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2008年3月15日 (土)

シューベルトの歌曲 20

ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウのバリトン
ジェラルド・ムーアのピアノで、シューベルトの歌曲を
作曲年代順に聞いている。最後の年1828年。

冬の夕べ D.938、星 D.939、
秋 D.945、信仰、希望、愛 D.955、
歌曲集「白鳥の歌」 D.957

私は歌曲集「白鳥の歌」が大好きで、
シューベルトの全作品においても一番好きかもしれない。
どうしようもない絶望感の中に底知れぬ深まりが存在し、
この上なくモノトーンな世界に明暗と陰影が移ろう。
こんなにも痛く心に突き刺さってくる音楽はない。
シューベルトの最後の絶叫であり、それは天才的な空間。
フィッシャー・ディースカウの歌だと、もっと強い緊迫の中で
追い詰められるような演奏になるのではないかと
何となくそういうイメージがあったのだが、
仕上がりは意外に素朴で、思い詰めた感じではない。
抑制の響きに支配され、自然な流れはむしろ肯定的である。
白黒の際立った明確なコントラストを思い浮かべるが、
思った以上に淡く、微妙なニュアンスが活かされている。
今日のピアニストだともう少しメカニックな音をさせることが多いのだが、
ムーアの演奏はもっと丸い印象であり、それもあるのかもしれない。

iTunes CDR399

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