する大いなる感動を引き出して、
さすがにアルノンクールの魅力的なベートーヴェンである。
細かい資料がなくって、配役がわからないのだが、
おそらくペーター・ザイフェルトだと思うのだけど、素晴らしい!

iTunes CDR372/373

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2008年1月21日 (月)

落語のCD化

落語のCD化。ずいぶん久しぶりである。
彦六の八代目林家正蔵さんの噺を集めてみた。
「がまの油」「永代橋」「蔵前駕籠」の三題が
林家彦六時代の録音のようで最晩年の高座と思われる。
そして最後に「千両みかん」。こちらは正蔵の時代。
特に彦六時代の語りは、遅くって揺れるし、独特のテンポ感。
慣れていないとある程度聞き取りにくいのだが、
これがいいのだ。その芸に感動。私は彦六ファンなので。
「千両みかん」はいい噺。面白い。

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2008年1月20日 (日)

ミラノ・スカラ座 2007/2008

ミラノ・スカラ座のシーズン開幕公演。
毎年12月7日と決まっているのだが、
昨年12月のダニエル・バレンボイム指揮による
「トリスタンとイゾルデ」が放送された。
正直いって、「スカラ座のワーグナー?」
気持ち悪い…って、思った。
イタリアの歌劇場でワーグナーだと…
どうでもいいな…あんまり聞きたくないって思った。
でも今回はバレンボイムの指揮なのでそうはいっていられない。
何か不思議な組み合わせ。どうしてもそう思ってしまう。
ムーティ時代のヴェルディは録音してあるし、
2005年末は2006年のモーツァルト・イヤーでハーディングが指揮していた。
2006年末はシャイーが「アイーダ」を取り上げていたような。
やはりワーグナーは珍しいはず。そしてバレンボイムの登場も。
でもこれが意外に面白かった。さすがにバレンボイム。
ドイツの響きとは違う。その点では、ウィーンのワーグナーを聞くときと
様子が似ているような気もしてくるのだが、
ミラノ・スカラ座の長所をワーグナーの音楽にうまく結びつけて、
すごい世界に導いていく。バレンボイムもここまで来ているのか!
今年も例年と同じく、昨年のバイロイト音楽祭の録音をこれから聞くが、
このスカラ座のワーグナーは、その後ぜひ真剣に聞き込みたいと思う。
演出はパトリス・シェローだそうだ。その辺も注目なのだけど…

「ダニエル・バレンボイム」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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クラウディオ・アバド 5

1967年から1970年のクラウディオ・アバドを聞く。
1970年12月録音のベルクの作品集から
アルテンベルク歌曲集と管弦楽のための3つの小品は
昨年末にマーラーの交響曲と一緒に聞いたのだが、
とってあったのが「ルル」組曲である。
これより少し前のアバドの録音で
アルゲリッチと共演した協奏曲録音がある。
最初に1967年5月29日から6月1日に収録された
プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。
続いて1968年2月2-12日のリストのピアノ協奏曲第1番。
ベルクとリストはロンドン交響楽団の演奏だが、
プロコフィエフはベルリンフィルである。
まずはアルゲリッチについて。40年前の演奏である。
どんなピアニストでも、現在を知っていると
昔は普通だったな…とか、やっぱり若かったな…とか
そういうのを感じるものなのだけど、
アルゲリッチは昔もやっぱりアルゲリッチで、
誰に遠慮することもなく、堂々と思いっきり弾いている。
私はプロコフィエフの協奏曲が大好きで
昔の演奏も少し前の再録音も最近のライブも
アルゲリッチの演奏はすごくいいと思う。
アバドについて。ベルクの「ルル」組曲がまた最高だ。
こんなにいいとは思っていなかった。
というのは、ウィーンフィルとの再録音があるので
その素晴らしさを知っていたので、さらには求めていなかった。
でもこのロンドン交響楽団は、ウィーンフィルに負けていない。
こちらはこちらで魅力はたくさんあるので、あとは好みである。
ウィーンフィルはちょっと特別な音が鳴り出して、
もちろんそれがすごいのだが、そこに気をとられ、
ロンドン交響楽団は、音色はある程度普通の域なのだけど、
その分だけ表現の繊細さや細やかな表情付けにまで
いろいろなものが伝わってくる。若い頃のアバドもよかった!

iTunes+DG WEB SHOP CDR371

「クラウディオ・アバド」に関する記述はホームページにもございます
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2008年1月19日 (土)

カラヤンの1980年代 15

カラヤンがベルリンフィルを指揮して1980年代に録音した
たくさんある管弦楽のポピュラー名曲の中から
今日はイタリアやフランスの作品を集めてみた。
ケルビーニの歌劇「アナクレオン」序曲。
イタリアの作曲家ケルビーニはフランスに移り活躍したそうである。
マスカーニの歌劇「友人フリッツ」間奏曲。
プッチーニの歌劇「マノン・レスコー」間奏曲、
そして歌劇「修道女アンジェリカ」間奏曲。
ビゼーの「アルルの女」第1組曲と第2組曲。
フランスの作曲家ビゼーだが、南欧的な明るい色彩に満ちた作品。
最後にロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲。
何という楽しさ。心地よさ。気分は最高である。
さすがにカラヤン。単なる名曲には終わらせない。
それぞれの作品に絶妙な色合いを出し、
「アルルの女」など、目の前に情景が広がる。
「ウィリアム・テル」序曲もカラヤン独特の世界。
そしてとりわけ感動的なのがプッチーニである。
「マノン・レスコー」間奏曲も魅力的なのだけど、
「修道女アンジェリカ」間奏曲の美しいこと!
何度聞いても、不思議なぐらいに惹きつけられる。
歌劇「修道女アンジェリカ」は全曲を聞いたことがないし、
話の筋も知らないのだが、プッチーニの後期の作品。
「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」で3部作だが、
以前から興味あったのだけど、なかなか機会がない。
ぜひ聞いてみたいと思う。

iTunes CDR370

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2008年1月18日 (金)

カラヤンの1970年代 7

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
ブルックナーの交響曲全集から今日は第6番。
1979年9月25,26日の録音。
そして組み合わせるのはバッハ。
ブランデンブルク協奏曲より第2番を選んだ。
そちらは1978年7月1-3日の録音である。
このブルックナーはなかなか面白い。
第6番でカラヤンだとこうなるのだ。
明るい部分は楽天的に鳴り響き、
リズム感もどこか楽しげ。快調である。
流麗さを極め、これまで聞いたことのないタイプの演奏。
ブルックナーで重さや深みが欠如しているのは、
人によっては耐えられない種類のものかもしれない。
しかし一方でカラヤンのブルックナーに存在する新鮮さ、
聞いている人に何かがしっかりと伝わってくるのは事実。
カラヤンとチェリビダッケってやはり、行き着くところは違うのだが、
やっていたことは似ていると思う。
そういうのを言われるのって、二人とも嫌がりそうだけど。
カラヤン流の音楽は、かなり主張がきつくて、
いろいろなことを押し付けてくるのだが、
でもこの第6番は、その中でも非常によく整理されていて、
カラヤンのブルックナーでも完成度の高い演奏のように感じられる。

iTunes CDR369

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2008年1月17日 (木)

ウィルヘルム・ケンプ 8

ウィルヘルム・ケンプのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ全集(1964-1965年録音)より
今日は第28番から第32番の5曲。
ケンプのベートーヴェンをずっと聞いてきたが、
ついに後期のソナタであり、これで完成。
以前からDG盤(作品90,101,106,109-111)を持っていて
非常に気に入っている演奏でもあるので、
今日は一気に2枚分を通して聞いてしまった。
印象では、何かデコボコして、無骨に感じられるのだけど、
でもよく聞くとケンプはすごく滑らかに音楽を聞かせているし、
音も美しく、本当に見事なベートーヴェンである。
第32番まで来るととにかく感動でいっぱいになる。
ケンプはあまりエネルギーが外に向かって発散される作品は
得意でないようないわれ方もするけれど、
第1楽章での迫力は、この全集でも最高の緊張感である。
一方で第29番の終楽章でフーガの部分など、
むしろ気張らずに程よく流しているので
響きも自然だし、気難しくならない絶妙の心地よさである。
第29番から第32番の4曲が1964年1月の録音で
ケンプは後期の作品からスタートさせたようだ。
第28番は一年後の1965年1月の録音だが、
一年でこんなにも違うものかと音質が向上しており、
響きの美しさも表現の自由度も魅力的である。

iTunes CDR367/368

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2008年1月16日 (水)

ニコラウス・アルノンクール 7

アルノンクールと一緒にベートーヴェンを楽しもう!という企画。
昨日は交響曲第5番作品67を聞いたので
続いて今日は交響曲第6番作品68「田園」。
前半はレオノーレ序曲第1番にはじまり、合唱幻想曲である。
こちらはピエール・ローラン・エマールの登場。
レオノーレ序曲も魅力的なのだが、合唱幻想曲が最高だ。
エマールの鮮やかなソロにオーケストラが加わると
まるで室内楽を聞いているような細やかさで
非常に丁寧によく創りこまれている。
そして後半、独唱と合唱が入ってくると
今度は雄大な広がりを見せ、豊かな響きが鳴り出し、
この展開は感動的だし、何度聞いても素晴らしい作品だ。
そして「田園」だが、こちらは意外に平凡だった。
アルノンクールはウィーンフィルで「田園」を取り上げており、
すでに聞いてしまっているので、そう感じるのかも。
アルノンクールの解釈は1990年代前半のこの段階で
すでに完成されていたと思われるし、それにしても
ウィーンフィルの方がもっと面白かったように思う。
いろいろとユニークな表現もみられるが、
こちらは穏やかなのである。繊細な表情で。
ヨーロッパ室内管弦楽団との共演であり、
ウィーンフィル以上にもっと遊び心にあふれ、
積極的にチャレンジする音楽を期待してしまっていた。
アルノンクールの「田園」に独特な素朴さも感じられるが、
この美しい響きは最高級のもので
でもだとするとアルノンクールでなくてもいいような。
この「田園」は広く受け入れられると思う。
しかしアルノンクールには、もっと個性的な存在であってほしい。

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「ニコラウス・アルノンクール」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年1月15日 (火)

ニコラウス・アルノンクール 6

アルノンクールと一緒にベートーヴェンを楽しもう!という企画。
今日はレオノーレ序曲第3番にはじまり、歌劇「フィデリオ」序曲、
「エグモント」序曲、そして交響曲第5番である。
ベートーヴェンの最高の名曲ばかりを集めてしまった。
アルノンクールの演奏も期待通りの見事さでいうことなし!
改めて指摘するまでもないのだけれど、
ピリオド奏法による残響の自然な扱いについては
交響曲第5番で効果的に確認できて、やはり素晴らしい。
細かい部分では非常に巧みな仕掛けが用意されているのだが、
アルノンクールの音楽は同時に巨匠的な雄大さも兼ね備えて、
特に第5交響曲での感動は、これは格別だ。
第3楽章の繰り返しを行っており、最近では結構見かけるが、
私はこれについてはどちらかというと賛成で、
演奏の魅力もあるし、アルノンクールで聞けるのはうれしい。
「フィデリオ」序曲が思った以上に新鮮な気持ちで聞けて
歌劇「フィデリオ」全曲も予定しているので楽しみである。

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2008年1月14日 (月)

ウィルヘルム・ケンプ 7

ウィルヘルム・ケンプのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ全集(1964-1965年録音)より
今日は第24番から第27番の4曲。
加えて1曲、はじめに1971年12月の録音から
創作主題による32の変奏曲を追加。
今日のはどれも素晴らしい。独特のケンプ流ではある。
表情があり、音に愛情が込められて、深い味わい。
ケンプ向きの作品でもあるのだろう。
ちょっと面白いのが、創作主題による32の変奏曲で
ベートーヴェンを象徴するハ短調なのだが、
でも聞いているとシューベルトの響きにも似ていて、
やはりケンプの演奏って、すごくロマンティックなのだと。
いよいよこれから後期のソナタである。

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2008年1月13日 (日)

カラヤンの1960年代 4

昨日聞いた1969年8月サンモリッツにおける録音に続いて、
今日は1969年9月ベルリンに戻ってのカラヤン。
ベートーヴェンの三重協奏曲(9月15-17日)
オネゲルの交響曲第3番「典礼風」(9月23日)
三重協奏曲は昔から有名な演奏で、
ダヴィド・オイストラフ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、
そしてスヴャトスラフ・リヒテルという旧ソ連が誇る巨人たちが登場。
カラヤン指揮ベルリンフィルと共演というのだから、すごい企画だ。
今回改めてきちんと聞いてみると、リヒテルが
オイストラフとロストロポーヴィチを引き立て、
まさにピアノ・トリオの室内楽的な穏やかさ、親密さが漂って、
巨匠がぶつかりあっている空気など微塵も感じられず、
何とも安らぎの演奏である。その雄大さは格別だが。
この辺を聞いているとやはりリヒテルは室内楽の名人である。
そんなこともあって、カラヤンもまた驚くほどソリストを盛り立て、
カラヤン的世界が控えられているのも極めて珍しいのかも。
個性の衝突がなく、こんなにも柔和な意思統一がなされているのも
本当に意外であり、ある意味奇跡なのではないだろうか。
続くオネゲルの「典礼風」がまた驚異の名演だと思う。
昨日の交響曲第2番といい、カラヤンのオネゲルが
こんなに素晴らしいなんて!知らなかった。
その鮮やかさ、切れ味の鋭さ、クリアな音色、
そしてカラヤンの自信に満ちた説得力あふれる音楽。
感動である。カラヤンの全録音の中でも
このオネゲルは頂点にも選びたい一枚だ。
その後のカラヤンはオネゲルを一切録音していない。
でも一方でここでの演奏は究極の存在でもあると思う。

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2008年1月12日 (土)

カラヤンの1960年代 3

1969年8月、夏のサンモリッツにおけるカラヤン。
1960年代から1972年までだろうか?
毎年8月は、カラヤンはスイスのサンモリッツに滞在して、
比較的小編成のベルリンフィルとともに
ヴィヴァルディ、バッハからモーツァルト、ハイドン、
そしてストラヴィンスキーやオネゲルのような
20世紀の弦楽オーケストラの作品まで、数多くの録音を残した。
その中から1969年8月の演奏を集めてみると
かなり集中して、一気に録音していることが記録からわかる。
アルビノーニのアダージョ、パッヘルベルのカノン、
ボッケリーニ、レスピーギのリュートのための古代舞曲とアリア、
モーツァルトのアダージョとフーガ、ベートーヴェンの大フーガ、
R.シュトラウス、オネゲル、ストラヴィンスキーというふうに。
その中から今日聞いているのは、
モーツァルトのアダージョとフーガK.546、
オネゲルの交響曲第2番(トランペットと弦楽のための)、
ストラヴィンスキーの弦楽のための協奏曲「バーゼル協奏曲」、
そしてR.シュトラウスのメタモルフォーゼンである。
これが素晴らしい演奏!なんと見事な集中力。
オネゲルの交響曲第2番ははじめて聞いたのだが、
すごく魅力的な作品だ。すぐに気に入った。
カラヤンも鮮やかに決めていて、最高である。
ストラヴィンスキーも同じ路線の演奏で、
こういうカラヤンが聞きたい。圧倒的完成度!
鋭さといい、その緊張感といい、これははまる。
一方でモーツァルトにはちょっとびっくり。
これがモーツァルトの響きなの?という、不思議な重圧感。
ハ短調の暗いアダージョではあるのだけれど、
まるでブルックナーを聞いているような、さすがにこれは…
でも続くフーガに入ると突然目が覚めたように!
この辺はカラヤンならではの演出でやりたい放題である。
かなりの絶好調!さすがにカラヤンだ。

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2008年1月11日 (金)

カラヤンの1970年代 6

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
ブルックナーの交響曲全集から今日は第5番。
1976年12月6-11日の録音。
そして組み合わせるのはR.シュトラウスである。
交響詩「死と変容」。こちらは1972年11月の録音。
カラヤンのブルックナーは表現に対する積極性が顕著で
表層部における美に少しこだわりすぎの部分もあるのだが、
聞いていてギュンター・ヴァントの正反対を行っている
なんて思ってしまうのだけれど、しかしなぜか?
こちらはこちらでひたすら感動して聞いている。
第1楽章は華麗に全く隙なく進められ、
それゆえに第2楽章の音楽は心に重く鳴り響いてくる。
第3楽章のスケルツォは、再び快調なテンポで鮮やかに
それは第4楽章のメタモルフォーゼンに向かって
そしてフィナーレの頂点へと一心に突き進む。
カラヤンの演出の巧みさであり、完璧な造形。
良い点としては、演出上手ではありながら
それが作り物っぽく響くことはないし、
自然な流れで、本当によく整理されている。
でも音楽に感じる深まりって、
整理整頓があまりに行き届いているところでは
そんなに存在しないような気もするのだけれど。
カラヤン得意のR.シュトラウスは、
「死と変容」も圧倒的素晴らしさなのだが、
ちょっとカラヤン色が強すぎるところがいくつかみられて、
そこを気にするなら1982年の録音の方が、
さらに上のような気もするのだけど、どちらも最高である。

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2008年1月10日 (木)

ニコラウス・アルノンクール 5

アルノンクールと一緒にベートーヴェンを楽しもう!という企画。
今日は交響曲第4番作品60とヴァイオリン協奏曲作品61。
作品番号が続いたこれらの2曲は、どちらも1806年の作曲である。
交響曲第4番がすごくいい。この交響曲全集の中でも
最高の完成度といってもいいのでは。みんな素晴らしいのだが。
ヨーロッパ室内管弦楽団が創りだす緻密なサウンドと
この交響曲のスケール感がちょうどいい。
そしてアルノンクールが望む音楽が見事に一致しているという。
ヴァイオリン協奏曲は、ギドン・クレーメルの独奏で
発売当時もずいぶん話題になっていたが、
今聞いてもその新鮮さは全く変わらず、刺激的である。
でもその挑発的な姿勢はクレーメルだけでなく、
オーケストラもまた、かなり独特の音色を聞かせていて、
素朴だったり、ぶっきらぼうだったり、これが本当の姿なの?
いつもながらアルノンクールの解釈には説得力を感じるし、
だとすると、今日一般的に聞かれる普通の演奏というのは、
少々優美な路線に偏りがちであり、実は内に力強さを備えた作品なのだ。
クレーメルは辛口で鋭く切り込んでいくのだけれど、
それにしても音は格別に美しく、本当に個性的な天才である。
もちろんカデンツァはシュニトケの作でそこも聞きどころ。
カデンツァだけにピアノが登場するというのも何か不思議なんだけど。

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2008年1月 9日 (水)

ウィルヘルム・ケンプ 6

ウィルヘルム・ケンプのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ全集(1964-1965年録音)より
今日は第19番から第23番の5曲。
作品49の第19番と第20番にはじまり、
作品53「ワルトシュタイン」、作品54の第22番、
そして最後が作品57「熱情」である。
第22番などがケンプ向きの作品なのだろう。
一方で「ワルトシュタイン」や「熱情」では、
最初聞いたときには、かなり危うい印象で
ところどころで音がはずれているような…
レコードだし、そんなことあるわけないか?
でもケンプは録り直しを非常に嫌がったそうで、
しかしそのわりには、普通に聞いてもかなり編集跡は多く、
大雑把な仕上がりを味わいとして聞くべきか?
「熱情」も第2楽章以降は立ち直って、
第3楽章などは表情付けも豊かに魅力的である。
ケンプはむしろ地味な存在のソナタで
驚くような新鮮な演奏を聞かせるかと思うと
「ワルトシュタイン」や「熱情」のような重要な作品で
傷が目立っていたり、そういうところはちょっと残念だ。

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2008年1月 8日 (火)

バイロイト音楽祭1985

バイロイト音楽祭1985から歌劇「さまよえるオランダ人」。
指揮はワルデマール・ネルソン。
この指揮者は現在では聞いたことがないのだが、
70年代後半にソ連から西側に亡命して、
無名の新人ながらいきなりバイロイトに抜擢されたらしい。
それが1980年の歌劇「ローエングリン」で
そのまま1982年まで担当している。
その後、1984年と1985年に「オランダ人」を指揮した。
当時の記録を調べてみると1979年の「ローエングリン」は
エド・デ・ワールトが担当している。理由はわからないが、
結果として、1年だけでバイロイトを去ってしまった。
それを引き継いだのが、ワルデマール・ネルソン。
そしてこの1985年の「オランダ人」というのは、
1978年に登場したクプファー演出の最後の年である。
1978年から1980年の3年間は、
デニス・ラッセル・デイヴィスが指揮している。
その後の1981年と1982年がペーター・シュナイダー。
ペーター・シュナイダーは現在もバイロイトに出演しているが、
この1981年の「オランダ人」がバイロイト・デビューだった。
1983年はペーター・ホール演出の「指環」がスタートして、
(初年度を指揮したのはゲオルグ・ショルティ)
「さまよえるオランダ人」は休演している。
1984年と1985年には再演されて、
そこで指揮したのが、ワルデマール・ネルソンだった。

オランダ人を歌っているのが、サイモン・エステス。
この人は黒人のワーグナー歌手ということで注目を集め、
力強い輝きの歌声で非常に評判だったそうである。
そして注目なのが、グレイアム・クラークが舵手を歌っている。
グレイアム・クラークといえば、2001年から2004年の4年間、
ユルゲン・フリム演出の「指環」でミーメが当たり役だった。
かなりの昔のことになるが、80年代の当時は脇役で
でも聞いていると何か非常に貴重な出会いのような気がしてくる。
グレイアム・クラークは1981年がバイロイト・デビューだそうだ。
演奏は快適なテンポ設定が心地よく、重みはあまり感じられないが、
その爽やかな仕上がりはむしろ非常に現代的で、
何か特別ということはないけれど、私には好感触の「オランダ人」である。
マッティ・サルミネンのダーラントも素晴らしく、
エステスのオランダ人とのやり取りは聞き応えがある。

PHILIPS 475 8289

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2008年1月 7日 (月)

ニコラウス・アルノンクール 4

アルノンクールと一緒にベートーヴェンを楽しもう!という企画。
今日はレオノーレ序曲第2番からはじめて、
ピアノと管弦楽のためのロンド、そして三重協奏曲作品56。
ピアノはピエール・ローラン・エマールである。
三重協奏曲では、さらにトーマス・ツェートマイア、
チェロのクレメンス・ハーゲンが共演している。
アルノンクールのベートーヴェンでは、
ピリオド奏法をふんだんに盛り込んでいるけれど、
演奏がヨーロッパ室内管弦楽団ということもあるし、
それほど古楽器的な印象ではないのだが、
レオノーレ序曲第2番は、かなりの古楽演奏の響きに驚いた。
それに比べるとエマールが登場するピアノ関連の作品では、
ずっとモダンな仕上がりになり、やはりエマールの存在は大きい。
三重協奏曲って、これまでそんなに傑作だとは思っていなかったのだが、
エマールを中心とするソリストの魅力もあるし、
アルノンクールも非常に説得力ある完成度の高い演奏で
かつてない充実を感じ、引き込まれてしまう。
ピアノと管弦楽のためのロンドもいろいろな演奏があるが、
エマールが鮮やかに爽やかな響きを引き出して、
本当に素晴らしい。すごく気に入った。
エマールが古典の作品をどんどん弾いていると
どうなっちゃうのだろう?って、少し心配になるが、
でもその演奏は聞けば聞くほど、魅力的な存在である。

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2008年1月 6日 (日)

地区センターの見学会

今日は東京へ。江戸川区に行ってきた。
設計事務所に勤務していた時代の先輩の設計による
地域のコミュニティセンターの見学会。
今月末のオープンを控えて、今日は建築関係者にお披露目。

20080106a

四角い建物でコンクリート打放しというと
私は異常に興奮をおぼえるので、好きなタイプの建築である!
写真は2階へ階段を上っていく際の光景。
まだ新しくコンクリートが黒光りしている。

20080106b_2

四角い空間の中に丸がモチーフになっていて、
円形の開口部からの採光が建築のイメージを創っている。
写真は卓球などができる運動室。

20080106c

他の先輩方もみんな来て、夕方暗くなるまで歓談。
天気もよかったので、きれいな写真が撮れた。

20080106d

夕日を浴びたコンクリート打放し!大好きである。
夜は新年会。楽しかった。

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2008年1月 5日 (土)

「のだめ」ブラヴォー 2

20080105

「のだめカンタービレ in ヨーロッパ(第2夜)」面白かった。
でも今日は、何となくただ笑えるだけではなくって、
様々な壁にぶつかっては、それを乗り越えていく
真剣に見てしまう内容のあるドラマだった。
でも実際はくだらなさ満載の笑いっぱなしなのだけど。
のだめがライバル心をむき出しにして弾く
リストの超絶技巧練習曲「マゼッパ」で
仕草や表情までもが乗り移っているところ、笑えた。
モーツァルトのニ長調のピアノ・ソナタK.576が演奏されたが、
たしかにモーツァルトの最後のピアノ・ソナタなのだけど、
最近は第18番なのだろうか?変わった?
以前は第17番に数えられていたのだが。
ケッヘルによる作品番号では若い数字なのだけど、
K.533&494のソナタが第18番と呼ばれていたのである。
「のだめカンタービレ」って、続きのストーリーがあるの?
もっと見たい!さらに続編を期待。お願いします。

画像はフジテレビのホームページより
http://www.fujitv.co.jp

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ウィルヘルム・ケンプ 5

ウィルヘルム・ケンプのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ全集(1964-1965年録音)より
今日は作品31の3曲で第16番から第18番。
特に第16番が気に入った。すごくいい。
滑らかに流れるように弾こうとするケンプの思いが伝わってくる。
しかしどこかぎこちなくて、不揃いだったりもするのだけれど、
そこが親しみであって、味わいなのである。
音は美しいのに、なぜか無骨な印象。
独特な世界が広がって、そこが愛される。
ケンプのベートーヴェンには窮屈さは感じられず
自由に開放的な明るさが存在しているが、
しかしその中にも様式はしっかりと構築されており、
だからこそベートーヴェン弾きなのだと思う。
第18番も魅力的。ちょっと粗さもあるが、
その躍動感で聞かされてしまう。

iTunes CDR356

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2008年1月 4日 (金)

「のだめ」ブラヴォー

20080104b

「のだめカンタービレ in ヨーロッパ(第1夜)」面白かった。
どこが?って、そのすべてが。
ちょっとまじめなところでは、
ヴィエラ先生役のズデニェク・マーツァルが
チェコフィルを指揮している映像、
R.シュトラウスの「英雄の生涯」だが、これは本物だ。
というのは、たしかチェコフィルの今シーズンの演目で
マーツァル指揮の「英雄の生涯」があったと記憶している。
昨年秋の来日公演の前後だったような。
あと笑えるところではまったのは、
「ぷりゴロ太」の作者役でぬっくん(温水洋一)が出ていたこと。
でもセリフはなし。笑える。最高!
ぬっくんは「のだめ」の大ファンだと以前から言っていたので
念願のドラマ出演がついに実現!おめでとう!!
明日も楽しみ。期待しています。

画像はフジテレビのホームページより
http://www.fujitv.co.jp

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モーツァルトの歌劇 2

歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」K.588
ザルツブルク音楽祭1974からのライブ録音で
カール・ベーム指揮ウィーンフィル(1974年8月28日)
ベームの80歳を記念する公演である。
表面的には極めてバカバカしい筋書きによる喜劇で
いや!内面的には深い人間ドラマが潜んでいるって
詳しい人ほどそういうのかもしれないけれど、
その辺は演出しだいということかもしれない。
実際に「コシ・ファン・トゥッテ」はモーツァルトの傑作として
世界中でこれまでずっと親しまれてきたし、
偉大な解釈者と表現者の存在は大きいと思う。
そしてそうした作品に取り組む意欲をかき立てているのが
モーツァルトの魅力的な音楽であることは間違いない。

20080104

ザルツブルク音楽祭のホームページより
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」(1974年上演)の舞台写真である。
http://www.salzburgfestival.at/

主な登場人物が、たったの6人だけであり、
フィオルディリージ(ソプラノ) ⇔ グリエルモ(バリトン)
ドラベルラ(アルト) ⇔ フェルランド(テノール)
という相愛関係が、話の進行で
フィオルディリージ(ソプラノ) ⇔ フェルランド(テノール)
ドラベルラ(アルト) ⇔ グリエルモ(バリトン)
というふうに入れ替わる。
それを後ろで操り、仕向けているのが、
ドン・アルフォンソ(バス) & デスピーナ(ソプラノ)
という人間模様、その複雑な関係には興味ひかれる。
でも普段ワーグナーばかり聞いている私のようなものからすると
その人間関係の構造や変化、心理描写なども
それらが音楽で示されているということがどうも感じられない…
実際には示されているのかもしれないけれど、
それは私の勉強不足だが、その点で物足りない。
音楽はずっとモーツァルトの美しい音楽が流れていて
そこを聞いて満足ならば、それでいいのだが。
つまりは舞台を見ろ!ということか。
だから演出家しだいなのである。

でもここでのベーム指揮による音楽は感動的。
モーツァルトはやはりウィーンフィルでないと!って、
どうしても思ってしまう不思議なぐらいに魅力があふれ出し、
この頃のモーツァルト演奏には、ほどよい重みが存在しているのだが、
ウィーンフィルはいきいきと音楽を躍動させて、
ベームがしっかりと引き締め、なんと説得力ある響き!
あまりにもシンフォニックに格調高くまとめられているので、
この充実を感じては、物語のくだらなさはもはや関係なし。
ベームのモーツァルトはやっぱり最高だ。

DG 429 874-2

「カール・ベーム」に関する記述はホームページにもございます
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2008年1月 3日 (木)

ダニエル・バレンボイム 1

ウィーンフィルのホームページを見ると
来年2009年のニューイヤーコンサートの指揮者は
ダニエル・バレンボイムに決まった。
http://www.wienerphilharmoniker.at
ついにバレンボイムが来たか!って、
私はファンなのでたいへんにうれしい。
今年のプレートルといい、来年のバレンボイムといい
何だかニューイヤーが面白いことになってきている。
こうなったら、冗談は承知の上で
2010年はブーレーズが指揮してくれないだろうか!
さすがに無理か…以前から噂のゲルギエフやメストあたりに期待。

ということで今日は急遽、iTunesから
バレンボイムがシカゴ交響楽団を指揮した
J.シュトラウスのワルツ・ポルカ集をダウンロードして聞いている。
録音の詳細はわからないのだが、1992年前後の演奏と思われる。
勝手ながら、ニューイヤーコンサートの第2部をイメージして、
私なりに少し曲順をいじってしまった。
喜歌劇「こうもり」序曲、ピチカート・ポルカ、皇帝円舞曲、
アンネン・ポルカ、エジプト行進曲、ワルツ「ウィーンの森の物語」、
ポルカ「雷鳴と電光」、トリッチ・トラッチ・ポルカ、
ワルツ「美しく青きドナウ」、ラデツキー行進曲
シカゴ交響楽団の音はあまりウィーン風ではないのだが、
バレンボイムは思った以上に爽やかで、快調な流れが気持ちいい。
面白いのが、同時に細かい部分ではかなり個性的な響きを作りだして、
この辺がウィーンフィルでどうなるのかわからないが、とても楽しみだ。
来年のお正月は期待!って、あまりにも気が早い話なのだけど…

iTunes CDR355

「ダニエル・バレンボイム」に関する記述はホームページにもございます
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2008年1月 2日 (水)

ワレリー・ゲルギエフ

今年最初のCDはゲルギエフの「白鳥の湖」。
マリインスキー劇場管弦楽団の全曲盤。
正直なところ、チャイコフスキーのバレエはあんまり聞かなくて、
組曲は別にしても全曲というのは、
これまで「くるみ割り人形」しか持っていなかった。
それもやはりゲルギエフとマリインスキー劇場。
「白鳥の湖」もゲルギエフならば聞かずにはいられない。
あとロシア気分でお正月というのも珍しい。
でもこういうのもいいではないか!
華やかで輝きの響き、しなやかに躍動して、
これはゲルギエフとマリインスキーの魅力でもあるのだが。
ゲルギエフ・サウンドもずいぶん変わってきているような。
驚くほどに軽やかでその瞬発力、敏感に反応!
これはチャイコフスキーだから?
ソ連的な荒々しさはもはや完全に消し去られて、
その前の時代のロシアの響きに生まれ変わっているのか?
こんなにいきいきと優雅にそして高貴に素晴らしい!
ゲルギエフの恐るべき柔軟な発想と
それに応えて、不思議なぐらいに一体感のあるオーケストラ。
楽しかった。明るいお正月。今年がよい年になりますように。

DECCA 475 7669

「ワレリー・ゲルギエフ」に関する記述はホームページにもございます
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2008年1月 1日 (火)

ニューイヤーコンサート2008

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。


元日の夜はウィーンフィルのニューイヤーコンサート。
今年の指揮者はジョルジュ・プレートル。
83歳の巨匠がニューイヤーに初登場!
プレートルの指揮が決まって、ずっと楽しみにしていた。
またCDがすぐに出ると思うので(今年はDECCAから)、
今日はテレビでのんびりと、音色や細かい表現については
CDを手に入れてからと思っているのだけれど、
プレートルというと120%の濃厚な色彩で
豊かな表情をじっくり創りこんでいくイメージである。
でも今日はシュトラウスの音楽でやはり響きはウィーンフィル。
巨匠による独特の世界が描き出されることを予想していたのだが、
思った以上に爽やかな流れ、速い曲などテキパキこなしていた。
後半ではだんだんプレートルらしい部分も出てきて、
ポルカ・マズルカ「とんぼ」など、これまで聞いたことのない
七色の色彩がキラキラと輝いて、すごく印象的だった。
皇帝円舞曲もよかったし、そして「美しく青きドナウ」!
緩急自在なコントロールで、特にゆっくりのところで
すごく丁寧に音楽を聞かせて、幸せな気持ちにしてくれる。
実に感動的な時間であった。こういうところがプレートル!
例年以上に会場は盛り上がっていたような気がするのだけれど、
プレートルはウィーンではすごい人気である。

「ニューイヤーコンサート」に関する記述はホームページにもございます
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