« ゾルターン・コチシュ | トップページ | カラヤンの1980年代 21 »

2008年6月 5日 (木)

ゾルターン・コチシュ

ゾルターン・コチシュのピアノ・リサイタルを聞いている。
2006年6月28日、東京オペラシティ・コンサートホールでの録音。
モーツァルトの幻想曲K.475とピアノ・ソナタK.330にはじまり、
リストの巡礼の年第1年「スイス」から「オーベルマンの谷」。
後半のプログラムが凝っていて、シューマンのアラベスク、
ドビュッシーのベルガマスク組曲、
そして今度はドビュッシーのアラベスクで第1番。
再びシューマンに戻って、8つのノヴェレッテから
第1番、第2番、第8番の3曲。
アンコールにやはり再びリストの作品が演奏されて
レーベルトとシュタルクの大ピアノ学校のためのアヴェ・マリア。
リストの「オーベルマンの谷」も大好きだけど、
シューマンのノヴェレッテが来るあたり、たまらなく通好み。
こういう選曲は大好きである。実にうまい。
コチシュは驚異的なテクニックで淡々と進めて、
クールな表情を出しているような、
しかしその音楽はというとなかなか熱くて、
凝縮された響き、強い集中力が音から伝わってくる。
スピード感覚や鮮やかなメリハリ、弾力ある運動性においては、
自身を限界ギリギリにまで追い込んでいて、
そこで生まれる存在感のある音楽、躍動感、
聞いているこちらもその独特の世界にどんどんと引き込まれていく。
コチシュのCDが一番出回っていたのは、1980年代後半なのではないかと
ということは、90年代の頃、熱心に聞いていたような気がするのだが、
すでに円熟の域に達しているけれど、当時と少しも変わっていないと思う。
もちろん音楽的な深まりや表面的な方向に陥らない説得力、
その充実度は圧倒的に高まっているけれど、
演奏スタイルの点で、少しも崩れていないし、
その新鮮な表現がいつまでも保たれていることにうれしさを感じた。
こういう演奏はずっと聞き続けていたくなってしまう。

CDR447/448

|

« ゾルターン・コチシュ | トップページ | カラヤンの1980年代 21 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/41437392

この記事へのトラックバック一覧です: ゾルターン・コチシュ:

« ゾルターン・コチシュ | トップページ | カラヤンの1980年代 21 »