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2008年7月31日 (木)

私が聞いた今年の名盤2008

月末なので今年の名盤の途中経過だが、これも久しぶり。
エッシェンバッハの「悲愴」とジンマンのマーラーを追加。


《交響曲》
◎チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
  ~エッシェンバッハ指揮フィラデルフィア管弦楽団

○マーラー 交響曲第5番~ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
○マーラー 交響曲第9番~マーツァル指揮チェコフィル
○ボロディン 交響曲第2番、だったん人の踊り~ラトル指揮ベルリンフィル

《管弦楽》
○ニューイヤーコンサート2008~プレートル指揮ウィーンフィル

《協奏曲》
◎シェーンベルク、シベリウス ヴァイオリン協奏曲
  ~ヒラリー・ハーン、サロネン指揮スウェーデン放送交響楽団

○モーツァルト ピアノ協奏曲 K.414&491
  ~マウリツィオ・ポリーニ ウィーンフィル

《室内楽》
今のところなし

《器楽曲》
今のところなし

《歌劇》
今のところなし

《声楽曲》
今のところなし

《ライブ盤》
今のところなし

は特に大切に感じられる名盤です)

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ネーメ・ヤルヴィ 7

ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団による
グリーグの管弦楽作品集もこれで最後の一枚となった。
最初に管弦楽版に編曲された歌曲で
初めての出会い、白鳥、春の3曲をバーバラ・ボニーで
そしてモンテ・ピンチョから、ヘンリーク・ヴェルゲランドを
ホーカン・ハーゲゴートのバリトンで。
これらはお馴染みの作品である。
バーバラ・ボニーやオッターなどで聞く機会はたいへんに多い。
2つのノルウェーの旋律 作品63
交響的舞曲集 作品64
2つの抒情的な小品 作品68
ノルウェーの民謡を題材にした作品で魅力的な旋律。
目の前に美しい情景が広がる何て素晴らしい音楽なのだろう!
あまり耳にする機会は多くないのだが、
交響的舞曲集はグリーグの代表的な管弦楽作品である。
録音も少ないし、演奏会で聞けることもほとんどないので、
ヤルヴィのこの録音は極めて重要だが、私は大好きである。
本当に心に響いてくる愛すべき感動的な作品。
最後に抒情小曲集からの編曲で山の夕暮れとゆりかごの歌。
グリーグの音楽をたくさん聞いて、ますます好きになる。

iTunes CDR478

「ネーメ・ヤルヴィ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月30日 (水)

身延山と鰍沢

今日は夏休み企画で念願の身延山に行ってきた。
何で身延山かというと落語の噺の中に登場することが多く、
「身延山で願掛けをして、成就して願解きにいく(甲府い)」
「代々熱心な法華信者で身延に参拝した帰りに…(鰍沢)」などが
すぐに頭に浮かぶのだが、他にもいろいろあると思う。

20080730a

駐車場が身延山ロープウェイの駅にあり、
順番が逆になってしまうが、まず上に登って、
奥之院の思親閣から参拝してきた。
日蓮聖人お手植えの杉が4本残されている。
天気がよければ、富士山も見えるらしいが、
今日は晴れていたけれど、雲の中だった。

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ロープウェイを下りて、いよいよ久遠寺の境内。
写真は祖師堂でガイドなどではこの建物がよく紹介されている。
山の上だけど、広い。そしてさすがに日蓮宗総本山という繁栄ぶり。

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祖師堂と並んでいる本堂の横に
現在五重塔が復元工事中である。
上から順番に足場もとれて、ほぼ完成といった印象。
今日現在では下の一層だけ足場が残り、囲いが架けられていた。

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有名な石段(菩提梯)だが、これを登らないと
身延山に来たことにならないのではないかと、
これまた順番が逆になってしまったのだが、
わざわざ男坂を下りて、下から上ってきた。
287段、高さ104mだそうである。

20080730e

上り終えて、上から見下ろすとこんな印象である。
休むと息が切れて、苦しくなるので、一気に上った。
これは苦しい。酸欠になる。足がブルブル。
足には自信があったのだけど、明日は筋肉痛かも。

夕方にかけて、少し足をのばして、鰍沢へ。
落語「鰍沢」の舞台である。
五代目古今亭志ん生や八代目林家正蔵で聞いて、
私の大好きな噺なのだが、落語で聞いていると
すごく緊張感のある話で、険しい地形なのでは…って
自分なりに渓谷の風景を連想していたのだが、
富士川は意外に広く、ゆったりと流れており、
鰍沢町はすごくのどかな町であった。

20080730f

そこで道を折れ、渓谷求めて、十谷方面に向かってみた。
富士川の支流で大柳川というらしい。
水がすごくきれいだった。流れの近くは涼しく、生き返る。

20080730g

山深くなってしまうので、奥にまでは行かず引き上げてきたのだが、
斜面に棚田も見える水田がきれいでその風景。
ちょっとイメージとは違っていたのだが、いいところだった。
いつかまた訪ねてみたい場所である。

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2008年7月29日 (火)

第1406回N響定期公演

2000年5月のN響定期公演から
5月12日NHKホールにおける
デーヴィット・ロバートソンの指揮による演奏会。
録音してあるのは、ハイドンの交響曲第93番、
ヴァレーズのアンテグラル(積分)、
バルトークの「中国の不思議な役人」組曲である。
現在では広く世界で活躍しているロバートソンだが、
当時のイメージというと、ブーレーズの後任として
IRCAMで活動していたというのもあって、
現代音楽で才能を発揮しているのだと…
そういう指揮者がN響に登場ですごく期待したのだが、
ここではヴァレーズが取り上げられていて、
この次の第1407回ではシュニトケが演奏されたが、
他は普通のプログラムでそれほど変化があるわけではない。
ハイドンはスッキリした響きで統一されているし、
バルトークでもつい熱くなってしまう傾向を極力避けて、
シャープにクールにまとめているが、
結果的にはあまり面白くない印象。
先月だったか、メトロポリタン歌劇場での録音で
ロバートソンが指揮したモーツァルト「後宮からの誘拐」が放送されて
そちらはすごく魅力的な演奏で、もちろん響きはシャープな感覚、
そして何より音楽がいきいきと躍動して、それは鮮やか!
現在では世界的に超一流の存在であると間違いないのだが、
この2000年の演奏では、比較的平凡に終わっていると
私にはそんな気がしている。どうだろう?
録音状態のせいもあるかもしれないけれど。

CDR477

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2008年7月28日 (月)

武満徹「ノヴェンバーステップス」

先日シャルル・デュトワ指揮N響による
武満徹の「ノヴェンバーステップス」
2000年6月の定期公演を録音で聞いたのだが、
久しぶりに聞いたら、やはり感動的な作品で
持っているCDを出してきて今日は聞いている。
若杉弘指揮東京都交響楽団の演奏で
弦楽のためのレクイエム、ノヴェンバーステップス、
遠い呼び声の彼方へ、ヴィジョンズが収録された名盤。
でも改めて「ノヴェンバーステップス」については、
ずいぶんデュトワとは違った印象で驚いた。
デュトワの方が色彩的で若杉弘は極めて抑制された響き。
琵琶と尺八についても同じ傾向で方向性は異なっており、
若杉弘の演奏では偉大な初演者である
鶴田錦史と横山勝也が出演しているわけで
これこそが極めつけというものであると考えられるが、
非常にシンプルで枯れた感じ、無我の境地。
それに比べるとデュトワの演奏はやはりライブであり、
ずっと劇的に迫力に満ちて、音楽としてのストーリー性、
ある程度の情景までイメージされるような
豊かさの点では、極めて音楽的である。
遠い呼び声の彼方へ(1980)、ヴィジョンズ(1989)は、
ずっと後年の作品であり、この時代までくると
武満徹の独特の美しい旋律にうっとりである。
素晴らしい!若杉弘指揮の演奏も感動的だ。

DENON CO-79441

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2008年7月27日 (日)

橘家文左衛門 「文七元結」

昨日鈴本で聞いた文左衛門さんの「千早振る」が
あんまり面白かったので、すっかりファンになってしまい、
ラジオデイズで調べてみたところあった!
大好きな噺で「文七元結」をダウンロード。
なんと65分にも及ぶ高座ですごく完成度の高い録音。
声を聞くと昨日の「千早振る」が蘇ってくる。
左官の長兵衛さんはかなり悪ぶってるのが独特で
ちょっと乱暴だけど、文左衛門さん、カッコいい!
しかしそれにしても「文七元結」は本当にいい話だ。
すごく丁寧に細やかに話が展開して、
聞き応えがあって、また夢中になってしまった。

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2008年7月26日 (土)

上野鈴本演芸場 7月下席

20080726

今日は上野の鈴本に行ってきた。
私のお目当てはもちろん柳家喬太郎。
7月下席昼の部のトリは喬太郎さん。
他の出演者も豪華な顔ぶれで超満員だった。
早めに11時半頃行ったのだけど、
大行列ができていた。すごい人気!

柳亭市朗:「芋俵」
柳家さん弥:「熊の皮」
ぺぺ桜井:ギター漫談
柳亭左龍:「お菊の皿」
柳家はん治:「ぼやき酒屋」
あした順子ひろし:漫才
三遊亭金馬:「病気自慢」
柳家小袁治:「雪月花」
扇家和楽社中:太神楽曲芸
柳家権太楼:「子ほめ」
(お仲入り)
昭和のいるこいる:漫才
三遊亭歌武蔵
橘家文左衛門:「千早振る」
三増紋之助:曲独楽
柳家喬太郎:一日署長


ミニ馬風こと柳亭左龍さんは、
去年の秋、あさひ亭まねき寄席にも来てくれて、
今日が二度目でお会いするのだが「お菊の皿」だった。
ちょうど先週放送されたTBS「落語研究会」で
柳家喬太郎さんがこのお噺を演じていたのでいいタイミング!

あした順子ひろしと金馬さんという
大御所が続いて登場してくださり、
舞台にいてくれるだけで絵になっている。
金馬さんの魅力たっぷりの語りもよかった!

前半の最後は大人気の権太楼!
やっぱり独特の世界を創ってくれて、引き込まれてしまう。
あの「ちょっと変な人」キャラがたまらない。
私も最近すっかり慣れてしまって、はまってしまった。

仲入り後はいきなり昭和のいるこいるが登場で
ついにあの「ハーヒーホー」の本物を見てしまった。
そしてここからが凄かったのだけど、
武蔵川部屋出身の三遊亭歌武蔵が大相撲のネタを振り、
続いて橘家文左衛門が大関竜田川の「千早振る」。
まだ楽屋にいる歌武蔵さんを「UFJ(歌武蔵ふたりいたら邪魔)」って、
毒たっぷりの「千早振る」でこんなに面白いなんて驚き!
昔の名人で「千早振る」の録音を聞くとかなり地味な印象だったのだけど、
このテンポ感でギラギラした「千早振る」には興奮した!
橘家文左衛門さん、すっかりファンになってしまった。
下げの「とは」とは何か?「千早太夫の名前なんて言わさないよ!」って
それは「喬太郎さんが答えてくれます」という意地悪な終わり方で
そうしたらそれを見事に喬太郎さんが「一日署長」の中で解き明かしていくという
この展開、あまりの鮮やかさに感動して、涙が出ちゃう爆笑に大興奮!
「一日署長」も隅田川の花火大会にちなんで、
橘家文左衛門さんが屋形船ジャックをするという
しっかりいじられて、話の中で今日の出演者が順番に登場して
人質を解放して投降するよう説得していくシーン、
直前の紋之助さんが曲独楽をしている真似をして、
その姿が面白くって面白くって、腹を抱えて笑ってしまった。
もちろん今日が特別ということはなくて
毎日こういう楽しい流れが続いているのだろうけど、
でもそれにしても今日のこの展開は最高だった!

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2008年7月25日 (金)

第1411回N響定期公演

2000年6月のN響定期公演から
6月23日NHKホールにおける
シャルル・デュトワの指揮による演奏会。
これは素晴らしいコンサートで大切にしている録音である。
前半は武満徹の「ノヴェンバーステップス」、
尺八の柿堺香と琵琶の中村鶴城が出演。
そしてバルトークのピアノ協奏曲第3番。
独奏はアンドレアス・ヘフリガー。
後半でシーズン最後を飾った作品が、
ベートーヴェンの交響曲第7番だった。
「ノヴェンバーステップス」は「ノヴェンバー」なのだが、
この時期に聞くとすごくいい。
というのは、尺八と琵琶の音色が怪談のイメージ、
なんて、あまりにも幼稚な発想なんだけど、
その迫力と緊張感、本当に素晴らしい作品である。
そしてオーケストラの響きも驚くほど美しく、
武満徹の作品に対するデュトワのイメージには賛成であり、
デュトワがN響で「ノヴェンバーステップス」を取り上げてくれたのは、
本当に貴重なことであったと思うのである。
バルトークも名演。特に第2楽章が感動的で
N響もこんなにきれいな音を出せちゃうんだ!って、
やはりデュトワの響きに対する感覚、
オーケストラのコントロールは最高である。
そして後半のベートーヴェン。これがまたよくって!
軽いし、隅々までスッキリと響かせて、
音楽の重みという点では物足りなく感じる人もいるだろう。
でもいきいきと躍動し、勢いのある音楽、
そして緻密にその構造が解き明かされていく面白さ、
デュトワならではのベートーヴェン解釈に私ははまる。
第2楽章の変奏曲、フーガの構造は圧倒的明瞭さに聞きほれる。
そして終楽章のスピード感覚、とにかくカッコいい!

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「シャルル・デュトワ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月24日 (木)

ファビオ・ルイージ

ファビオ・ルイージ指揮シュターツカペレ・ドレスデンで
R.シュトラウスのアルプス交響曲と4つの最後の歌。
後半に歌っているのは、アニヤ・ハルテロス。
2007年5月21-23日の録音である。
夏はR.シュトラウス!ということで大好きなアルプス交響曲。
英雄の生涯のときにも私は絶賛したのだが、
ここでもシュターツカペレ・ドレスデンの響きが最大の魅力。
何て素晴らしい音が鳴りだすのだろう。とにかく感動的だ。
このオーケストラは、本来は非常に渋い音がしていたと思うのだが、
現在の歌心にあふれた音楽は、ファビオ・ルイージの存在が大きいし、
じっくりと聞かせて、細部にまで丁寧に明快な構築がなされているのも
ルイージの特質であると良い点ばかりが結集して、見事な演奏である。
アルプス交響曲に関しては、それほど描写に偏った表現でもなさそうだ。
交響詩のように、もっと映画の中の情景のような、
圧倒的効果を追求する演奏もあるけれど、
ルイージは交響曲として、音楽の内面を表現することに徹している。
細部まで実に表情豊かに創り込まれているけれど、
絵画的に聞こえることはなく、ひとりひとりの奏者に至るまで
音に対して誠実であることに尽きるのである。
でもこういう演奏だと、先ほどの夏に聞くR.シュトラウスという点では、
このルイージ盤は冬に聞いても素晴らしいし、季節は関係なさそうだ。
せっかくなので、まさに夏山登山をイメージさせる
圧倒的効果による「アルプス交響曲」も聞きたくなってくる。

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「ファビオ・ルイージ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月23日 (水)

アンドラーシュ・シフ

アンドラーシュ・シフの今年春の来日公演から
3月10日に東京オペラシティ・コンサートホールで行われた
ピアノ・リサイタルを BS hi で放送された映像で。
シューマンの蝶々、ベートーヴェンのソナタ「テンペスト」、
そしてシューマンの幻想曲、ここまでが前半らしい。
驚くべき長大なコンサートである。
後半がベートーヴェンのソナタ「ワルトシュタイン」。
発表されていたプログラムはここまでだが、
アンコールにバッハのフランス組曲第5番BWV816、
シューベルトのハンガリーのメロディ D.817、
バッハのイタリア協奏曲BWV971
そしてシューマンのアラベスクハ長調。
バッハはどちらも全曲が演奏されて、びっくりだ!
シフの自在に表情豊かな表現は本当に魅力的で
夢中になって、引き込まれてしまう。
シューマンでは繊細な歌が軽やかに躍動して、
ベートーヴェンでは大胆な振幅が劇的な世界を創りだす。
基本は細やかな表現にこそ、シフの持ち味があり、
でもここでの演奏を聞いているとスケール雄大だし、
音に奥行き、深まり、貫録すら感じられて、
現在のシフは本当にすごい音楽を聞かせてくれると
今さらいうまでもないけれど、改めて偉大なピアニストである。
シューマンの幻想曲は私の大好きな作品なので、
シフの演奏で聞くと喜びはさらにふくらんで、
面白かったのが、シフは第3楽章の最後のところで
第1楽章の終わりをもう一度演奏し、でも響きは少し変えて、
こうした演奏形態ははじめて聞いたのだが、美しいフィナーレである。
シューマンが最初に書いた版に基づくということでたいへんに珍しく、
でもこれが魅力的に響いたのは、やはりシフが弾いているからこそ。
とにかく長い演奏会で、聞きに行った人はたいへんだっただろう。
でもきっと最後まで、あまりの感動で緊張がゆるむことはないし、
どの瞬間にもシフの心のこもった音を感じては、
極上の幸福感だったに違いない。

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「アンドラーシュ・シフ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月22日 (火)

バイロイト音楽祭2007

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バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ワルキューレ」第3幕第3場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「ワルキューレ」。
今日も第3幕。じっくり何度もたくさん聞いた。
この第3場の後半、魔の炎の音楽の場面は美しい色彩だ。
無表情な「採石場」が鮮やかな情景を描き出す。
ウォータンは愛する娘ブリュンヒルデを眠りにつかせ、
告別を歌い、そのまわりに魔の炎をかける。
この炎を乗り越え、ブリュンヒルデを最初に救いだす男、
その男こそが真の英雄である。つまりジークフリートなのである。

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ウォータンのアルベルト・ドーメン。
楽劇「ジークフリート」ではさすらい人に姿を変えて、
また登場してくれるが、ジークフリートと対面する第3幕第2場、
今から楽しみである。待ち遠しい。
少し休んで、8月は楽劇「ジークフリート」を聞いていく。

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「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月21日 (月)

バイロイト音楽祭2007

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バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ワルキューレ」第3幕第2場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「ワルキューレ」。
今日から第3幕をじっくりと聞いている。
第3幕のこの舞台だが、何となく気に入らない。
本物を見れば、もちろん印象は変わるかもしれないけれど、
でもガンダム・カラーの衣装で仮面ライダーごっこをしているような…
そういえば、ここは採石場の設定だと聞いたような?
「採石場」に何か深い演出意図が込められているのだろうか?
もっと踏み込んで読み替えを行い、新しい設定の中で
適切な形で新鮮な舞台が創造されてきてほしいとそう願う…
タンクレッド・ドルストは、安心のできる演出で
そこがまた驚き(面白さ)に欠けるところでもあり…

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「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月20日 (日)

バイロイト音楽祭2007

20080720

バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ワルキューレ」第3幕第1場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「ワルキューレ」。
今日から第3幕だが、パソコンに取り込み、現在は編集中。
クリスティアン・ティーレマンの指揮について、
初年度の2006年の録音を聞いた際には、
主導動機を分析的に扱っている印象ではなく、
流れを大切にして、全体が大きく浮かび上がってくる感じだと
そういうようなことを書いたと思うのだが、
2007年の演奏では、様々な要素は丁寧に整理され、
かなりスッキリと響き、細部も冴えわたっているように感じられる。
つまり響きも明るく、輝きも増して、これは素晴らしい。
2007年はカタリーナの新演出による「マイスタージンガー」に
すべての注目が向いていたので、そういう状況において、
ティーレマンは淡々と自分のするべき仕事をこなし、
着実に結果を出していったという。作品に集中できたのだ。
「ワルキューレ」でこの仕上がりだから
続く「ジークフリート」はさらに楽しみで、大いに期待できる。

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「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月19日 (土)

バイロイト音楽祭2007

20080719a

バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ワルキューレ」第2幕第4場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「ワルキューレ」。
今日もさらに第2幕を聞いている。
バイロイト音楽祭のホームページがリニューアルされたようで、
今回新しく公開された写真かどうか?はっきりしないのだが、
第4場の写真でジークリンデをいたわるジークムント、
そしてその姿に感動して、ふたりを生かすと約束するブリュンヒルデ。

20080719b

さらに第5場の写真だが、ジークムントとフンディングの決闘の場面で
ジークムントは剣ノートゥングでフンディングを突き刺そうとするが、
ウォータンの槍によって、ノートゥングは折られてしまう。
フンディングは槍でジークムントを突き刺し、という場面であろう。
気を失ったジークリンデが左の方に倒れているが、
ブリュンヒルデはこの後、ジークリンデを馬に乗せ、連れ去る。

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ジークムントのエントリク・ウォトリヒは第2幕で終わりである。
2008年もジークムントで出演予定であり、
今年はさらにいい歌を聞かせてほしい。
でも2006年の最初のときにも感じたのだが、
私はロバート・ディーン・スミスのジークムントが大好きで
どうもエントリク・ウォトリヒの歌は馴染めない。第1幕は特に。
今年で3年目なので、そろそろ慣れてきそうな気もするけれど。

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「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月18日 (金)

バイロイト音楽祭2007

20080718

バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ワルキューレ」第2幕第4場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「ワルキューレ」。
昨日に続いて第2幕で第2場の終わりから第5場を聞いている。
第3場からジークムントとジークリンデが登場。
第1幕であれだけ情熱的に歌っていたふたりであるが、
すでに疲れきっており、音楽も暗く、不吉な展開を予感させ、
さらには「運命の動機」が不気味に鳴り響き、悲劇的である。
第4場では、ブリュンヒルデにより
「ジークムントがフンディングによって殺される運命にある」ことを告げられ、
ここはあまり元気に勢いよくジークムントに歌われるとちょっと違う感じだが、
今回はかえって、エントリク・ウォトリヒが苦しみの中で歌っているようであり、
苦悩の音楽とともに感動的である。
まさにサイボーグのようであったブリュンヒルデが、
人間の愛の深さを知り、豊かな感情をもつようになって、
ウォータンの命令に逆らってまでふたりを助けようとする。
第5場では追い立ててくるフンディングの角笛によって、
事態は極めて緊迫した状況にあり、
稲妻と雷鳴が轟いて、ウォータンも現れ、激しく盛り上がる。
第2幕の音楽は地味な印象もあるのだが、
じっくり聞き込んで、ひとつずつ検証していくと
本当に素晴らしく、感動的である。

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「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月17日 (木)

バイロイト音楽祭2007

20080717

バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ワルキューレ」第2幕第2場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「ワルキューレ」。
今日から第2幕で前半の第2場途中までを聞いている。
第2幕からは再びウォータン(アルベルト・ドーメン)が、
そしてワルキューレのテーマとともに
ブリュンヒルデ(リンダ・ワトソン)が登場し、
写真の第2場でウォータンが若い頃の話、
つまり「ラインの黄金」のストーリーを語り聞かせる場面、
ここでは音楽はあまり動きを見せず、地味なところではあるのだが、
暗く悲劇的な展開を暗示してのこの響き、
アルベルト・ドーメンの低く響く声は迫力の歌で感動的。
リンダ・ワトソンのブリュンヒルデも貫録がある。

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「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月16日 (水)

バイロイト音楽祭2007

20080716

バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ワルキューレ」第1幕第3場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「ワルキューレ」。
今日も第1幕を聞いている。もう何度も聞いてしまった。
ティーレマンの指揮による音楽の部分は、
とにかく隅々まで充実の極みで感動的である。
骨太によく鳴りまくって、立体的に音が立ち上がってくるところ、
よどみなく流れ、その勢いは無骨なまでに堂々と振る舞い、
かつての歴史的な巨匠を思わせる貫録の「ワルキューレ」である。

写真は第1幕第3場のもので
大戸が開き、月の光が差し込むところ。
同じ場面の写真は2006年のでも見た気がするが、
月がでかくて、実に象徴的な情景である。
夜に包まれ、冬を思わせる暗く閑散とした舞台だが、
だからこそふたりを覗きこむ鮮やかな月の姿に望みを抱き、
第1幕の後半、大きく盛り上がっていく。
しかしながら第2幕の悲劇的な展開があるわけで、
「ニーベルングの指環」前半の山場である。

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「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月15日 (火)

バイロイト音楽祭2007

20080715

バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ワルキューレ」第1幕第2場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「ワルキューレ」。
今日から第1幕を聞きはじめた。
ジークムントのエントリク・ウォトリヒが不調で
8月5日の公演では、ロバート・ディーン・スミスが代役を務めたが、
この録音を聞いてもエントリク・ウォトリヒの声が通らない。
ジークリンデのピエチョンカとフンディングのヨン・クワンチュルは、
すごく声が響いて、比べるとバランスの点で残念。
ウォトリヒがかなり絶叫のような歌声で、抑揚がなく、きつそうだ。
しかしその苦しみの歌が第2幕の後半で何とも心に訴えてくるのは、
皮肉な展開のような気もするのだが、ジークムントは悲劇的である。
2006年に続き、ジークリンデのアドリアンヌ・ピエチョンカが素晴らしい。

CDR471/472/473/474

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2008年7月14日 (月)

バイロイト音楽祭2007

20080714_2

バイロイト音楽祭のホームページより
楽劇「ワルキューレ」第1幕第2場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「ワルキューレ」。
まずは一回、全体を通して聞いてみた。
クリスティアン・ティーレマンの指揮
タンクレッド・ドルストの演出による7月28日の上演。
詳しくはこれからじっくり聞いて、感想など述べていきたい。
写真は第1幕の3人の登場人物がそろった第2場のもので
左からジークムントのエントリク・ウォトリヒ、
ジークリンデのアドリアンヌ・ピエチョンカ、
そしてフンディングのヨン・クワンチュルである。

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2008年7月13日 (日)

カラヤンの1980年代 23

カラヤン指揮ベルリンフィルによる1981年の録音。
9月22日にはアンネ・ゾフィー・ムターの独奏で
ブラームスのヴァイオリン協奏曲。
そして27日と28日でクリスティアン・ツィメルマンが登場して、
シューマンのピアノ協奏曲が録音された。
(そのとき同時にグリーグのピアノ協奏曲も収録されている)
ムターもツィメルマンもどちらも圧倒的素晴らしさ。
グリーグのときにも書いたが、ツィメルマンの透明な音色、
技巧の切れ味で音楽が爽やかに鳴り響き、
この美しい仕上がりは何よりもの魅力である。
でも少し感じるのは、カラヤンの重厚な音楽に引っ張られて、
全体的には、落ち着いた印象となっているのではないだろうか。
今日のツィメルマンだったなら、さらに繊細にしなやかに
もっと違った展開が聞けるだろう。
ムターもツィメルマンも若き日の演奏であり、
非常に若々しく瑞々しくというふうに表現したいのだが、
同時にその音楽の完成度はというと、
驚くべき成熟と安定感なのであり、
やはり名手には年齢は関係ないようだ。

DG WEB SHOP CDR470

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
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2008年7月12日 (土)

ルール・ピアノ・フェスティバル2007

マルク・アンドレ・アムランのピアノ・リサイタル。
(2007年6月29日 エッセン・フィルハーモニーホール)
アムランというと超絶技巧、そしてあまり弾かれない珍しい作品を取り上げる
というイメージがあるのだが、ここでは非常に普通の選曲で驚かされる。
ハイドンのピアノ・ソナタ第31番にはじまり、ショパンのピアノ・ソナタ第3番、
そして後半はドビュッシーの前奏曲集第2巻である。
アンコールにアムランの作品で練習曲第7番(左手のための)
というのは、チャイコフスキーの「子守歌」による編曲である。
そしてガーシュウィンの「ドゥ・ドゥ・ドゥ」と「ライザ」
いつもながらの鮮やかさとその鋭い切れ味で快調である。
ライブなので、何もかもが完璧とはいかないが、
しかしショパンの終楽章などはスピード感と迫力が一体になり圧倒的だし、
特にドビュッシーの「花火」における壮絶さなんて、
こんなにすごい演奏はこれまで聞いたことがない。
しかしそれ以上に面白かったのが、練習風景やインタビューを収録した
このリサイタルまでのドキュメント映像である。
アムランの親しみある人柄にふれ、音楽を構築していくまでの作業、
それは実に豊かな発想によって創造されるのであり、
色彩に対するイメージ、作品への深い解釈が語られ、
夢中になって見てしまった。そしてアムランという人が好きになった。
以前からアムランに興味があって、CDは熱心に聞いてきたが、
この映像でずっと近い存在になり、これからもっと聞いていこうと。
素晴らしい演奏、そして貴重な記録である。

DVDR009

「マルク・アンドレ・アムラン」に関する記述はホームページにもございます
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2008年7月11日 (金)

ネーメ・ヤルヴィ 6

ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団による
グリーグの管弦楽作品集から
「オラヴ・トリグヴァソン」 作品50からの情景
古いノルウェーの旋律による変奏曲 作品51
2つの旋律 作品53 の3作品。
「オラヴ・トリグヴァソン」は未完の歌劇だそうで
そこから3つの場面が取り上げられている。
今回はじめて聞くが、ちょっと地味かなという印象はあるが、
面白いのは2曲目の第2場第3番で
ワーグナーの響きが聞こえてくるところ。
3曲目の第3場第5番はまさにグリーグ的である。
独唱と合唱が参加しているが、あまり歌劇という感じはしない。
そして古いノルウェーの旋律による変奏曲作品51。
これが素晴らしい作品だ。ほとんど聞く機会ってないけれど、
美しいメロディと透明な空気ですぐに気に入ってしまった。
変奏曲の形式をとっているが、ノルウェー民謡の集合体、
連続する小品が豊かな表情を見せて自由に広がり、
その辺はシューマンの世界を思わせる。
グリーグの音楽って、やはり癒される。

iTunes CDR469

「ネーメ・ヤルヴィ」に関する記述はホームページにもございます
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2008年7月10日 (木)

チューリヒ・トーンハレ2006/2007

デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団による
マーラーの交響曲シリーズで今日は第5番を聞いている。
(2007年4月17-19日 チューリヒ・トーンハレで収録)
今回はこれまでと少し違って、予想以上の重厚さと迫力で驚いた。
録音による部分もあると思う。広がりと低音の伸びが素晴らしい。
金管の音色の美しさも最高。もちろん木管もいい。
第3楽章のソロ・ホルンの扱いだけど、おそらく最新の校訂に従って、
コンサートマスターの横で吹く形態をとっていると思う。
(サイモン・ラトルやジョナサン・ノットも採用している)
というのもすぐ近くでくっきりと浮かび上がるホルンの活躍と
後ろからゆったり響いてくる他のホルン奏者たち、
その辺の位置関係が明瞭にとらえられている。
立体的な世界が構築されて、この辺はジンマンのこだわり。
あとこういう鳴り方ははじめてだなあ…という
いくつか発見もあって、興味深く楽しめた。
それに対して第4楽章のアダージェットはというと
これまで聞いてきた中でも特に美しい演奏に感じられ、
その点でもジンマンはきっちりとメリハリを作って、
本当に素晴らしい名演だ。気に入った。

RCA 88697 31450 2

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2008年7月 9日 (水)

フィラデルフィア管弦楽団2006/2007

エッシェンバッハのチャイコフスキー。
フィラデルフィア管弦楽団との交響曲第6番「悲愴」
2006年10月の演奏会ライブ録音。
これは最高である。ひたすら感動した。
先日のショスタコーヴィチがどこか物足りなくて、
なぜこちらのチャイコフスキーは
何もかもが魅力的に聞こえるのか?
その違いって、自分でもよくはわからない。
エッシェンバッハのフィラデルフィアのシリーズも
チャイコフスキーは4番から6番までがそろったし、
バルトークやマーラーやショスタコーヴィチも聞いて、
しかし今回の「悲愴」は間違いなく最高の一枚であると思う。
人によってはわからないが、私ははっきりそう断言する。
どこまでもじっくりと歌い込まれていて、
繊細さと大胆さ、透明な音色と濃厚な表現とが
絶妙なバランスの上に成り立っており、
エッシェンバッハの中にある音楽の完成度、
そしてオーケストラのコントロールは、
かつて聞いたことのない成熟を見せている。
何でここまで音楽が心に響いてくるのだろう?
こういってはマエストロに対してたいへん僭越だけど、
でもエッシェンバッハと本当にひとつになれたと
心からそう実感、充実を感じることができた。

そして今回もエッシェンバッハのピアノ独奏で
ドゥムカ 作品59 が収録されている。
私は毎回、現在のエッシェンバッハが聞かせてくれるピアノ演奏を
大絶賛して聞いてきたが、今回も同じく
最高の喜びをもって聞かせてもらった。
あまりにも繊細にして、大切に扱わないと壊れてしまいそうな
その透明な音色、微妙なニュアンスに彩られた表現。
こんなにもきれいな音が鳴り出すのって、
エッシェンバッハという人は、何という美しい心の持ち主なのだろう。
すでに長く指揮者に専念してきたわけだが、
オーケストラの豊かな響きを知り尽くしているわけであり、
そういう中でふとピアノの前に戻ってくる喜び、
鍵盤に触れる楽しさ、遊び心、他のピアニストたちとは何かが違っている。
思わず「ありがとう」っていいたくなるのである。

ONDINE ODE 1131-5

「クリストフ・エッシェンバッハ」に関する記述はホームページにもございます
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2008年7月 8日 (火)

モーツァルトの歌劇 4

今日は歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527を聞いている。
カール・ベーム指揮プラハ国立歌劇場
1967年2月から3月にかけての録音である。
ベームの「ドン・ジョヴァンニ」の正規盤は2種類あり、
1977年夏のザルツブルク音楽祭でのライブで
ウィーンフィルとの演奏も残されているのだが、
今日は旧録音で聞いている。

歌劇「ドン・ジョヴァンニ」は話の筋では
どうしようもなく品のない喜歌劇で、
簡単にそういってしまっていいのか?
しかしそのままを理解するのなら、くだらないと思うけど、
モーツァルトの音楽の素晴らしさは改めていうまでもなく、
そしてベームの格調高い響き、何て感動的なのだろう。
ベームのモーツァルトは最高だけど、
でも何となく、作品の軽快さからするとお堅いのは事実であり、
最近ではもっと自由になってきているような気もするが、
当時のスタイルはこうであったのだ。
しかしそれにしても圧倒的充実の音楽である。

歌劇「ドン・ジョヴァンニ」について、いろいろ思うのだが、
ドン・ジョヴァンニの従者でレポレルロが、何てかわいそうな…
というのは同じ仲間ながらドン・ジョヴァンニの
あまりにも人を人と思わぬ身勝手な振る舞い。
全くとんでもなく、しかしここでは
そのドン・ジョヴァンニがフィッシャー・ディースカウなのだから、
また何とも変なキャスティングのような気がして。
フィッシャー・ディースカウの歌を聞いていると
そういう破天荒ぶりは影をひそめ、いつもの深みある知的香りが漂い。
もっと軽薄な感じがいいのに。粋で滑稽なファルスタッフのように。
しかしその一方で最後のところでドン・ジョヴァンニが神と対決し、
地獄に落ちる場面での迫力といったらすごい。
こういうところは、フィッシャー・ディースカウならではだと。
実際にベームの音楽にしても神(石像)とドン・ジョヴァンニの対決の場面、
そこにすべての頂点があるのは明らかであり、壮絶なのである。
ということを考えても、有名な序曲の導入部分、
そのただならぬ緊張感は、さすがにベームの表現であり、
このシンフォニックな響き、冒頭の悲劇的な叫びがすべてを象徴している。

DG 429 870-2

「カール・ベーム」に関する記述はホームページにもございます
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2008年7月 7日 (月)

カラヤンの1960年代 8

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
1961年から1962年にかけて録音された
ベートーヴェンの交響曲全集。
一日こもって仕事していたので、
全9曲の交響曲を一気に聞いてしまった。
たまにやるのである。交響曲全集を一日で聞くという。
普通の人には飽きないの?とかいわれそうだが、
ベートーヴェンは大好きなので、元気の源である。
暑苦しい印象もあるけれど、夏こそベートーヴェン!
という考えもある。力が湧いてくるのだ。
もちろん爽やかに北欧の音楽というのも最高。

1960年代のカラヤンは、まだそんなに
カラヤン・スタイルを強く押してくるようなことはなくて、
ここでも明るく、暖かみのある音色でいきいきと躍動し、
ゆったりと大きく鳴り響くところ、朗らかに穏やかに
非常に健康的で澄み切った青空のような演奏だ。
第7、第9は特に名演だと思う。
気合いの入った第9の高揚感は最高の感動。
第7も素晴らしく、でも現在の感覚からすると
スケルツォの楽章をゆったり聞かせるところ、
これはハイドンでもモーツァルトでもカラヤンは共通だが、
それに比べて、終楽章の一気に加速する緊張感、
あまり自然な流れではないように感じられるのだけど、
この辺どうだろうか?こういうところが古い気がして。
でもその終楽章の盛り上がりはすごい。
第5も同様で終楽章は圧倒的である。
あとカラヤンの「田園」も独特の仕上がりは有名だが、
スピード感に関しては、クライバーの演奏が話題になるけれど、
その20年も昔に颯爽と駆け抜ける快適な演奏を成し遂げていたわけで、
当時としてはカラヤンという人は、やはり特別な存在であったと思う。

DG 463 088-2

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2008年7月 6日 (日)

フィラデルフィア管弦楽団2006/2007

エッシェンバッハのショスタコーヴィチ。
フィラデルフィア管弦楽団との交響曲第5番。
2006年9月の演奏会ライブ録音。
ONDINEが聞かせるフィラデルフィアって、
毎回なのだけど、どうも洗練されすぎていて、
本当にこういう音なのだろうかという…
音の美しさは理想的だけど、いかにも軽い。
エッシェンバッハ独特の濃密な描き込みは健在。
ならばもっと濃厚で派手な音が聞こえてきてもいいのだけど。
フィラデルフィア・サウンドとしての色彩感は十分だが、
一方でエッシェンバッハが聞かせる豊かな広がりはあまり感じられず。
ライブの高揚感を絞り込みすぎである。
レコード制作上、抑制された仕上がりというのは重要なのか?
演奏後の盛り上がりを聞いても、この程度で終わっているはずがない。
エッシェンバッハという人は、そういう音楽を聞かせる人である。
後半の歌曲(独唱はイヴォンヌ・ネーフ)も興味深い。
今回もエッシェンバッハはピアノを聞かせてくれている。

ONDINE ODE 1109-5

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2008年7月 5日 (土)

第1410回N響定期公演

2000年6月のN響定期公演から
6月14日サントリーホールにおける
シャルル・デュトワの指揮による演奏会。
録音してあるのは、ドビュッシーの夜想曲と
プロコフィエフの交響曲第3番。
まず夜想曲で非常に明るい音がして、驚かされる。
N響からこういう響きを引き出せるのもデュトワならでは。
弦楽器の繊細なニュアンスにも夢中になった。
そして派手な響きが炸裂するプロコフィエフの第3番。
ゲルギエフの指揮だともっと色彩豊かに
親しみある愛情のこもった音楽が聞こえてくるのだが、
デュトワはさすがにシャープな感覚が冴えわたり、
前衛的な側面、複雑な音構成が強調されている。
面白い作品である。プロコフィエフの音楽でも実にユニーク。
様々な要素をクリアに精緻に再現して、とにかく聞き応えのある演奏。
しかしそのすべてを受け止めるのには、聞く側にも
やはりそれだけのエネルギーが必要である。

CDR468

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2008年7月 4日 (金)

チューリヒ・トーンハレ2006/2007

デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団による
マーラーの交響曲シリーズで今日は第4番を聞いている。
(2006年11月13-15日 チューリヒ・トーンハレで収録)
ジンマンへの期待という点では、それほど刺激的な解釈ではないが、
非常に丁寧に、響きの美しい演奏でうっとりと楽しめる。
ここに漂う透明感と余分な感情移入のない純粋な音楽、
その辺がジンマンらしさといえるのかもしれないが、
シャープさばかりが際立っていることもないし、
第4番ではむしろ穏やかに優しさあふれる表現でいいと思う。
もちろん細部まですっきり聞こえる抑制のきいたコントロールは、
このシリーズに共通するところであり、
全体を通しての統一感、優れたバランス感覚も見事である。

RCA 88697 16852 2

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2008年7月 3日 (木)

カントロフ&ルヴィエ

ジャン・ジャック・カントロフとジャック・ルヴィエによる
2002年3月22日に紀尾井ホールで行われたデュオ・リサイタル。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第3番にはじまり、
サラサーテのカルメン幻想曲、そして後半のプログラムから
サン・サーンスのヴァイオリン・ソナタ第2番。
この二人のデュオは有名だが、いきいきと明るい音色で実に楽しい。
選曲が魅力的なのであり、とにかく聞きほれてしまう。
カルメン幻想曲での超絶技巧には圧倒されて、その鮮やかさに感動。
元気に躍動するベートーヴェンも素晴らしいし、
サン・サーンスの洒落た感覚、色彩感あふれる響きも最高!

CDR467

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2008年7月 2日 (水)

シカゴ交響楽団2007/2008

シカゴ交響楽団の自主制作盤シリーズより
2007年10月のライブでマーラーの交響曲第6番。
指揮はベルナルト・ハイティンクである。
ハイティンクのマーラー第6番は雄大だ。
フランス国立管弦楽団とのライブもあり、
そちらも印象としては似ていた気がする。
でも今回は第1楽章の繰り返しが行われて、
私としてはすごくうれしい。反復があった方が何か落ち着く。
昨年の第3番もディテールが克明に美しく鳴り響いて、
とにかくその感動といったら最高だったのだが、
今回もハイティンクは非常に丁寧に音楽を描き出して、
この録音でも豊かな表情がしっかりとらえられている。
でもそれにしても重厚で深みのある音色、
これはまさしくハイティンクの世界である。
近年は快速な演奏が増えている気がして、
もちろんその快感は何ともいえないのだが、
ハイティンクは一歩ずつ着実に。
終楽章の大きさには本当に驚かされた。
運命のハンマーが振り下ろされて、
空気の振動がこちらにまで伝わってくるような
その辺は録音の素晴らしさでもあり、名盤である。

CSOR 901 804

「ベルナルト・ハイティンク」に関する記述はホームページにもございます
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2008年7月 1日 (火)

横浜の風景から 15

20080701

関内駅の市役所の反対側に出ると
ちょうど根岸線と垂直の位置関係で「大通り公園」がある。
関内から伊勢佐木長者町、阪東橋に至る長い公園である。
つまりこの下に市営地下鉄が走っているのだ。

今日何でここに行ったかというと、
神奈川県建築士事務所協会のすぐそばなのである。
この秋の管理建築士講習会の申し込みが今日からスタート。
今年の建築士法改正で管理建築士が資格化、登録制となった。
管理建築士とは、一級建築士事務所を開設する際に
事務所の運営を管理する一級建築士を届け出るのである。
つまり私の場合、設計事務所の代表であり、
同時に「管理建築士」でもある。
今後は管理建築士になるためには、講習を受け、
修了考査に合格して、登録されなければならない。
そしてこれまで管理建築士を務めてきた建築士にとっても
同じく今後三年間で講習を修めなければならないのである。

9時30分から申し込みがはじまって、
私は10時頃に行ったのだけど、着くと大行列。
4階でエレベーターを降りて、そのまま階段で下の階まで降りた。
列がいっこうに進まない。1時間以上待たされた。
書類をすべてチェックするので、時間がかかる。
法律の改正は受講する建築士も動揺を隠せず、
そして受付する側もまた混乱して、うまく機能していない。
というのも制度を作っている国土交通省が準備不足なのだろう。
昨年の確認申請・検査方法の改革でも建設業界は大混乱したのだが、
今年も来年もこの状況は当分続きそうである。

管理建築士は、一般的に事務所の代表者がなっていることが多く、
申し込み会場に行くと思っていたほどではなかったが、
基本的に極めて年齢が高い。30代や40代は少なくて、
50代以上、上は70代後半ぐらいの方まで、
自分よりも若そうに見える人を見つけるのは無理だった。
私などは事務所開設から8年を過ぎたところなので、
法改正であるならば、仕方ない…って、まだそう思うけれど、
30年40年と長年、設計事務所を続けているような人が
なぜ今さら改めて講習を受けないといけないのか?
これまでの時間はどうなるの?という疑問。
そもそも考えてみるとなぜ建築士を締め付けるのか?
いうまでもなく、これらの改正は耐震偽装問題にはじまっている。
一部の建築士に道を誤らせたのは、上からのプレッシャー。
利益追求の開発業者、不動産会社による圧力である。
宅建法のことはよく知らないが、国が徹底的に管理すべきは、
そうした住宅やマンションの販売を行っている不動産業者。
ホテルの強度不足もかなり発覚したが、
仲介して計画をプロデュースしている会社など。
そういうところはなぜ取り締まられない?
家を売るにも部屋を売るにも資格制にして、
何棟建てたか?何棟売ったか、きっちり報告させて、
それを国が把握すべきでないの?おかしくない?
講習会をして、多くの建築士が正しい知識を共有することには賛成だが、
しかし社会全般で見たときには、何か矛盾を抱えて、
結局は何も解決していないようにも思えてくる。

ここへの行き方はこちらにお問い合わせください
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