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2008年6月 6日 (金)

カラヤンの1980年代 21

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
シベリウスの交響詩「タピオラ」(1984.2.19,24)と
ショスタコーヴィチの交響曲第10番(1981.2.20,23,27)。
1984年に録音されたカラヤンのシベリウス管弦楽作品集だが、
現在ではグリーグの「ペール・ギュント」組曲と1枚にまとめられて、
その際に落ちてしまったのが、この「タピオラ」なのである。
DG WEB SHOPでニールセンの「不滅」と一緒に見つけて、
私の好みでは、ショスタコーヴィチの交響曲と組み合わせることにした。
交響曲第10番は、カラヤンが唯一取り上げたショスタコーヴィチの作品。
第8番の録音も希望していたそうだが、ムラヴィンスキーの存在を意識して、
結局実現させなかったという話を読んだことがある。
「タピオラ」がさすがに緊張感のみなぎった演奏で感動的。
カラヤンのシベリウスは徹底して研き抜かれているけれど、
安定感のあるしっかりとした構成、分厚い響き、
この辺はドイツ的と表現してもいいものだろうか?
ベルリンフィルはやはり、本場のオーケストラとは違う音色である。
少しだけ色彩も豊かに、盛り上がりとともに温度が上がってくるようなところ
その辺はカラヤンの演奏を聞いての特色として、いくつか気付く点。
一方でシベリウスとの組み合わせがあう理由の一つなんだけど、
ショスタコーヴィチはむしろ北欧的な透明感が全体を支配して、
カラヤンの表現は洗練の極みであり、その音楽には気品すら漂う。
当時はまだ東西がはっきりしていた時代なのであり、
カラヤンの手にかかれば、完全なるヨーロッパ的解釈と評すればいいのか、
今日聞いた印象としては、独特の仕上がりであるようにも思える。
カラヤンもこの時期、巨匠の芸風に到達していたのだろうが、
もう少し力強く、豪快な迫力で圧倒するような、
そういうところも欲しいって、思わなくもない。
もちろん第2楽章などは完璧なコントロールで最高の盛り上がりなのだけど、
ここでも鮮やかさが勝って、予想以上のシャープな仕上がりである。
カラヤンにしては、響きを絞って、驚くほど引き締めているし、
このショスタコーヴィチは非常に興味深い。異彩を放っている。

DG WEB SHOP CDR449

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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